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飛び出し坊や50周年展 24.04.12

昨日は多賀大社へ行ってきまして、帰りに東近江能登川にある能登川博物館で開催中の、飛び出し坊やと歩んだ50年&久田工芸・久田泰平氏スケッチ画展へ行ってきました。
滋賀県東近江発祥の、道路わきにある飛び出し注意看板「飛び出し坊や」は1973年に、自治体の要請によって久田工芸の久田泰平氏によって生み出されたものだそうです。
滋賀では至る所に見られ、最近ではアレンジ系も数多く見かけます。


ブレブレですみません
能登川博物館は図書館の中にあります。東近江、八日市は戦時中には飛行場があったことがあり、大凧でも有名です。航空自衛隊の基地がある浜松も凧が有名なようで、飛行物が上がりやすい地形というのはあるのでしょうか。


飛び出し坊や生誕の背景にあった交通事情なども紹介され、とても興味深い展示でした。坊やの赤と黄色というカラーリングも、注意と危険を喚起するためのものだったのだと改めて思いました。
いやこれマジかよ、ってなりました。少なくともこの写真は最近だろ。


旧バージョンもうちの近辺でもたくさん見かけます。70年代の漫画調な感じがいいですねえ。
そんな中、現馬の骨である私が深い縁を感じるこちら。豊郷に行ったこともなければけいおん!も観たことがありませんが、P-MODELのメンバーの名前をもじったキャラクターの出てくるアニメが滋賀県ゆかりの建物を舞台に存在することに因縁を感じます。
ちなみに25年くらい前の私の携帯の着信音は長州力のパワーホールでした。ファンではなかったんですが聞けば聞くほど尋常でないこのテーマは一体誰が作ったんだろうな、と何も知らぬまま使っていました。

思いがけずサブカルチャーとの親和性も高かったこの「飛び出し坊や」ですが、現在でも一人の職人さんによって生み出されているものだそうです。
その人は久田工芸、久田泰平さん。
デザインの道に進み、京都で反物の図案デザインの仕事をされていたそうですが、滋賀に戻り絵に関する仕事がしたいとはじめられたのが久田工芸だそうです。ちなみに漫画家の故・みなもと太郎さんも京都で生まれ育ち、美術系の学校を出た後そんな感じの仕事をされていたようです。当時のデザインの仕事としては、メジャーなものだったようで、興味深いです。
今回はその久田さんのスケッチも展示されていました。


久田さん略歴。ちいせえ!すみません!!
柔らかく優しいタッチのスケッチ多数、画集も出されているそうですが今は入手できないのかも…(あったらここで販売してると思う)

現在は様々なアレンジ系もたくさんある飛び出し坊やですが、そのどれもがユーモラスでかわいくて、今回そのすべてが久田さんがデザインと制作をされてると知り、様々なことが腑に落ちました。
これだけのセンスと力量のある方だからこそ、これだけキャッチーで親しめるものを作り出せるのだと。


制作過程も展示、ベニヤ板を切り抜いて一枚一枚丁寧に作られているそうです。
こちらは50周年用に特別に作られたものだそうですが
様々なバージョン違いもデザイン画から始まっていることを考えるととんでもない手間です。
こちらは自治体依頼のものですが、個人で依頼される方も多いようで、滋賀の道を走っていると本当に様々なバージョン違いを見かけます。それを一枚一枚デザインからされていると思うと本当にすごい。
成人式バージョン。振袖の色違いも色のセンスが素晴らしい。
帯締め、帯揚げ、草履の色まで全部違う。
こちら「翔んで埼玉」バージョン(見てない、すみません)
裏から見ても、支柱までちゃんと色が塗られています。

何気なく行ってみた展示でしたが、思った以上に面白くぜひ紹介したいと思ってこういう記事を書きました。赤い羽根共同募金とのコラボグッズもあったりしてもっと写真撮ってくれば良かったです。
ちなみに写真撮影、投稿OKだそうです。証拠画像↓


このはがきサイズのちらしもかわいいのです。見出し画像は持って帰ってきたそれを撮影したもの。

能登川博物館は、JR琵琶湖線能登川駅からは歩くと正直けっこうありますが、駐車場は広いしのどかなところなので行けそうな方はドライブがてら行ってみてほしいです。かの安土城趾も車だと近いです。
個人的には、絵にかかわる仕事というものの一つの形を見せていただけた気がしてとても興味深く楽しい体験でした。
出来たらまた行きたいです。


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