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私の好きな映画のシーン(18)「タイムマシン」

 約60年前に公開された「タイムマシン」を観たのはテレビでの放送だったと思います。
 小学生だった私にとりタイム・マシーンは身近なもので、アニメ「スーパー・ジェッター」などを食い入るように見ていたから、感覚としての時間移動を楽しめる素地があったはずです。今で言うなら「ドラえもん」みたいなものですね。
 2002年にも、H.G.ウェルズ原作の映画『タイムマシン』新作が劇場公開されたが、やはり昔の方が好みです。(以下での『タイムマシン』は古い方の映画のお話しです)
 西暦1900年から1916年、1940年、1966年、そして80万2701年の未来へとタイムトラベルする主人公ですが、私が好きなのは、主人公がなんとも言えぬ造形のタイムマシンを操るシーンです。怪しげというよりも、子供が段ボール箱を何個か集め、頭の中で作り上げるマシン感があります。(マシーンと言いたいところをグッと抑えてマシンとしております)1960年劇場公開なら、すでにアポロ計画が始動し初めていたころなのですが、H.G.ウェルズの古典SF小説に基づいているので、時代背景は1900年。この1900年という時代の科学的な装置感を描いているのが味噌なのだと思います。
 話は横ズレしますが、ベルナルド・ベルトリッチ監督がイタリアの現代史を描いた映画『1900年』(1976年劇場公開)を観て比較すると、英国とイタリアの国の違いや階級差などが見えてきます。
 DVDのパッケージの絵は、ポスターから流用しているようで、どこか懐かしく、どこかばったもんの匂いがするところに惹かれてしまいます。生真面目な科学者が、子供の造形のようなタイムマシンを生真面目に操るシーンに、また出会うため、近々、DVDを取り出そうと思っています。中嶋雷太

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