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いつも心にジェイソン・ブラウンを

2014年、ソチオリンピック、女子フィギュア、浅田真央選手。肘をぐっと上にあげ、顔を天に向けたまま終わるあのシーンを忘れることができない。16位スタートだったシングルから、完璧なフリーで終えた麻央ちゃん。演技が終わると、天を仰いだままのポーズで、彼女は肩を震わせ始めた。そんな麻央ちゃんを見て、私も声を殺して泣いた。

嬉しいけど、残念。頑張ったけど、悔しい。多くの人が彼女にメダルを期待し、彼女にメダルを取って欲しかったと思う。だって、麻央ちゃんは、ずっーと強かったし、オリンピックで金メダル取りたがっていたし、なにより彼女は誰かにとっては誇らしい娘で、誰かにとっては自慢の可愛い妹だから。

そんな晴れない私の目の前に、ぴっかーんと流星のごとく現れた選手がいた。アメリカのジェイソン・ブラウン選手だ。

タイトに結ばれた長髪、ゴールドのスパンコールが散りばめられた綺麗なグリーンのトップス。エキゾチックなリバーダンスの曲の盛り上がりと共に彼のステップも軽快になり、笑顔の比重まで高くなる。踊りながら笑っている。笑いながら踊る。

こちらにもたちまち彼の笑顔がうつる。キスアンドクライでは、大爆笑の渦に巻かれた。スコアが出る前のあの空間で、あんなに自由に振る舞い、あんなに愛情表現する人いた?今まで見たことないぞ?

昨日の四大陸選手権では、国際大会での自己ベストを更新し、シルバーメダルだったジェイソン。フィギュアと言えば、4回転!だが、彼は公式試合でこの4回転を一度も成功させていない。けれど、今シーズンの彼は世界ランキング4位。彼のスケートがいかにエレガントで美しく、芸術性が高いものかがわかるだろう。

これまでずっと順調だったわけではなく、2018年には18年間共にしたKori Adeコーチから離れた。彼女とのキスアンドクライは最高だったからもう見れないのは残念。現在、彼はTracy Wilsonコーチと、かの有名なBrian Orserコーチの門を叩き、Toronto Cricket Clubに所属。羽生選手とチームメイトです。

以下は、2019年8月のインタビューの一説。新しいコーチの元、切磋琢磨していたとは!あの美しい滑りがあるのは努力があってこそなんですが、ニコニコで明るい彼から想像がつかない。自分のコンフォートゾーンを出て、限界に挑んでいたなんて知る由もありませんでした。めちゃくちゃアスリートでした。

There was a lot of pushing myself outside of my comfort zone. Tracy and Brian really wanted to find my limits and kind of see what worked and what didn’t.

そして、彼がいかに芸術面を大切にしているかがわかる。

I really do need the technical stuff, but I love the artistic stuff as well. It was something I didn’t want to lose, and I didn’t want to be with coaches who didn’t value that.

ジェイソンよ、私はあなたのスケートのファンだけど、まず、あなたという存在が好き。いつもハッピーオーラ全開でいてくれてありがとう。

以下、ジェイソンから皆さまへメッセージです。日本語も絶賛勉強中!

jasonbskates
Follow your ❤️...you never know where it might lead you! #OlympicDay

最後までお読み頂きありがとうございます。 いとうれしです。