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【ベスト3アルバム】1984年4月〜1985年3月

はじめに

2022年の暮れが押し迫る中で、昔聴いたアルバムのベスト3とか、ややこしい記事を書いてしまってすみません。2022年度のベストアルバムと思われた方、年内にはセレクト予定ですので、改めて見に来て頂ければと思います。

以前の記事で、高校1年生のときに聴いていたアルバムをリストアップしましたが、今回はあのリストの中からベストアルバム3枚を紹介してみようと思います。

「あのリスト」を書いた記事はこちら。

中学生の頃のベストアルバムは、「当時ベストと思っていたアルバム」と「今考えてみるとベストだったアルバム」の2つの記事に分けて書きましたが、高校生の頃のベストアルバムは当時と今のセレクトが変わらなかったので、一つの記事にまとめて書くことにします。

高校1年生のときに聴いたベスト3アルバム

高校に入って、それまでのエレクトロポップ一辺倒から脱却し、ネオアコやらネオサイケっぽいものなども聴き始めましたが、結局ベストアルバムを選んでみるとエレクトロポップ寄りのものになってしまいました。まあ、人はそんなすぐには変われないと言うことで。

1位:Some Great Reward (Depeche Mode)

Some Great Reward (Released at 4 September 1984)

前作"Construction Time Again"で実行した甘い音から固い音によるイメチェンをさらに押し進め、金属的で攻撃的な音を積極的に取り入れたアグレッシブな作品。デジタルシンセサイザーをフル活用したパーカッシブなサウンドながら、メロディ自体は親しみやすいものが多く、エレクトロポップとインダルストリアルポップの間で巧くバランスを巧く取った感じ("Get The Blance Right"ですね)。

Martin Goreがアコースティックピアノをバックに歌い上げるシンプルなラブソング"Somebody"などゴリゴリに「攻める」以外の楽曲のデキが総じて良い中、出色したキートラックはラストを飾る"Blasphemous Rumours"。

メランコリックなメロディに、

人生に飽き飽きして自殺を図った16歳の少女 神のご加護で一命を取り留めた
18歳でキリスト教に生きる意味を見出した その途端車にはねられて亡くなった
神様、ちょっとユーモアのセンスないんじゃないの?

Blasphemous Rumours (一部を抜粋・意訳)

というシニカルな歌詞を乗せ、重苦しさと、ほんの微かな希望を感じさせるアレンジが素晴らしく、アルバムとしても第一次Depeche Modeの集大成かつ次のステージへのステップアップを期待させる作品。

2位:(Who's Afraid of )The Art of Noise (The Art of Noise)

(Who's Afraid of) The Art of Noise (Released at 22 October 1984)

Trevor HornGary Langanなどのプロデューサやサウンドエンジニアを中心として結成されたグループの1stアルバム。当時普及し始めたデジタルサンプラー等の最新テクノロジーをフル活用した音作りは(当時は)非常に斬新で、「こういう音楽の作り方があるんだなあ」と感心しきり。

音楽の創作メソッド自体が斬新ながらも、その前衛性や実験性だけに頼るのではなく、チャートの上位に食い込めるポップミュージックとして成立させる手腕はさすがは名うての裏方集団で、"The Art of Noise"に留まらない内容。

日常に溢れる様々な音をサンプリングして踊らせることにフォーカスした"Beat Box"や"Close (To The Edit)"だけでなく、ひたすら美しい"Moment in Love"なども収録されており、音楽的な引き出しも多彩。単なるアイデア勝負ではないので、今聴いても古臭さはなく、聴き応え充分の一枚。

3位:Songs from The Big Chair (Tears for Fears)

Songs from The Big Chair (Released at 25 February 1985)

傑作デビューアルバム"The Hurting"で紡いだ内向的なサウンドスケープは何だったんだという変貌に戸惑った2ndアルバム。確かに、前作後にリリースされた"The Way You Are"や今作のリードシングルになった"Mothers Talk"の変化から多少の予兆はあったけれど、「ここまで変わるは。。。」というのが正直な感想。

変貌ぶりの一つはリズムセクションの大幅強化。"Mothers Talk"や"Shout"では各種パーカッションを取り入れたドラムスと、細かく動き回るベースが有機的に絡まって強靱なリズムを作り上げ、ギターとシンセサイザーを効果的に使うことで、これまでにないスケール感を演出。

そうかと思うと、サックスのイントロで始まってしなやかなグルーヴが展開されていく"The Working Hour"、「いつの間にそんなに明るくなったんだ」と小言の一つも言いたくなる"Everybody Wants to Rule The World"、肩の力が抜けたメロディアスな"Head over Heels"からライブバージョンの"Broken"と繋いだ後に、音数は少ないながらもシンフォニックな"Listen"など、8曲という収録曲の少なさにも関わらずお腹いっぱい。振れ幅の大きさと力強さという武器を獲得できたのも○。

おわりに

相変わらずの誰得な記事ですが、昔のリストを振り返って、あれこれ考えるのは楽しいですね。特に、当時テレビでは殆ど見ることができなかったプロモーションビデオがYouTubeにアップロードされていることも多く、今さら当時を追体験できるのはエモいです。

1位のDepeche Modeは、残念ながら今年オリジナルメンバーのAndy Fletcherが病気のために急死してしまいましたが、10月のプレスカンファレンスで来年春に5年ぶり15作目のスタジオアルバム"Memento Mori"をリリースし、ワールドツアーを行うことが発表されました。プレスカンファレンスでは、新曲と思われる曲の一部が流され、この断片をリミックスして映像を付けるファンが続出するなど、期待が高まる一方です。

3位のTears for Fearsは今年18年ぶりの7作目のスタジオアルバム"The Tipping Point"をリリース。メンバーの姿も作風も時間の経過を感じさせるものになっていますが、結構良いメロディの曲が多く、2022年のポップミュージックとして成立しているのが嬉しかったです。

高校3年間で買ったアルバムのリストが手元にあるので、追って高校2年生のときのベストアルバムと高校3年生のときのベストアルバムをやろうと思います。ほぼニーズはないんじゃないかと思いますが、自分の足跡整理ということで。

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