シゴ ノ セカイ

お題「アルパカの即興小説」必須要素「あげぽよ」

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 年期の入ったドアを開けると牧歌的なドアベルの鈍い音が響いた。牧場でのんびり草を食んでいる牛が――ではなくて、ほのぼのとした雰囲気のマスターが「いらっしゃい」と微笑む。

 あたしはそれに会釈で答えてお決まりの席についた。

 トースト、サラダ、タマゴ、ホットコーヒー。

 ありきたりなモーニングセット。
 毎朝くるけど、とくに美味しいからではない。

 習慣だからだ。
 ラックから新聞を取ってきて読む。これもそう。

 静かな、いつも通りの、朝。

「やだあ、すっごい、昭和の喫茶店って感じぃ」
「おばあちゃんときたかもー」

 若さゆえの無遠慮な声が、いつもの静寂を破った。

 あたしは新聞に目を落としたまま、耳に意識を集中させた。
 この土地は、そこそこ観光地になっていて、たまにこういう場違いな客が紛れ込むのだ。

 彼女たちはこの店がいかに時代遅れか話している。

 アルパカとか、あげぽよとか、

 そういえばすっごく古びて感じるけど、それらが流行ったのもつい4、5年前ぐらいよね。

 流行を追うってことはお洒落じゃなくて、時代を走り抜けるからすぐ年をとるのよ、お嬢さん。

 あたしは静かにコーヒーをすすった。

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制限時間15分だと、ざっくりした形にまとめるのがやっとだよな。まあ、まとめられるようになっただけ、多少手は早くなったのかも……。

うぅぅん。それにしてもピンボケだなあ。

最後までご覧いただきありがとうございます🥰 あなたにもいいことがありますように💕