見出し画像

新NISAよくある質問シリーズ⑭なぜそもそも国がこんなにNISAをススメるのか

ご覧いただきありがとうございます。

今回は初心に戻って、なぜいま国を挙げてこのNISA制度を推進しているのか?について今一度確認していきましょう。
巷では、意味の分からない陰謀論が囁かれていますが、公表されている資料のおもて面を確認し今後の展望についての考え方を書いていきます。

NISA推進の意図~表面~

岸田首相が掲げる資産所得倍増プランは個人に「貯蓄から投資」を促し、中間層の資産形成を後押しする内容が盛り込まれ、2024年からはさらに
少額投資非課税制度(NISA)の改善拡充を行いました。

昔は銀行の定期預金で、金利が7%8%ついた時代もありました。
ノーリスクハイリターンでお金が増える夢のような時代です。
この時代を経験している人の預貯金信仰が、今日の私達の多くに引き継がれているため、このような状況になっています。

ですが、いまやもう預貯金の金利は雀の涙。ノーリスクノーリターンです。

そこで家計金融資産の半分以上を占める現預金を投資に繋げることで、
持続的な企業価値向上の恩恵が資産所得の拡大に繋がるという形で
「起業成長と個人資産所得の好循環」を実現させる狙いがNISAにあります。

データを見ても現預金の構成比が高く、投資株式が低いことがわかります。

日本銀行より、金融庁作成

NISA推進の意図~裏面①~

ですが、NISAは利益に対して非課税になるため、政府としては税収を失います。ではなぜ、この税収を手放してまで、NISAを推進するのでしょうか?

ひとつには「老後の資金の足りない分は自分でなんとかしてね。」
というメッセージだと考えられます。

老後2000万問題でひと昔前世間がざわついたこともありましたが、
超少子高齢化で人口ピラミッドが異様な形をしている日本において、
将来貰える年金が無くなってしまうことは仕組み上はないでしょう。
しかし、貰える額が今より減ること
は十分考えられます。

その対策のひとつとして、
貯蓄ではなく、投資をしてもらうことでなるべく政府に頼らないように
させる狙いがあるのではないでしょうか。

NISA推進の意図~裏面②~

もう一つの狙いは、
「投資する人が増えれば企業の株価が高くなり、経済全般に良い影響」
与えるであろうと期待しているからです。
景気が良くなれば、国民の満足度が上がり政府の支持率も変わってきます。

ですが実際は、NISA制度の拡充で、政府への支持率が盛り返している印象はあまりないですし、日本株に投資がされているかというと、
実際はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)に個人投資が集中
1月4日~15日までの資金流入額の合計は1972億円と、国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)の全体の資金流入額4689億円の4割強を占めています。
また同じくeMAXIS Slim「米国株式(S&P500)」にも1000億円を超える資金が流入しており、ふたつのファンドで全体の7割弱を占めていることからも、今後も日本企業の株価が新NISA制度の恩恵を受けて上がる見込みは低い印象です。

新NISAよくある質問シリーズ⑭ まとめ

とはいえ、NISA制度自体はこれまで各記事で紹介してきたように、いい制度で利用しない手はないです。一部陰謀論信者は、「国が勧めるのには裏があるから危ない!」と囁いてるようですが、そう思うなら始めなければいいと思いますし、陰謀論を信じるのであれば、利用しなくていいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?