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vol.4(9)車と子どもと私

富士山から下山して帰る支度を済ませて車に乗りました。

エンジンをかけて、アクセルを踏んだ瞬間
私は今まで感じた事がない感情が湧き起こったのでした。

富士山から下山し、今から2時間かけて運転しなければならない。
本当は、山中湖辺りでゆっくり温泉につかって休みたい。

かなり疲れていて、運転するのしんどいなと思いながら、車に乗りました。

エンジンをかけて、アクセルを踏んだら
車が発進しました。

「わー。前に進んだ。」

この当たり前のことが、もう感動です。
踏んだら前に進むなんて!

丸1日半ひたすら歩いて歩いて、
たった100m登るのに30分

下山がとにかくしんどくて、登山の辛さは下山だと何回も何回も思いながら歩いて。

何が辛いって、途中でやめることができないのです。もちろん怪我や体調不良でレスキューを呼ぶことはできますが、そうでもない限りはただただ歩いて下山するのみ。

最後は10m歩くのも1分以上かかっていたのに、
踏んだら進む車!

ヤバすぎる!
車って最高!!

こんなすごい乗り物作った人天才やわ!

駐車していた場所から駐車場出口までのわずか100mくらいの間に私の頭の中は興奮しまくりでした。

そして、高速道路に乗って、時速100km
を超えると、気分はまるでグランツーリスモ!

免許をとってから、22年。

ほぼ、毎日運転していましたが、
こんなに、運転が楽しくて、車の性能に感動した事はありません。

私はこの感動を味わう為に、辛い登山をしてきたんだと思うくらいでした。

東名高速を走りながら高速道路を作った人も凄いと思ったり
トンネルに入ると、
トンネルを掘るのにどれだけの人が関わり、どれだけの時間がかかったのか?と思い、
車だけでなく、道路にも感謝感謝。

もう感動しっぱなしでした。

この素晴らしい文明の力に助けられ、
無事に2時間で帰ってくる事ができました。

そして、車は
私の子育てにはなくてはならないアイテムでした。

子どもと車の中で歌を歌ったり、
海や公園へ行ったり、
病院に行くときも車に寝かせて行き、
子どもが疲れたときもゆっくり休ませてあげることができました。
暑い時、寒い時、雨の時も車の中に入るとほっとしました。

子ども達が大きくなると、
送迎中はいろいろゆっくり会話ができて、
家の中ではあまり喋らない子ども達も
車の中では学校や友達の話をたくさんしてくれました。

どんな時も車は私達を助けてくれたのでした。

富士山からの帰り道、
子ども達は疲れて、すぐに後ろの席ですやすや寝てしまいました。子ども達の寝顔を見て、
車への感謝の気持ち、車を運転できる喜びを感じながら幸せいっぱいでした。

この時は富士山への思いより車への思いで
いっぱいの私でした(笑)

家に着き、パパと亘と再会でき、無事に帰って来ることができ、本当に良かったです。

車と子どもと私
富士山と子どもと私

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