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社内食堂の調理師のプロ意識を垣間見る

 私が勤める事業所には食堂が併設されている。

 ある日、食堂近くのトイレに立ち寄った際、洗面所で食堂の調理師さんと一緒になった。
 私がさっさと手を洗うなか、その調理師の人はおよそ1分ぐらい念入りにそれはもう念入りに手を洗っていた。思わず私が

「本当に丁寧に手を洗うんですね。私は石鹼液によっては手が荒れることがあるので、そこまで入念に洗えなくて」

と言うと、その人は言った。

「私もそうなんです。手を洗うことによって手が真っ赤になるんです。そのためにケアするクリームを塗っています」

 そう言いながら手を見せてくれた。その人の手の平は確かに真っ赤だった。
 衛生管理をするために調理師として手を清潔に保つことは必要だけれど、そのことによって体への影響がある。それでも手を洗い続ける。

 私は、美容師の人が手荒れに悩みながら顧客のカラーリングをしている姿と重なり、職業を全うするために自らの体を犠牲にする姿を見て頭が下がった。

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