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恵まれた状況

 私は、成人したら誰でも何かボランティア的活動を定期的にするのがよいと思っている。
 ボランティア的活動というのは、生活の糧ではないけど消費ではない、世の中を良い方に動かす何かを想定している。自分の好きなことや住んでる場所で、単発でも継続でも何でもいいけど、できれば月イチくらいで出来るといいと思う。理由は、ボランティアは生活に程良い新風を吹き込んでくれるから。社会課題にも気づきやすくなり、市民の一員として生きていくこととも添いやすい。また、ボランティアの対象にも新風を吹き込むものと思っている。

 その一方で、ボランティアを続けていけるのは恵まれた状況にあるから、という思いも否定しきれないでいる。何だよ、恵まれた状況って。ほんと、何なんだよ。何と言っていいかわからないから、何なんだよと10回くらい言いたい。この言葉はなんだか上手に使えない。
 
 「恵まれた状況」って、ある地点から見た一瞬の風景のことのように思う。一瞬の風景が大事なことがあるのは当然そのとおりだけれども、その中にその人はいないし、人の一生は一瞬の風景ではない。逆の「恵まれない状況」もまた、同じように思う。

 日常的に多くの人がボランティアをするようになれば、あまり他人のボランティアに対して浅はかな評をしなくなり余所事と思わない人が増えるのではないか、などとフワフワ考えてみる。ボランティアを続けているから恵まれた状況にいられる。