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本当に良いシステムは誰も置き去りにしないこと



日々進化するネット社会は、一体どこへ向かうのだろう。行政のシステムまでもがオンライン化する中でそのシステムは誰のためのものなのか、在るべき姿を問うてみた。


今日の映画は

わたしは、ダニエル・ブレイク


Talk 1 / これは未来の私の姿

まず、この映画のあらすじを紹介しよう。ある1人の老人が心臓発作で倒れ、仕事復帰したいがドクターストップをかけられるところから始まる。失業した彼は国の援助を受けようとするが、複雑な制度が前に立ちはだかる。大工歴40年と手に職を持ち、税金をきちんと納めてきた彼だが、次々と保障は打ち切られ貧困へと陥っていく。貧困という現実に直面しながらも出会う人々と助け合いながら生きていく姿が描かれている。ただ貧困が心身に与える影響は大きく、彼は2度目の心臓発作により亡くなってしまう。

この映画を観て、《未来の私の姿だ》そう思った。国の制度は、オンライン化が進むことで複雑化を増している。そして、貧困に陥ったからといって救いの手は差し出されず、制度を理解している者だけが援助を受けるチャンスを掴むことが出来る。(2020年現在は紙媒体での申請方法は残っている)

私は失業したことがある。その時、手続きにハローワークへと何度も足を運び、説明を受け、申請をして、失業手当を受け取った。正直、今でもそのシステムは分からないことが多い。

20代の私ですら分からないことが多いのに、パソコンを使ったことのない世代の方々にオンラインでの申請だなんて、馬鹿げてる。

例えば、天災や病気で明日から働けなくなったとしよう。貯金はあと5000円だけ通帳に入っている。とりあえず、5000円で食費はなんとかなりそうだ。しかし、生きていくためには家賃や光熱費がかかる。このままでは1ヶ月も生きられない。 では、失業手当を申請しよう。次に税金の免除を申請しよう。生活保護を申請しよう。…そう国の制度は申請してからすぐ給付が受けられるわけではない。審査があり許可がおり、待って待って待ってようやくお金を手にすることが出来るのだ。

待ってる間の生活はどうするの。

貧困に陥っていくだけだ。

今はオンライン化が進んでいるが、きっと私がおばあさんになったとき、さらにシステムが変化を遂げているだろう。そして、私は浦島太郎状態になる。

主人公ダニエル・ブレイクは未来の私の姿だ。


Talk 2 /  これから進む未来

コロナの影響で対面せず手続きが出来るよう様々な分野でオンライン化が進んだ。給付金をオンライン申請で受け取るために慌ててマイナンバーカードの申請をした人も多いのではないだろうか。

そう時代の流れはオンライン化。

私が考えるオンライン化のメリットはこうである。①ペーパーレス出来るため環境に優しい。②日本全国どこに居ても同じやり方で同じ制度が受けられる(平等)③人件費削減④ネットでいつでも手続きが出来る⑤手続きに行く手間が省ける…

と言ったところだろう。これだけ見てみると『なんだ!良いところいっぱいあるじゃん!』と思うが、これは前提として《 パソコンもしくは携帯などの媒体をネット環境下で使用できること 》が条件にある。

つまり、それが出来ない人はオンライン申請できないということ。

これから進む未来はパソコン・携帯も進化し、その進化に順応できる人だけが制度を利用するチャンスを掴めるのではないだろうか。


Talk 3 / 平等ってどういうこと?

ジェンダー、国籍、人種、、、

何をとってみても平等が問われる今、ここも平等にするためには何が必要なのだろう。考えてみた。

まずは、情報のアップデートを行う。30代以上の人に問いたい、学生時代に習った社会保障制度を自分が活用できるレベルで覚えていますか。恐らく大半の人が『いいえ』と答えるだろう。そこが問題なのだ。そして、社会保障制度は時代の流れとともに変化している。そのため、最新の情報を自分が活用できるレベルで理解している人は多くない。これは私事であるが、今の自分に必要のない制度は関係ないものとして認識し忘れがちである。だからこそ、どんな人にも届くような情報のアップデートが必要である。(市役所ホームページのQ&Aは分かりやすくてよい。ただ万人には届いていないのが課題だと思う。)

次に出来ない人を顧客にする。例を挙げると、ドラマ『リッチマンプアウーマン』で最先端の技術を詰め込んだ行政システムを開発したが、パソコン音痴の主人公が全く使いこなせない。そこでシステムを分かりやすくすることに重点を置きシステムを作り直す。その時、開発者は「どんな人でも使えるものでなければならない」と言う。そう元々ネット社会に強い人だけで作ったシステムなんて不平等の塊である。平等を目指すのであれば、出来ない人を主にしてシステムを作る必要があるだろう。

そして、無料で使える端末と端末の使い方を学ぶ機会を作る。オンライン化を進めるのであれば、必ず学ぶ機会を作る必要がある。そして、貧困で悩んでる人なら家に端末がない人もいる、ネット環境がない人もいる。自由に使える端末の設置が必要ではないだろうか。

ネット社会となり、オンライン化が進むからこそ、ネット社会にも平等さを求めていきたい。


Talk 4  / 本当に良いシステムは誰も置き去りにしないこと

こんなに批判してるように書いているが私はオンライン化に反対しているわけではない。どう在るべきか考えている。

このtalkを書くにあたり、1番の学びは

誰も置き去りにしないこと

これに尽きる。

最近、違和感を持ったことがある。『それは〇〇な人向けのサービスを始めます』という言葉。私もパパママお悩み相談室を開いたから、これに当てはまる。違和感の正体を今日発見した。それは“平等でない”こと。そう私が始めたサービスは該当者が幸せになる、生きやすくなるためのサービスであって、同時に該当しない人が生じるサービスだ。該当しない人に不利益が無ければ良いと思うが、そもそも該当しない人のことを1ミリも考えず作ったサービスだから不平等すぎるのである。

システム構築やサービス、ビジネスを提供する場合は該当しない人にも目を向け、続けていく上で不利益が無いか、『共存』していけるか考える必要がある。

本当に良いシステムを作るということは、それだけ難しいことだということがわかった。

誰も置き去りにしない社会を。


Talk 5 / 終わりに

この映画をみて、まるで自分に起こったことのように怒りを感じ、社会に絶望し、それでも身近な人を救うダニエルに感動した。

そして、そこから学びに変えたい気持ちでこのnoteを書いた。綺麗事だってなんだっていい。この時代を生きる当事者になって考えることが大切なんだ。今まで世界で起きる事を他人事として捉えてきた。“かわいそう”“Pray for 〇〇”とかね。それでは何も変わらない。色んなところに学びや答えは転がってる。ちゃんと吸収してチカラに変えていく。それが私に出来ること。


今回のnoteは尖ってる。そんなときがあっても良いね。



Ricky.






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