さようならPANTA

22歳だったかな。
頭脳警察の世に出回ることがなかったレコードがCDとして再発された。
よく読んでた音楽雑誌には頭脳警察って言葉がよく出てきてた。この頭脳警察って言葉のインパクトが頭に残っててどんな音楽なんだろうってずっと想像してた。
バンドなのに赤軍だとかよど号ハイジャック事件の事とかも音楽雑誌で紹介されてた。
やっと聴ける!
嬉しくて誕生から万物流転まで全部買って聴きまくった。
すっかり頭脳警察にかぶれてたな。
バンドでは 落ち葉のささやきって曲をカバーしてライブでやった。

この22歳の頃、現場仕事を任されてやってたんだけど 自分だけではちょっと大変だろうって事で日雇いの人をひとり頼んでるって事で来たのがヒロシくんだった。

休憩時間にヒロシくんは自分に
「派手な髪の毛してるけどバンドでもやってるん?」
って聞いてきた。自分のバンドの事を話してたらヒロシくんも
「実は自分もバンドをやってたんやけど…頭脳警察って知ってる?」
なんか言葉にならんくらいビックリしたな。
そこから何年か過ぎて再会してヒロシくんは実はPANTAとはあまり仲良くなくて…よく悪口を聞かされた 笑
でも自分はPANTAのことは好きやからなって言うと不貞腐れてた。
あの世にPANTAが行ってしまったけどケンカせんと仲良くしてや。
こっちの世界はだんだんつまらなくなるけど楽しい世界になるように頑張るよ。