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【音楽遍歴】 DTM環境②(大学院時代)


はじめに

前回の記事では大学の入学祝いで買ってもらったサンプラーのローランドS-50とシーケンサーのヤマハQX-5について書きました。正直、週末や夏休みに部屋に籠もって、雑誌やバンドスコアに載っている曲をチマチマ打ち込んで自己満足に耽るには充分なスペックだったのですが、S-50の弱点だった「シンセサイザー的な音」への限界を突如として、そして意味なく感じ始め、「新しいシンセサイザー欲しい欲しい病」を患ってしまいました。

今回は初めてのシンセサイザー(サンプラー)購入から4年経ち、大学院に進学したタイミングで新たに購入したDTM機器について書いてみます。

初めての音源モジュール

僕がS-50を買ってから1年くらいして、コルグからM1というシンセサイザーが発表されました。デジタルシンセサイザーに加えて、シーケンサーと2系統のエフェクターが搭載されたオールインワンのミュージックワーステーションという位置づけで、約25万円という手頃な価格ということもあって、瞬く間に大人気の機種になりました。特に、ディレイやリバーブ等のエフェクターを搭載しているのが羨ましくて、「あー、1年早まったなあ」と地団駄を踏んでいたものです。

そんなこともあり、初めて買った音源モジュールは、そのM1から鍵盤部分のみ取っ払った2Uの音源モジュールM1Rでした。鍵盤なしということで、価格は約20万円、京都の河原町にあった楽器屋さんで18万円位で購入した記憶があります。

過去50ウン年の人生の中でもベストの買い物の1つ、コルグM1R

サンプラーの限界を感じて買った割には、特に自分で音を作るわけでもなく、プリセット音だけでも充分に楽しめるクオリティでした。特に、色々なエフェクターをかけることで音が大きく変わって、「うぉぉぉぉ」ってな感じでした。ただ、アコースティックピアノや生っぽいストリングス系の音はサンプラーであるS-50の方が「らしさ」があること、プロの作った数千万円のフェアライトの音をサンプリングできる魅力は残されていたので、以下のような構成を組んでました。

  • ローランドS-50:MIDIコントローラ、アコースティック音、サンプリング音

  • コルグM1R:デジタル音、過剰にエフェクトをかけたいパートの音

  • ヤマハQX-5:S-50/M1Rのコントロール

S-50とM1Rはそれぞれ16ポリフォニックで最大32音同時出力が可能で、M1Rの方はパート毎にパンニングを設定できたので、それぞれの出力を4チャネルのアナログオーディオミキサーに入れて録音すると、S-50だけでは難しかった音の鮮やかさやエッジの鋭さ、デジタルとアナログを共存させた彩りなどが表現できて、楽器を触る時間がそれまでの5倍くらいに増えたのを覚えています。

S-50+M1Rは、会社の先輩や後輩の結婚式の余興に持ち込んで演奏をする等、とても長い間活躍してくれ、これまでの人生でもトップ3に入るくらいの良い買い物でした。

初めてのデータファイラー

初めてかったヤマハQX-5というシーケンサーはカセットテープを使ってデータをバックアップする方式だったのですが、あまりに信頼性が低く、データエラーの恐怖との戦いだったので、これまたコルグが発売したデータファイラーDF1という機器も買いました。

フロッピーディスクでMIDIデータを保存できるコルグDF1

シーケンサーのMIDI端子とこの機器のMIDI端子を接続することで、シーケンサとデータファイラー間でデータをダンプできるというもので、データ転送の時間や信頼性が格段に向上しました。フロッピーディスクなので1枚あたりのデータ容量は1.4MBという令和の時代では信じられない極小サイズですが、MIDIデータは基本的にはテキストデータなので特に問題はありませんでした。

この機器を買ったことで、曲毎にシーケンサー側の内部データを置き換えることができ、トラックダウンのミスで泣きを見ることがなくなりました。ニッチなプロダクトではありますが、個人的には痒いところに手が届く、非常に良い製品でした。

その頃作っていた曲

それまでも暇つぶしに自作の曲を作っていたりしてましたが、M1Rで「機材的には」表現の幅が拡がったので、音楽理論の勉強をしたりもしながら、趣味で曲作りをしていました。止めたくて仕方なかったヤマハ音楽教室時代を考えると驚くべき変化です。やっぱり、内発的動機付けは大事です。

人に聞かせる当てもなく自己満足で作っていた曲

今と違って、簡単に発表できるメディアがある訳でもないので、完全に自己満足でしたが、付き合った彼女に聞かせたら感心してました。ただ、残念ながら感動はしてくれず(笑)今だと、GarageBandのループを重ねただけのものにも負けそうなクオリティだったので仕方ないと言えば仕方ないか。

おわりに

今回は初めて購入した音源モジュールなどについて書きました。最近はすっかり聴く専門になってしまいましたが、この頃に作った曲は楽譜を手元に残してあるので、最新の機材とテクノロジーを使って、再録音してみたいなあと思ってます。

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