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レバレッジの考え方と心のエネルギーの関係

最近、気になる言葉に『レバレッジ』というものがあります。

もとは、Leverage=レバレッジという英語で、利用・活用する、テコ入れする、という意味があります。

日本語では金融用語として使われることが多く、少ない資金に借入を活用することによって、大きなリターンを見込めるような運用手法を言います。

つまりは、少ない労力や元手で最大の効果を狙うということなので、その労力や元手を投資する先とタイミングが重要ということになります。

別の言い方をすると、単純に積み上げた結果の効果を狙う場合と比較して労力や資本、時間が少なく済む代わりに、うまくいかない場合にはすべてを失うリスクを伴うというやり方です。

私は金融系の知識やトピックには疎い上に、現在必要に迫られて勉強中でもあるのですが、今回のトピックはお金ではありません。

まぁ、レバレッジという言葉が気になっている理由は私の現在の財政状況とも大いに関連はしているのですが・・・💧

お金も含めて、私は過去を振り返ってみると、どちらかというとハイリスク・ハイリターン、つまりレバレッジの考え方を無意識に採用することが多かったかもしれない、と思ったので、今日はそのことについて書いてみます。

大学受験:直前半年間の時間&少額投資レバレッジ

私が通っていた高校はいわゆる私立の受験校で、2年生からは進路に応じたカリキュラムで学ぶシステムになっていました。

親や先生の進めるままに国立理系コースにいた私は、国立大学の医学部や薬学部受験を目指していたのですが、受験校も絞り始める3年生の夏に、ある新聞記事がきっかけで進路変更をします。

当時、新しく設立されて話題となっていた、早稲田大学の人間科学部について取り上げた記事を、たまたま目にしてしまったのです。

直感的に「ここだ!」と感じ、また、それまでうすうす感じていた自分が今置かれている状況への『違和感』と改めて向き合うことになりました。

そのまま行けば、国立大学の医学部の推薦が取れるという状況で、うまくいった場合には、地方に引っ越して6年間を医学部で過ごすことになります。

今思うと、本当にあの時、「違う」と感じた自分がいたから、そしてその違和感に気づいて自分の気持ちのままに行動を起こした自分がいたから、今の自分がいる、と心から思えるので、あの時の自分の決断と行動には心から感謝しています。

もう3年生の夏を過ぎていたため、親や学校の担任の先生も呆れて応援してくれるような状況でもなく、「どうせ落ちるから予定通り国立理系は受けなさい」という約束のもと、残り半年弱の受験勉強を第一志望の早稲田の人間科学部に絞って独学で勉強することとなりました。

そこからは、通称赤本と呼ばれる過去問題集と、また私立の学費がかかっているなか予備校に行くことはできなかったため、進研ゼミという通信コースを取ることで、ただひたすら早稲田の人間科学部の試験内容に焦点を絞って家で勉強する時間に集中しました。

それまでの国立理系に向けた勉強内容と方法とはまったく異なるものをやる必要があり、また学校の先生は国立理系担当で今回のことでお怒りだったこともあり、応援してくれていませんでした。

予備校にも行っていなかったので近くに指導してくれる人もいなかった。

そんな私にとって、唯一の励みであり、メンターの役割を果たしてくれたのが、進研ゼミや赤本などに記載されている「合格者の声」でした。

疲れたり不安になった時、彼らの体験談やアドバイスを頼りに、未来の自分と重ね合わせて自分を奮い立たせていました。

結果、早稲田の人間科学部には見事合格し、その時の成績から1年分の学費免除となる奨学金も頂くことになりました。

ちなみに、受験した国立理系大学は見事不合格となり、早稲田も他の学部はいっさい受けていなかった私にとり、まさに焦点を定めて集中した結果だけが得られた受験結果となりました。

これが、私にとっての受験体験における時間と費用のレバレッジです。

もちろんここに、学費免除という事実も含めると、この時の集中力と時間、進研ゼミと赤本のみという費用投資が大きなリターンとなって返ってきた経験です。

そして、この人間科学部で学んだ心理学やその他のことが、現在の私の仕事の方向性に繋がるコースをおぼろげにでも引いてくれたことにも、感謝しています。

英語習得:卒業旅行1ヶ月間での意識改革によるレバレッジ

私は現在英語学習コーチングを提供し、留学せずに英語を習得するメソッドや異文化理解、マインドセットのつくり方についてのサービスを提供しています。

もとは会社員で、最後のキャリアとしては外国人役員付きの秘書をしたり、その中で通訳や翻訳も任せていただけるようになっていました。

でも、私には長期留学の経験はありません。

英語が話せるようになるまでには、中学校からの時間も含めると、実にとても長い年月が必要だったことは事実です。

そして、これには、語学習得で効果ある再現性の高い方法を学ぶ時間が含まれています。その証拠に、その後学んだフランス語やイタリア語、韓国語は、英語と比較しても半分以下の時間である程度のレベルまで上達して使えるようになっています。

さて、そんなふうに時間という意味ではかなり要した英語ですが、そのぶん、習得してからのリターンは非常に大きかったのも本当です。

就職先の選択肢が広がったことや給与だけでなく、様々なバックグラウンドをもつ人たちとの出会いと交流。これらは、英語を使って行動範囲と視野を広げなければ、手に入れられなかったリーターンであり、私の人生の宝物でもあります。

さて、ここで私が『レバレッジ』としてお話ししたい体験というのが、大学の卒業旅行で体験した、アメリカカリフォルニア州での人生初の海外滞在とホームステイです。

時間にして1ヶ月、金額にして飛行機代入れても20万円以下の費用だったと思いますが、この時の体験が、その後の私の英語人生の礎(いしづえ、ベース)となり大きなリターンをもたらしてくれました。

当時の私の英語力は、TOEICで500点代で、日常会話もままならない状態。

空調機器を扱う日系大手企業系列の会社に就職が決まっていて、この時の体験がなかったら、私は英語に目覚めるということがないまま、まったく別の道を歩んでいた可能性もある、そんな人生の岐路でした(当時は自覚していませんでしたが!)。

この時のたった1ヶ月での体験が自分の内側の何かに触れたことで、英語で意思疎通ができない当時の現実からは想像もできない、『英語が話せて不自由なく使える未来』を設定する自分が目覚めたのです。

もちろん、実際に英語が不自由なく使えるようになるまでに費やした時間はその後も決して短くはなく、10年は数えられるでしょう。

ですが。このアメリカ1ヶ月ホームステイでの時間が、その後長い時間かけて英語と向き合い、目標を達成するまでの意思と行動力を生み出してくれた。そう思っています。

本物のリターン(英語が話せる未来)に絶対的に必要となるもの=心のエネルギーと行動力だとすれば、それがすぐに生まれた体験。その意味では、成功したレバレッジだったのではないかと思っています。

アメリカ滞在を決めた時の自分が、ここまで(レバレッジとして)意識していたかどうかは正直不明な部分もあるのですが、でも振り返って考えてみても、「この体験が人生を変える」そんな予感をもってアメリカに行ったことは間違いない、そう思えるのです。

ヨガと生き方&考え方:40万円のコースでのレバレッジ

ヨガの資格には国家資格というものはなく、一般的に普及しているもので有名なのは『全米ヨガアライアンス』というものになります。

これは、ヨガを教える仕事をするときの最初の入口的なものというだけでなく、ヨガという哲学・生き方の学びを深めたい人にとっても、体系的にヨガが学べるきっかけとなるものです。

何度かのヨガブームを経て、現在日本でのヨガ普及率はとても高く、ヨガアライアンスの資格取得が可能な学校も多く存在しているし、その習得コースの金額は、海外などで実施するものなどは100万超えのところもあるようです。

平均して50万円くらいでしょうか。

私は、そんなヨガブームの初期に、この資格コースを受講しました。まだ、日本全国に、この資格コースを受講できる学校が5本指で数えるくらいしかなかった頃です。

費用にして40万円。当時の自分にとっては、それで未来ヨガを教えるなどまったく想像もしていなくて、ただヨガをもっと知りたくて受講を決意しました。

そしてもちろん、ここでも、心のどこかでは「人生を変えたい」という思いもあったのだと思います。

会社員をしながら、仕事も人間関係も恋愛も、いろいろなことがなかなかうまくいかずに鬱々としていた時のこと。

30代半ば、何に喜びを感じていきているのかがわからない。そんな時でした。

恵比寿にある、木のぬくもりのあるスタジオで、当時集まった20〜30人くらいの仲間と、アメリカでヨガを学んで雑誌にも登場していた師匠からヨガを学ぶ時間を過ごしました。

その先生は現在はお見かけしなくなってしまい、スクールももう何年も前に閉じられてしまっています。

でも、あの時過ごした時間、先生が紡ぐ言葉の数々を聞けたことは、私の心に強烈に刻印された。それは紛れも無い事実です。

先生は、アメリカ帰りということもあり、強烈な個性とオーラを感じる素敵な方でしたし、ヨガというものを愛し、またその愛をもってときに厳しく私たちを指導してくれました。

コースの中ではアメリカから数名の著名なヨガ講師が来日して教えてくれ、彼らから直にヨガを学べたことは、今思うとどれだけ幸せで恵まれたことだったんだろう!と心から感謝しています。

その後様々なヨガの本を目にして、いろいろなレッスンを受けても、あの時の時間と内容、自分がそこから肌で吸収したことには決して及ばない・・・そう思えるくらいの貴重な時間でした。

そう、私にとって、40万円で受講したあの時の1年コースがあったから、その後のヨガの学びへと繋がり、様々な出会いを体験し、現在ヨガを教える自分もいるのです。

英語同様、ヨガの道も時間にして決して短くはありません。

そしてここでも、1年間という時間とそこでかけた費用によるレバレッジは、その長いヨガの旅を進むための自分の土台と心のエネルギーを生み出してくれました。

まとめ

こうして振り返ってみると、人生の学びだったり、転機になる時には、時間と少しの費用による強烈なレバレッジが働いているなぁ、と思います。

そしてどれも、そのリターンは、その後の出会いやさらなる学び、また現在の仕事にも生きて、大きな実りとなって返ってきています。

もちろん、お金という意味でも。

ただし、人生のレバレッジにはそれが機能するにはある条件もあるように思います。

それはつまり、『本気で人生を変えたい』そんな思いを潜在的にもっていること。

次に、レバレッジによって短期的に生み出される心のエネルギーが高い(素直な自分できること)こと。

そして最後はもちろん、行動を起こしていくこと、です。

言い換えるとそれは、必ずしもその体験だけですべてをひっくり返そうとか、すぐに何かが変わる、キャリアやお金になるという意図や計算のとおりにいくわけではありません。

むしろ、明確な結果というのはぼやけていても強烈に惹かれるものであったり、やらずにはいられない心の衝動があったりしてのこと。

そしてその源泉となるのが、自分の心の向く方向に素直にしたがって生きるという、私たちが潜在的に知っている『幸せな生き方』に賭けて進んでいる自分です。

だから、ここに頭で考えた計算はあまり働きません。本物の実りとしてのリターンを得るまでに、トータル時間という意味ではとてもかかる可能性もあります。

だからこそ、この最初のレバレッジがうまくいかない場合には、すべてが無駄になる(気まぐれでやっただけのものとなる、その後続いても途中で挫折する、試練や障害を乗り越えられない)可能性も高いです。

ですが、スタート時にあなたを目覚めさせる出来事としては、本当に短時間で小さな投資額でありながら、強烈なインパクトを残すものとなるのです。

さて、みなさんのレバレッジポイントはどこにありますか?

ぜひ考えてみてくださいね。そして、もしも今心惹かれるものがあるのなら・・・

ぜひ、今という時間と必要なお金などの投資を、未来のための『レバレッジ』として活かす。そんな気持ちで行動してみてください💐



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