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【ドラマ】『TWO WEEKS』は名作なの?と思った話

Rickyです。

作品レビューを書く時は、可能な限り何回も観てから書くようにしています。良い作品は、見るたびに発見があるし、その時々の状況によって、感じ方も変わります。その自分の感覚を大切にしています。

ちなみに、「難病ものは苦手」と言いつつ『僕のいた時間』のレビュー(前編後半番外編)は、回にもよりますが、多い回で10回くらい見直して書きました。
冗談抜きで、セリフ全部言えるかも(笑

そもそも、私、ドラマをリアタイで観る事はまずしません。完結してから一気に観たい。CMで中断されるのは嫌だし、次週まで待たされるのもいや。
集中力途切れるのが嫌なので、まとめて「一気観」します。
なんなら、観る前にあらすじも読んじゃう。結末わかって、安心して(?)観たいのです。

ちなみに、漫画や小説も連載が終わってから一気読みする派です。
そして、ミステリーでも、最後のページ読んでからスタートします。

基本的に、新鮮な驚きより、答え合わせが好きなタイプです。ドラマも映画も本も、続きが気になる状態で、もやもやしたまま待てない。待てる人、尊敬します。いや、ほんとに。

完結してからの「一気観」のもう一つの利点は、気になったら、何度でも繰り返して見られるという事です。
もちろん、オンデマンドの配信なり、DVDなり、なんらかの方法があって、の事ですが。

だから、ドラマや映画のレビューを書く時は、少なくても3-4回。多いと10回くらい観て書いています。
生の舞台はそうはいかないので、めちゃ集中して観ています。

で、今回はTWO WEEKSについて書いてみようと思いますが、この作品は一回しか観てません。
なぜって、劇中の「逃亡シーン」が苦手なんです。
展開わかってても、怖くて見てられない(子供かっ!)

ところが、ドラマ全体を通じて、春馬君演じる結城大地がひたすら逃げてる。そういうドラマだから当たり前ですが。
って事は、結城大地が出てるシーンほぼ全部観られない。

観られるのは、春馬君が出てないシーンと、回想シーンと最終回の後半だけ。。。笑

それだと繰り返して観る意味が。。。?

というわけで、リピートはしていません。

でも、書きたいので書こうと思います。
私の記憶力頑張れ!笑

TWO WEEKS、見始めた時から、なんか、そこはかとない違和感を感じるドラマでした。なんかチープというか。昔の2時間ドラマみたいな。惰性で長寿番組になってしまってネタ切れの刑事ものドラマみたいな。

うまく説明できないのですが。

加えて、春馬君のチンピラぶりが、似合っているような似合っていないような。。。笑
初っ端から、その後の展開見なくても、「この人、根はいい人でした」という展開が見え見えの雰囲気。

私は、春馬君をこのドラマで初めて見たのですが、どうしてもチンピラに見えない。
麻雀打つのも、なんかぎこちない。
なにより、タバコを吸う仕草が、まったくタバコを吸い慣れた人のそれでない。

私、自分が麻雀もするし、タバコも吸ってたので、なおさら感じました。

余談ですが、なにをやってもカッコよく決まる春馬君ですが、タバコを吸うシーンだけは、いまだにどの作品を観てもぎこちない気がします。
私は後に知ることになるのですが、春馬君はどんな役でも、ディテールに拘って役づくりをする事はよく知られています。が、タバコを指で挟む仕草が、なんか違う。どこかぎこちない。

この時も、きっとこの人タバコ吸わないんだろうなぁと、思いました。というか、お嫌いなんでしょうね。おそらく。

それはともかく。

チンピラの結城大地を観て、いい人に違いない!、そんな違和感から始まったTWO WEEKSでしたが、1話の終わりでそのチープさを確信するに至りました。

護送車から脱走って😅

んな、バカな!

そして、このドラマ、この後とにかく、コメディも真っ青のツッコミどころ満載の展開になって行きます。

たまたま逃げ込んだ家のおばちゃんがめっちゃいい人なのはまあよしとして、スーツを借りられるくらいの同じ背格好の息子がいる設定って🙄

スーツなんて、そうそう合いませんから。
ズボンの丈は合わせて切るし。

逃げる結城大地、ビルの谷間に落ちたと思ったら、無傷で助かるとか🙄

この時は、結城大地、たしか「映画かよ」ってつぶやいてますね。はい!ドラマですよ、って、お茶の間から全力で突っ込まざるを得ない。

結城大地、川に落ちて、潜ったまま船に掴まって逃亡し(?)、海にまで流され、気を失ったっぽいのにちゃっかり助かっちゃう、とか🙄

しかも、助けてくれたのが、昔、助けた相手だった偶然。もう、結城大地の人生、偶然多すぎ!😓

あげく、溺れたはずなのに帽子も一緒に流されて、それが遺留品となって、居場所バレるとか、なんなの?とか🙄

水に浸かったはずのはなちゃんから貰った人形、ダメージゼロ、なわけないだろ、とか🙄

結城大地、気持ちが落ちる度に、はなちゃん妖精が現れて、夢の中でお話しして元気チャージ!って🙄

しまいには、はなちゃん妖精が出てくるたびに、私の脳内でドラクエで宿屋に泊まった朝の音楽がなりました(笑

いや、こういう夢を見て元気復活という演出手法を全否定しているわけではありません。
けど、ひとつのストーリーで、何度も使うもんじゃないと思います。

はなちゃんと言えば、はなちゃんの病室、みんな普通に出入りしてるけど、無菌室じゃなくていいのか、とか🙄

それに、いとも簡単に柴崎潜入しすぎとか😓

そんで、さんざん結城大地の邪魔をした警察は、最後の最後まで役立たずで、決着ついてから登場。

水戸黄門かよっ!

でもって、結城大地、2週間の間に怪我しまくり、はなちゃん病院から逃避行してるのに、予定通り移植するんだ。。。🙄

もうあの、サスペンスとか、ストーリーとかなんとか以前に、このドラマはなにが描きたいのかわからないレベルで、ツッコミどころに気が取られる。はっきり言ってしまうと、つまらないドラマでした。
全然楽しめなかった。

韓国ドラマのリメイクという事だけど、元がそうなのか、日本版にする時チープ化しちゃったのか。。。

これだけ酷い素材なのに、このドラマのすごいところは、役者が強者揃いだと言うところです。とにかく芸達者が多い。

春馬君は言うに及ばず、筆頭はなんといってもはなちゃん、柴崎は怪演だし、灰谷も表情のない難しい役なのに上手いし、柴崎の手下達がこれまた個性的でいいし、すみれさんは凛としてカッコいいし、楓ちゃんは検事にしてはちと若すぎる気がするけど大健闘。
そして、楓ちゃんの秘書官がまたナイススパイス。重要な働きをしてるような、単なる道化のような。関係ないけと、秘書官役の近藤公園さんは、春馬君ドラマでよくお目にかかります。ご縁があるのかしら。

警察方面の皆さまも人が良くて、組織に従順で適度に無能な感じがよく出てて、実際に警察がこんな体たらくでは困るけど、まあ、刑事物ではないから、バランスとしてはありだし。

もうひとりの三浦さんは、丸くて優しい感じが、役柄的にも見た目にも春馬君と対照的で、いいキャスティングだなぁと。徹頭徹尾、優しくて男前ないい人の役、簡単そうに思えるけど、こういう役をさらっとキラッとできる役者さん、案外少ない気がします。

よくわからなかったのが、佐穂子さん。個人的には、黒木瞳さん、大好きな女優さんですが、
佐穂子さん、この人必要?
別に政治がらみの不正のストーリーじゃなくてもよかった気がする。
しかも、その不正に走る理由が、狂気じみた親子愛から来てたとか、ぇえ????というチープさ。
尺の関係で、その辺の描き方が雑だったのか?何度か見直したら、その辺も理解できるのかなぁ。でもそのために見直すほど、面白くなかったし。。。

というわけで、一言でいうと、役者の無駄遣いなドラマだったなぁ思うわけです。
皆さん、個性あふれる力のある役者さんばかりで、熱演なだけに残念すぎる。
これだけの役者さん集めたら、もっといい作品作れるはず。
脚本と演出も、原作をなぞっただけなのだとしたら、無難だったと思います。ただ、もうとにかくストーリーがいかんせん。。。

この作品については、沢山の番宣やインタビュー、メイキング映像などが出まわっでいて、今でもweb上で観られるのですが、それを観るとほんとに雰囲気のいい現場だったんだなぁというのが伝わってきます。
キャストの皆さんも、伸び伸びと楽しそうに演じてらっしゃる。

そのチームワークが、この作品の質をなんとか担保しているんだろうと思います。

この作品、実は、初めて観た春馬作品でした。その意味では、思い入れがあります。

青年から大人になって、ちょっと変化球ではあるけど、はじめてのお父さん役。
春馬君は、ほんとに丁寧に演じてるし、アクションもカッコいいし、出来ることは全てやってる。
8年前の回想シーンと今と、いい感じに演じ分けてるあたりもさすがだし。

でも、これ春馬君にとっては、4割くらいの力で演じられる役に思えるのです。
ストーリーがしっかりして、考え抜かれた脚本を元に作られるちゃんとしたドラマなら、もっといろんな事できる役者さんなのに。。。と。

偶然な展開が多いストーリーは、役者さんが前後の辻褄を合わせなくて済むから、シーンごとに成立してればよくて、全体を通じて一貫性のある役作りは逆にやりにくいのではないか、と思うのです。

このドラマ、結末にモヤッた視聴者は、多かったのではないかと思うのですが、そういうドラマは、往々にしてストーリーの作りの中で、役作りが迷走してるケースが多いように思います。

結城大地は、たった2週間であんなに愛情たっぷりのお父さんになり、本来の自分を取り戻した、のに?え?どこいく?

そんなわけで、この作品、大人になった三浦春馬の魅力を存分に観れるはずの作品にしては、作品としての力がなんとも物足りない。また、舞台や難しい役をたくさん経験してきた春馬君の実力を存分に生かせる作品でもない。

そして、それが、結果的に最後の連ドラになってしまっていて、本当に残念だなぁと思うわけです。

例えばですが、柴崎が主役で、柴崎目線の物語に書き換えて、それを春馬君が演じていたら、と妄想してみたりすると、俄然ワクワクします。
逃亡劇ではなく、保身のための辻褄合わせに必死になる孤独で極悪非道な悪役。

春馬君なら、そんな役もどこかに救いを持たせながら、リアリティと狂気と共に演じられたと思う。

春馬君は、若い時から、いい人演じさせたら、上手いに決まってるんですよ。もう、ほんとに、めちゃ上手い。
せっかくのサスペンスなら、まったく真逆の役で観てみたかったなぁと、残念すぎて妄想ばかりがひろがるTWO WEEKSでした。

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