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バイクの楽しさは人それぞれ

岩手からの帰り道は今回も晴れていた。相馬辺りを過ぎて、風の強さを感じる。常磐道から見える杉ばかりの山から、黄色い霞が立ち上るのが見えた。花粉だ。

うーん、ワイルド。自然が素晴らしい。

とはいえ、僕は花粉症持ちなので有り難くはない。見るだけで鼻や目がムズムズしてくる。

物心ついた頃には花粉症だった。
でも僕が子供だった頃は、まだ今のように花粉症が広く一般に認知されていなかった気がする。
僕たちの世代は喘息やアトピーの子供が多かったから、そっちの方が当然喫緊の課題だったのだろう。
その花粉症も40代になってから症状が和らいだように思う。体の拒絶する力が鈍くなって来たということか。

いわきが近づくにつれて高速から見える景色が広くなる。海が近くなって、川や畑、工場や家が見える。
この辺りに店を作れるとしたら、どんな感じが良いだろうか。
僕の予算的に、そんな立派なものは作れないし、利便性の高い土地を入手するのも無理だろう。
だが駅が近くにあって欲しい。僕の奥さんは車に乗れない。彼女が自分の意思で好きな場所へ出掛けられない環境は駄目だ。
この条件がかなり僕を悩ませる。

そもそも首都圏からツーリングに行くライダーはどの辺りまで行くんだろう。遠くまで行くことのない、近所を散策派も沢山いると思う。だとするともっと近くでいいのか?だけど自然が綺麗なところがいい。逞しい自然に囲まれた所。それが理想だ。

学生時代は名古屋近郊で過ごしたので、国道301号線によく走りに行った。301号線は道幅が広く、程よいアップダウンとコーナーが続く。三河地方の山中をクネクネと進み、程よい距離を走ることができる。国道153号線と並んで、今も名古屋圏のライダーにはポピュラーな道だと思う。

長野の飯田に抜ける主要道路である153号線に比べて、301号線は「名もない田舎」を走っている感がある。

どこでもなく、ただ自然。という風情。

そういうルート上に店を持てたら良いなあと思う。
なかなか見つけるのは大変だけど、とにかく自分で走り回って見つけるしかない。この頃は、それをツーリングの楽しみにしている。

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