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久しぶりの味が、記憶の引き出しをこじ開ける話

「匂い」とか「味」とかって、ガツンと思い出に直結することが多いですよね。

私がまだ会社勤めをしていた頃、ランチタイムによく行ったアジアン料理のお店があったんです。そこで必ず食べていたのが、「タイ風スパイシースープ with ヌードル」ってやつ。トムヤムクンにPhoが入ってる一杯です。

辛くてエビがごろごろ入ってて、パクチーもガーリックもたっぷり。スパイシーで熱々で、とにかくひとくち食べ始めたら絶対最後まで食べきっちゃう美味しさ。たぶん、ほかにもいろんなメニューがあるんだろうけど、このお店で他のオーダーをしたことがありません。だから、お店の人も「あ、いつものあれね」って感じでメニューを持ってきてもくれなくなった(笑)。それくらい、好きだったスープヌードル。そういえば、久しく食べてなかったんですよね。

でも先日、知人のSNSに1枚の写真がアップされていて。その写真が、まさに「あれ」。あのスープヌードルの写真だったんです!!もう、居ても立っても居られない状態になり、すぐさま当時の同僚ちゃんにLINE。「突然だけど、あれ、あのスープヌードルが食べたくて我慢できない。いつならランチ行ける?」と(苦笑)。

というわけで、久しぶりに「あれ」を食べに行ってきました。時間帯がずれていたのか、店内には私達とほかにお客さんが1組だけ。ソーシャルディスタンスばっちり、テーブル間にアクリル板もできていて安心だし。いい感じ…とか思っているうちに、「あれ」が運ばれてきました。↓↓↓(写真、でかっw)

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独特の香り、そして当時のままの味わい。歯ごたえ。もうね、夢中で食べました。何度も何度も「幸せだー」とつぶやきながら。食べている間、会社員だった頃のいろんなことがぐるんぐるん思い出されて、少し胸が締め付けられるような気分になったり、時々むせそうにもなりながら。

楽しかったことも、辛かったことも、イライラしたことも、悲しかったことも、嬉しかったことも、いろいろ一瞬にして思い出したした感じでした。思い出すっていうか、この味が勝手に記憶の引き出しをこじ開けていくっていうか、寄り道せず、なんの容赦もなく、ダイレクトにあの頃の光景を映し出していく感じ

その頃を共に駆け抜けた“戦友”ともいえる元同僚ちゃんと一緒に、こうして同じ味を楽しめるなんて、もうミラクルとしか言いようがなかった。これだけで、ひそかに泣きそうになってました。

歳のせいか、こんな不思議な状況が続くせいか、涙腺が弱りまくっていて情けないのだけど。お願いします。この味だけは、このメニューだけは、ずっとこのまま続いてくれますように。なくなったら、困ってしまう。

約170年の歴史を持つ老舗のパン屋さんが閉店(涙)

じつは先日、ハワイで約170年もの歴史を持つパンのブランド「LOVES BAKERY」が、その歴史に幕を閉じるという悲しいニュースが報じられました。Love'sのパンや、あのロゴやパッケージは、ハワイ好きなら「あー、あれ!」と懐かしく思う人も多いはず。

コロナ禍にあって、こういうニュースがやっぱり多いんですよね。ハワイの大事な味や匂い、思い出の場所が、これ以上なくなってほしくないよ……。

ほんとに。どうか、お願いします。

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