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【初めてシリーズ】初めてのライブ(邦楽編)

はじめに

前回は「初めてのライブ」として、初めて行った洋楽のライブについて書きましたが、今回は初めて行った邦楽のライブについて書いてみようと思います。

前回の記事はこちら。

初めて行った邦楽ライブは洋楽ライブよりも結構後(と言っても30年近く前!)ですが、やっぱりレビューを書くほど内容をハッキリ覚えていないので、ライブに関係する「出来事もろもろ」を中心に書いてみようと思います。

ライブ情報

初めての邦楽のライブは社会人になった年のL⇔Rでした。L⇔Rを知ったのは大学院の頃で、指導教官が研究室で流しっぱなしにしていたFM802のヘビーローテーションで"Bye Bye Popsicle 〜 一度だけのNO.1"を聴いたのがキッカケ。どこか懐かしい感じがするのに、当時の他のバンドにない新しさを感じさせる音に一瞬で虜になりました。ラジオから聞こえて来る「エルアール」という聞き慣れない名前を頼りに、何件かのレコード屋さんを巡って、3rdアルバム"Lost Rarities"を買ったのが本格的な彼らとの出逢いでした。

アーティスト : L⇔R (Equinox Tour)
開催日    : 1994年3月16日
開催場所   : サンケイホール(大阪)

出来事もろもろ

キッカケかは忘れましたが、同じ部署の同期の女の子にL⇔Rの4thアルバム"Land of Riches"を貸すことになりました。彼女は特に音楽好きという訳ではなかったみたいでしたが、どういう訳かそのアルバムを気に入ったようで、他にもL⇔RのCDがあったら貸して欲しいと言われて、貸すことになりました。何となく彼女のことが気になっていた訳ですが、近々L⇔Rのライブがあるという情報を掴んだので、彼女をライブに誘ってみたところ、あっさり「行ってみたい!」との返事。かくして、初めての彼女とのデートがL⇔Rのライブになりました。今考えてみると、初デートが深く知らないアーティストのライブってのは、中々チャレンジングな行動に出たもんです。

当日は彼女は休暇を取り、僕は仕事を早めに抜け出して、最寄りの駅で待ち合わせて電車で大阪へ。JR大阪駅のガード下にあったビアレストラン「ジャングル・ダ」で軽く夕食を摂って、桜橋のサンケイホールへ向かった記憶があります。

ライブは予想外に素晴らしく、ロック寄りの曲は力強く、バラードの曲は繊細に、演奏力と表現力の高さによってメリハリの利いた内容。直近2枚のアルバムの曲しか知らなかった状態で、それほど期待はしていなかったこともありますが、初めて聴く初期のアルバムの曲もメロディの完成度が高く、マニア心をくすぐるようなフックが効いたアレンジの曲も多く、その引き出しの多さに感心しきりでした。

そんなことを考えるフリをしながら、実は隣で笑顔でステージを見つめている彼女の様子を見て、「あー終わって欲しくないなあ」と何回思っただろう。そして、奇跡が起こったのは中盤の"(I Wanna) Be with You"。彼女が突然僕の手を握り、ニッコリ笑うではあーりませんか。こっちは心拍数を上げながらも悟られないように、あくまでもクールに音楽を聴いているフリをしていました。

当時、彼女の門限が22時だったので、アンコールの"Northern Christmas"を途中で切り上げ、サンケイホールを後にして、帰宅の途に就きました。あれ、握ってたた手はいつ離したんだっけ。

最寄りの駅から歩いて帰っているときに、彼女から「好きな人いるの?」的な話を振られ、あたふたしてると、彼女が「自分も好きな人が居るけどうまく行ってない」というような話をし始めました。そのとき、僕は何を思ったのか、後先考えずにかなり『思い切った行動』を取ってしまいました。

その日はもちろん、その次の日も気まずい思いで会社に行ったのですが、何故か彼女はそれまでと変わらず、ごく普通に接してくれたので救われました。

そして、その後、彼女と付き合うことになりました。

付き合い始めた後、何故ライブ中に手を握ったのかと尋ねたら、「握って欲しそうな顔をしてたから」と言われました。また、何故帰っている時に好きな人が居るかを聞いたのかと尋ねたら、「告白されそうな気がしたので予防線を張った」らしいです。全てばれてたのか、まいった。

「ただ、まさか『あんな行動』に出るとは思わなかった」そうで、「押し切られちゃった感じ」と笑ってました。結局、色々あって別れてしまったけど、このときのライブは、音楽以外の出来事を含めて(というか、音楽以外の出来事こそが)、忘れられないものになりました。

セットリスト

  1. Land of Riches

  2. Telephone Craze

  3. Crusin' 50-90's

  4. What 'P' Sez?

  5. Red & Blue

  6. Love Is Real

  7. Holding out

  8. Package

  9. Rock'n Roll Medley

  10. I Love to Jam

  11. Kansas City 〜 Hey Hey Hey

  12. (I Wanna) Be with You

  13. 君に虹が降りた 〜 Raindrop Traces

  14. 君と僕と夏のブルージーン 〜 Now That Summer Is Here

  15. Bye Bye Popsicle 〜 一度だけのNO.1

  16. 恋のタンブリングダウン 〜 Tumblin' Down

  17. Lazy Girl

  18. Rights and Dues

Encore1

  1. Equinox

  2. Bring It on Home to Me

  3. Northern Christmas

おわりに

世間一般的に、L⇔Rと言えばドラマの主題歌でミリオンセラーになった"Knockin' on Your Door"だと思いますが、初期のアルバムには素晴らしい曲がたくさんあります。"Laugh + Rough"に収録されている"Younger than Yesterday"は隠れた超名曲で、メランコリックなメロディと甘酸っぱい歌詞が練られた構成でまとめられていて、今聞いても感情を強く揺さぶられます。

彼らは、その後活動を停止し、ソロ活動や色々なミュージシャンとのユニット等、幅広く音楽活動を続けていましたが、L⇔Rの結成25周年を迎える年に、何らかのアクションがあるのではという噂が起きていた2016年12月にメインソングライターでボーカルの黒沢健一が脳腫瘍のために亡くなってしまいました。

邦楽では一番惚れ込んだバンドだったこと、同年代であったことも大きなショックではありますが、あまりに早過ぎる傑出した才能の喪失が、残念でなりません。

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