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3月にメンタルが落ちる話

毎年3月になるとメンタルがガッツリ落ちる。
癌で亡くなった母の誕生日が3月3日で
自殺した父の命日が3月4日だから。

父は私が3歳の時に自分の時を終えたので
、父の記憶は私にはほぼ無いのだけれど
物心ついた時にはもう、父が自分で世界から去る事を選んだのは知っていた。

父はかなり放蕩で、自宅に愛人を連れて来て
なおかつ母に「この間お前に買ってやった指輪を
コイツ(愛人)にやってくれ」
と言ったり、本職レズビアンの愛人と車で走行中に急に死にたくなっちゃって無理心中をしようとして崖からダイブしてズタボロになって家に帰って来て(当然レズは父が本命ではないのでブチ切れた)
母になんで家に帰ってくるんだと叩き出されたりなど
内田裕也と太宰治を足して割ったようなビックリ破天荒エピソードに枚挙に暇がない。

父は小さなプラスチックの町工場を東京都大田区で営んでいて、経済的に余裕があったことで
ヤバさの穴埋めをしていたのだが
頚椎症になり入院し、いよいよ働けなくなったことで家族に保険金でお金を残すために、また自身の人生を閉じる正当性のある理由を見つけた為に入院中に縊死した。

その日をえらんだことも母は
「お気に入りの看護師がお休みの時を狙ったんだ」とよく言っていたが
私は大人になってから
「母の誕生日の次の日なんて、当日は気が引けるけど、忘れて欲しくなかったんだな」
と思った。

父は祖母が出産時に死亡し、
祖父の愛人に育てられたり
余り愛を知らずに大きくなった典型の様な生き方と死に方だった。

母は情が深い女だったので父はきっとそこに惹かれたのだろうけど
それでも妻も子も3人いて愛人がいても
愛が足りないと感じ続けたのは
愛情や幸せを入れる箱の底が開いていて
入れても入れても満たされず満たされず…

そう思うとそういうnever enoughな人って本当に沢山いるんだよね。
グレイテスト・ショーマンで歌ってるアレですよ。

ねえ、クソッたれすぎませんか??
子どもの頃の愛情が足りなかったら一生それなんですか?
あなたを愛して必要としてくれる人はいなかったんですか?

父よ、あんたマジで感謝が足りないし傲慢だったと思うよ。
人生は辛かったですか?
私も人生は辛いですよ。
だってどんな人にもその人専用に用意された地獄があるからね。
親が自殺してると子どもの自殺率も上がるって知ってましたか?
だって当たり前みたいに人生の選択肢として
提示されるからね。
だから私もそうしたい気持ちがわかってしまう。
思春期から何度も何度も何度も
越えられないかもしれない夜を
糸の上を歩く様にそろそろと生き延びてきたよ。

私はね、ずっとずっと怒ってるんですよ。
きっと父もずっとずっと怒ってたんだよね、人生に、満たされない想いに。

父は42歳でこの世を去りました。
私は先日41歳になりました。

兄も姉も42歳の誕生日に
「父の歳になった」
と言っていた。

私は来年の、42歳の3月4日には何を思うんでしょうね。

とりあえずここまで私が生き延びてこれたのは
都度都度、私の周りにいて
私を愛してくれた人たちのおかげです。
毎日感謝しかない。 

3月にどんなにメンタルが落ちようとも
4月を迎えられるのは
私に関わってくれる人たちのおかげです。

いつもありがとう。
ありったけの感謝と愛を
私を繋ぎ止めてくれる錨の人間たちへ。



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