見出し画像

それって本当に必要? --- 顧客が本当に求めていることを見極めるコツ

はじめまして。
株式会社リチカのUI/UXチームのマネージャー兼UXアーキテクトを務めてる中野です。

今回は🎄リチカアドベントカレンダー16日目🎄として、リチカのプロダクトメンバーのテーマ「プロダクト開発で実践していることや、大事にしていること」をお話しできればと思います!


はじめに

株式会社リチカに入社してまだ4年目ですが、インターネット黎明期からデザイナー、ディレクター、プロジェクトマネージャー等を経験してきた47歳で、社内では「じじい」代表です。

若者中心の社内でジェネレーションギャップにも負けずに奮闘している私が、普段思ったり感じたりしてることを率直に書いてみようと思います。

記念すべき第1回目のテーマは「顧客が本当に求めていることを見極めるコツ」についてお話ししていきたいと思います。

UI/UXデザインに関わる人だけでなく、顧客から要望を伺う機会がある人顧客からの要望をカタチにしようとしている人に読んでいただけたら嬉しいです。


それって本当に必要?

突然何の話かと思われたかもしれませんが、私は仕事をするに当たって、『それって本当に必要?』という疑いを持って物事を考えるようにしています。

何故かって?

みなさんも「え?これが欲しいんじゃなかったの?」とか「あれ?なんか話が違くない?」という経験ありますよね?
そう!<認識のズレ>ってヤツです。

<認識のズレ>というのは仕事においては致命的になりかねない問題であり、できるだけ早い段階で気づいて軌道修正すべきだと思っています。

では、どうすれば仕事における<認識のズレ>を減らすことができるのか?
受託開発と自社開発の両方を経験してきた私なりの考えをまとめてみました。


それは感想であって要望ではない

より良いUI/UXデザインをするためには、顧客(ユーザー)の声に耳を傾けて要望をまとめてそれに応えていく必要があります。

顧客(ユーザー)からの要望を聞くために、『使ってみていかがですか?』『何かご要望等はございますか?』と聞いたことはありますか?(もちろん私もあります。)

それに対しての回答は『とても使いやすいですよ!』とか『ちょっと、◯◯が分かりにくかも。』など、提供しているサービスのツールの使い勝手についての話が多いのではないでしょうか?

要望というよりは<感想>に近い回答です。

この<感想>に近い要望に対して頑張って応えていた時期もありました。
もちろん顧客(ユーザー)からは喜んでもらえるし評価もしていただけます。
しかし、喜んでもらって評価もしていただいていたはずの顧客(ユーザー)でも解約されることがあります。

理由は「使いやすかったんだけど、成果が出なかったから」!?

そうなんです!
顧客(ユーザー)が求めていることは「使いやすい」ではなく「成果が出る」なんです。極端にいうとどんなサービスでも「多少使い勝手が悪くても成果が出る」なら使い続ける人も多いのです。

これ、実は聞き手側(サービス提供側)にも原因があるんじゃないかと思っていて、『使ってみていかがですか?』『何かご要望等はございますか?』という聞き方が<ツールの使い勝手についての感想>を誘発してるのではないかと。

顧客(ユーザー)の要望は多くの場合が<サービス契約時に期待していた成果>を達成することであり、サービス提供側が聞くべきことは「期待していた成果を達成できましたか?」「達成するために必要なことは何でしょうか?」なのではないでしょうか?

そうすることによって、本当の要望と解決すべき問題が明確にできるのではないかと思います。


問題の「解決」vs「回避」

顧客(ユーザー)からの要望の中には、実現不可なことや解決するのに時間がかかるものも多くあると思います。
特にシステム開発が絡むものについては、技術的な検証や既存システムへの影響なども考慮する必要があるために数ヶ月~1年かかってしまうということも十分にあり得ます。

そんな場合も私は『それって本当に必要?』と自問するようにしています。

1. その問題を解決することで、どのくらいの顧客が喜ぶのか?
 → メチャクチャ頑張って対応したけど、一部の顧客しか喜んでもらえないこともある。
2. 本当にその問題を解決する必要があるのか?
 → 時間が掛かってでも対応すべきものかどうかを検討する。
3. その問題を回避する方法はないか?
 → 根本的な解決にはならないが、回避することができる案がないかを検討する。

 

特に重要だと思ってるのは「3.その問題を回避する方法はないか?」です。
顧客が困っているのは<現時点>であって、数ヶ月~1年後に解決できたとしても<時既に遅し>ということも大いに考えられます。

残念ながら<開発に時間がかかる>というのは、顧客(ユーザー)にとっては言い訳にしか聞こえないのです。

解決に時間を要する問題への取り組みで大切なのは<現時点>に対してどう対応するかであり、それが一時的な回避方法であっても良いということだと思います。現に、回避方法を提案したら「これで十分です!」となることも多くありました。

もし時間が掛かっても根本的に解決すべきことだとしても、まずは回避方法から先に提案してみると良いのではないでしょうか?


プロとしての+α

顧客(ユーザー)からの要望は待っていれば出てくるというのもではなく、サービス提供側が積極的に引き出していく必要があると思っています。
重要なのはその要望が顧客(ユーザー)にとって本当にベストなものなのかどうか?です。
つまり、その要望は顧客(ユーザー)が抱えている問題を解決するのに最適な方法なのか?ということです。

全ての顧客(ユーザー)がベストな要望を出せるわけではありません。
中には「◯◯したいのであれば、××する方が効率良く成果を出すことができるのに・・・。」というものもあると思います。
むしろサービス提供側の方が多くの知識や事例を持っているはずなので、より良い解決法を提案できるはずです。

私が長年意識してきたことの1つに『プロとしての+α』というものがあります。
顧客(ユーザー)から言われたことをそのまま実現するのではなく、プロフェッショナルとして+αを足したものを提供することを目指すべきと考えています。

まとめ

少し長くなってしまいましたが、私の考える「顧客が本当に求めていることを見極めるコツ」は以下の3点です。

1. 感想ではなく「成果を出すために必要なことは何か?」を聞き出す
2. 時間がかかる問題は、まず回避策から考え提案する
3. プロとしての+αを忘れない

 

いかがでしたでしょうか?
今回の記事が少しでもみなさんのお役に立てれば嬉しいです。

今後も定期的にUI/UXに関わる記事を投稿していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。


We are Hiring!!!

私が所属するプロダクトを始め、リチカは絶賛採用中です。

下記にリチカの情報についてまとめております。
少しでもご興味をお持ちいただいた方は、ぜひご連絡ください!

■採用情報
採用サイトはこちら👇

プロダクト以外のポジションも積極採用しています。
リチカについてもっと知りたい方と思っていただいた方がいらっしゃれば、ぜひ以下もご覧ください。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

次回は、カスタマーサクセスのクリエイティブチームでマネージャーを勤めている米倉さんの『出世欲のなかった僕が気付いたら部長の席に座っていた話』です。お楽しみに!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?