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着物stylistへの道④

着物stylistってナニ?かというと

着物をスタイリングする人、着物姿をトータルでコーディネートする人

着付けができること。それに合わせてヘアメイク。その方に合った着物や帯・小物、色柄を組み合わせ、お客様の”なりたい”をかなえてあげられること。一人ひとりの体型・個性に似合わせた着付け方ができること。素材をわかっていること諸々あるわけです。

着付けの技術を仕上げつつ、メイクの勉強をしヘアセットを学ぶ。

ヘアセットは、夜のお勤めのお姉さん専門のヘアメイクサロンで学ばせてもらおうとアルバイト情報誌からピックアップ・・・

その業界で働くスタッフは、ほとんどが20代。若い方が多い中で、40を超えた私なんぞが採用されるだろうかと不安しかなかったが、とりあえず 面接をしてくれるというサロンをみつけた。

これまで経験したことのないほどの緊張。ひとつスタイルを作ってみせ、面接。

私はいつも出会いに恵まれている。

ここでも、素敵な店長さんに出会い、採用してもらえることになった。もちろん!アシスタント(にもいかないほどの立ち位置)から


夕方から始まるそのサロンは、出勤したらまず掃除から。床掃除・鏡をきれいに。スプレーを大量にしようするので舞い落ちる粉。営業終了後も掃除。

常に新しいスタイルを提案できるstylistであるために。夜のお姉さんは美意識も高いので、より高度な技術を求められる。そして、とにかく時間短縮。早くキレイに仕上げるのがこの業界。

掃除終了後、開店前に練習をする。下準備、ピンうち、逆毛、アイロンの使い方。巻きの種類も多数ある。

ある日の練習。アイロンを使い巻きの練習だった。

手首の動きが硬いと指摘され、何度も何度も やってはみるがうまくいかず。。。

言われていることはわかる。頭ではわかる。

頭ではわかるが、身体が 手が動かない。

何度やっても思うようにいかない、、、

技術の世界には、それぞれに特有の身体の使い方がある。若いうちにそれに慣れていくのは容易いのであろうが、ある程度の年齢を超えてこれまで使ったことのない筋肉を使うのは、なかなか大変なことなのだと 気づかされる。

あまりの出来なさ具合に、指導してくれている先輩もヒートアップ。私自身も自分に対してイラ立ちがつのり、、涙が出てきた、、

いい年をして恥ずかしいやら くやしいやら 

、、、投げ出したくなる、、、

結局 その日は涙が止まらずその場にいられず、小娘のごとく 帰宅


この日のことは今でも忘れられない

あの時の悔しい気持ち

「やめてやる!」と言いたいところだったが、そこはさすがに 自分で選んだ、自分が進みたい道だったから。


数名の師から学んだが、それぞれのやり方があるのだとわかった。

出来るスタイルは同じでも、そこに到達するまでのプロセスに決まりは無いのだと。

これは、着付けと大きく違うこと。その時の私はそう思った。

着付けは、決まった形があってそれに向かっていく。 それにくらべて、ヘアスタイルは自由すぎる。どれが正解なのか?

振袖の帯結び・帯揚げ・帯締めのアレンジにも似たセンスの見せ所。

しかし、そこの面白みがわかると 楽しくなるとできるようになる。


今 これを書いていて気付いた。 私がとてつもない自由な発想になっていったのは、ヘアメイクを手掛けだしたからなのだ。 美容師を目指すことになったとき、それを手にした時の自分が またその先に何を見るんだろうか。それが楽しみだった。


おもしろい!人生はおもしろい!

そして また 新しい局面をむかえている自分が 今 ここにある

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