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【ツアーレポート】「オオサンショウウオに会いに行こう!」@広島県東広島市

2019年度、株式会社Ridiloverは東広島市からの委託を受け、同市の自然資源を活かした観光産業の振興のため、広島大学と連携した地域資源を巡るモニターツアーを企画・運営しています。
本ツアーは、第1弾(全3回)である日帰りツアーであり、2019年7月20日(土)に開催されたものです。

モニターツアー企画の背景

 広島県東広島市では、2018年度に策定された「東広島市観光総合戦略」において、地域資源を活用した「観光産業の振興」を柱のひとつとし、具体的な施策として自然資源を活用したエコツーリズムなどの、農村体験や自然体験活動の推進などを掲げています。
 こうした中、広島大学総合博物館において、本市の地域全体を「博物館」、豊かな自然や文化といった地域資源を「展示室」、地域住民を「学芸員」と見立てた「エコミュージアム構想」についての研究が進められており、「観光産業の振興」と合わせて取り組みの推進が求められているところです。
 そこで、本事業では、リディラバ がこれまでスタディツアー企画において培ってきた企画ノウハウを活用し、広島大学と連携しながら、地域住民やコミュニティが主体となっていく新たな東広島市の観光コンテンツ開発のため、2019年度に全3回の日帰りモニターツアーを企画し、効果測定を行なっていきます。
 本ツアーは、その第1弾となるツアーです。東広島市の豊栄地区に生息する自然資源「オオサンショウウオ」を主役とし、環境保全や地域の生き物、それに関連する農業に焦点を当てたツアーとなっています。

(↑参加者募集ページ)

(↑詳細プレスリリース)

ツアー内容

JR西条駅に集合
モニターツアー当日は、広島県広島市周辺と兵庫県より、大人8名、4歳から11歳までの子供6名の、計7グループ14名にお集まりいただきました。
全ての行程は貸し切りバスにて移動となりました。

門藤農園にて合鴨農法の農園散策
合鴨農法にてコメの栽培を行っている、門藤農園さんにお邪魔しました。

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門藤夫妻が栽培している野菜で作った具だくさんのお味噌汁と、合鴨農法で育てたお米を雑穀と炊き上げた古代米のおにぎりをいただきます。

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朝8時半と早朝からの集合だったために、皆さんどんどん手を伸ばしていきます。

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腹ごしらえの後は、実際に合鴨のヒナを田んぼに放す作業を体験させてもらいます。

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合鴨が田んぼにいる害虫を食べてくれることで稲が丈夫に育ちます。
田んぼに放した合鴨たちは、野生のカラスやタヌキなどに捕食されることを防ぐため、夜になったらまた回収します。
広大な田んぼですが、合鴨の逃亡を防ぐために田んぼの周りには網が張り巡らせてあるため、逃げ出す心配はありません。
ヒナの可愛さに、大人も子供も夢中です。

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人と動物、そして農業。
普段何気なく食べているお米や野菜ですが、人の知恵と動物との共生があって初めて、大自然からの食の恵みに支えられていることを気付くことができました。

乃美地域センターにて、オオサンショウウオの生態や地域の環境についてレクチャー
本ツアーのメインイベント、オオサンショウウオの住処に行く前に、オオサンショウウオの生態を研究しながら地域の環境保全にも尽力されている、広島大学の清水先生のレクチャーを受けます。
オオサンショウウオのかわいらしいイラストやぬいぐるみを用いた楽しいレクチャーに全員引き込まれています。

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なかなか見ることのできないオオサンショウウオの幼生も特別に持ってきていただきました。
清水先生から習ったばかりのオオサンショウウオの特徴(手の指は4本、足の指は5本)を実際に観察。
10cmほどの小さなオオサンショウウオの赤ちゃんがとてもかわいらしいです。

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オオサンショウウオの住処の渓流にて、水生生物とオオサンショウウオの観察

生憎、前日までの雨のために川が増水してしまい、実際に川に入っての捜索は中止に…。
その代わりに清水先生と研究室の大学生が、前日までに仕掛けたワナを使って水生生物を紹介してくれました。

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今は増水して川の流れが激しくなっていますが、普段であれば川のほとりから、川の中をオオサンショウウオが歩く姿が目視できるそう。
今回は、川にいるオオサンショウウオに会うことはできませんでしたが、普段使っている道具で生息場所の近くを調査する様子を見せていただきました。

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国の天然記念物であるオオサンショウウオですが、人の都合によって住む場所を奪われたり乱獲されたこともあったそう。
今回は特別に住処となる渓流に連れて行ってもらいましたが、観光客が増えて川が荒らされたり、オオサンショウウオが傷つけられるのを防ぐために場所の詳細は秘密になっているのです。
オオサンショウウオだけに限らず、「多くの生き物たちを守っていくために今人が考えること・できること」を体感することができました。


トムミルクファームにて昼食と自然体験

川のほとりを歩いて疲れた後は、様々な動物と触れ合えると牧場、トムミルクファームさんにて待ちに待ったお昼ごはんです。

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ジビエを使ったカレーランチをいただきました。

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採れたての新鮮な牛乳も大人気です。

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バター作り体験

お腹がいっぱいになったら、今度はバター作り体験!
トムミルクファームの沖さんから、牛の体の仕組みや牛乳ができるまでのレクチャーを開放的なテラスで聞きます。

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レクチャーの後はいよいよバター作り体験です。
作り方はいたってシンプル!
容器に入れた搾りたてのミルクにお塩を入れてとにかく振るのみ!

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振った液面の表面にドロッと塊ができ始めたら、バターができてきた証拠です。

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網を使ってゆっくり濾せば、ついにバターの完成です!
食パンの上に載せて、いただきます。
バターが苦手だったお子さんも、これなら食べられる!とおかわりする姿も見られました。

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乳しぼり体験
おそろいの帽子をかぶって、次は実際の牛から乳しぼりです。
沖さんに、乳の絞り方を教わって練習してから絞ります。

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トムミルクファームには牛だけでなく、ヒツジやヤギ、豚、ロバなどとも触れ合えます。

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牛のフンを乾燥させて作る肥料を触らせていただいたりと、沖さんの案内で牧場内を満喫しました。

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美味しい牛乳やジビエカレーなどの食事、動物とのふれあい、そして沖さんのお話を通じて、普段食べている食べ物はどんな過程で自分たちのところにたどり着いているのか、どんな人たちがどんな想いで届けてくれているのか、学ぶことができました。

ツアー振り返り
ツアーの最後に振り返りです。

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『「生きること」と「食べること」は同じであり、その後ろには多くの命がつながってきていることを、子どもだけでなく自分自身も感じることができた』『アリを潰す子どもを叱っていたが、沖さんの「すべての命を大切に」という言葉が印象的で響いた』という声をいただきました。
また、日帰りツアーで親子連れにもハードルが低く参加できた、子どもが自然に触れあいながら体験を通じて楽しく学べた、時期的に夏休みの自由研究の題材にできた、という意見も多くいただきました。


最後に
「人」「生き物」そして「自然」。
半日という短い時間ではありましたが、参加者の方々にとって学ぶこと・体験すること・考えさせられること、全てが盛り沢山の充実した時間になったのではないでしょうか?
今後、このモニターツアーで得た知見を活用し、地域の自然資源を生かした観光コンテンツを生み出していく予定です!

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まとめ

広島県東広島市での「エコミュージアム構想」をテーマにしたモニターツアーのレポートをご紹介しました。
リディラバ では、自治体のみなさま、地域のみなさまと一緒に地域外の方々向けへのツアー企画、催行を行なっていきます。
ご興味のある方は以下までお問い合わせください。

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