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第一話 ドリーム・ヒルズの子供たち

 レオン・メンドーサは日曜日が嫌いだった。
 祖母ジャスミンに朝早く起こされ朝食を慌てて食べると、路地の奥にある水シャワーを浴び、昨夜ジャスミンがアイロンをかけてくれたズボンとシャツを着て教会へ出かけなければならなかったからだ。慌ただしい朝の支度を終え真面目な顔をして教会に向かって歩いて行くと、教会に集まって来る大人も子供も、いつもの明るい笑顔を消しているのがどこか可笑しく、そして窮屈だった。「なんかぎこちないよな…」と思うレオンもまた、ロープでぐるぐる巻きにされたような気分でいた。
 神父さんの長い話がようやく終わり、大きなあくびを一つしたレオンは教会から一歩外に出るや駆け出し、家に帰るといつものTシャツと半パンに着替え、マジソン・スクェア・ガーデンへとダッシュした。
 このトタン板に囲まれたドリーム・ヒルズを「外」の人たちはスラム街と呼んでいるが、ここで生まれ育ったレオンたち子供にとっては、ありふれた町でしかなかった。コンクリートや木造の小さな家々が何千軒も立ち並び、細い路地が血管のようにあちこち迷路のように繋がっていた。そして、いびつな形をした広場がいくつかあり、子供たちの溜まり場の一つがマジソン・スクェア・ガーデンと路上にペンキ書きされたバスケット・ボール・コートになっていた。
 年の差など関係なく何十人もの子供たちが集まり、適当にチームを作りバスケット・ボールの試合を延々と続ける。やがて、日が傾き、トタン板の外の高層ビルの影がコートを覆うと、一人また一人と家へと帰ってゆく。その日、レオンがコートにやって来ると、二面あるコートでは試合が始まっていて、レオンはコートの片隅で、ドリブルをしながら時間を潰していた。

「レオン!」コート脇の金網からニコルお姉さんの声がした。ニコルさんは、教会のスポーツ振興係で、ドリーム・ヒルズの子供たちに色々なスポーツを紹介しているはずだった。レオンの友達の中にも何人かがニコルさんの紹介で、水泳やバトミントンやテニスなどのスポーツを始めていた。

「ニコルさん。どうしたの?」
「ちょっと良い?」
「うん。そっちに行くから、待ってて」と、レオンはバスケット・ボールを友達に預けると、金網の外に出た。

「レオン、ごめんね。邪魔をして」
「ううん。良いんだ」
「でね。相談なんだけど、サッカーに興味ない?」
「サッカー?」
「そう。サッカー・フットボール…」

 ニコルさんが手渡してくれたフライヤーには、メンバー募集と書かれていた。サッカーは、テレビでは何度か見たことがあるし、ルールぐらいは知っていたけれど、一年中暑いこの国では人気はあまりなかったから、レオンもどこか遠い国のスポーツで、自分には関係のないスポーツだと思っていた。この人口が密集したドリーム・ヒルズでサッカーを楽しむような場所もなかった。

「教会の慈善団体が小学生のサッカー・チームをいくつか始めることになって、このドリーム・ヒルズの子供たちにも声をかけて欲しいって話があってね」
「うん…」
「それで、さ。レオンはどうかなって?」
「僕が?」
「そう、レオンに向いているんじゃないかな、って」
「僕に向いているって…」
「そうだよね…。突然言われてもね…」
 ニコルさんの話によると、小学校のサンチェス先生に相談したところ、レオンが向いているのではないかという話になったという。〈サンチェス先生は優しい先生だが、どんなところが向いていると思ったんだろ〉とレオンは心の中で思ったが、細かな話をするのも面倒だなとニコルさんには聞き返さなかった。

「で、僕が良いって?」
「そう。今、何かのスポーツのチームに入っているわけじゃないでしょ」
「うん。そうだけど」
「じゃあ、どうかな?」
「うん。考えておく」
「そう。じゃあ、来週の日曜日に、この先の公園の競技場で練習があるから来てね」
「うん。考えておく」

 そして、次の日曜日、教会の日曜礼拝が終わると、レオンはドリーム・ヒルズから外の街に久しぶりに出て、金ぴかな公園にあるサッカー場にやって来た。芝生が綺麗に刈られたピッチは濃い緑色の絨毯のようで、その上ではレオンと同い年ぐらいの子供たちが思い思いのユニフォームを身につけ、パスの練習を始めていた。
 レオンがスタンドの隅から眺めていると、ピッチからニコルさんが手を振っていた。

「レオン君。こっち!」と声が届いたけれど、レオンは「もう少し、ここから見ている」と手振りで伝えた。〈もう少し見ている…〉と言っても、そうするしかなかった。ピッチの上の子供たちはサッカー用のシューズを履き、サッカー用のソックスにユニフォームだ。けれど、レオンは着たきりのTシャツに半パン。足は底が擦り切れたビーチ・サンダルだった。ニコルさんからもらったチラシは、祖母ジャスミンには手渡さず、勉強机の引き出しに突っ込んだ。チラシには、サッカー用のユニフォーム、ソックスとシューズ、そして脛を守るシンガードが必要だと書いてあった。わずかな年金と屋台の仕事でなんとか食べている祖母ジャスミンに、頼めるわけがなかった。
 レオンは、ピッチの上で練習をする子供たちを眺めながら〈なんで、ここに来てしまったんだろ〉と考えていた。一つには、サンチェス先生が自分を推してくれたからだ。小学校でも特に目立たない自分のことを褒めてもらったようで嬉しかった。そのサンチェス先生の為にも、このサッカー場へは顔を出すべきたと考えた。そして、もう一つ。いつもいつもドリーム・ヒルズをガチッと取り巻くトタン板の中にいるのが息苦しく辛くなっていた。外の世界は金ぴかで綺麗だ。たまには外の世界を見てみたいという気持ちもあった。

 レオンがぼんやりしていると「レオン君!」とニコルさんが隣の席にやって来た。

「レオン君、どうしたの?」
「うん、今日はここで見ていようかなって…」
「練習はしないの?」
「うん、だって…」
 その時だ。ニコルさんが大きな袋をレオンに手渡した。

「ニコルさん、これは?」
「あ、それは教会の慈善団体が配っている練習用の服とか」
「練習用の服、とか?」
「そう。古着だけれど、日本のサッカー協会から大量に届いたのが、こっちの教会にも配られたから、これはレオンのだよ」
「これが、僕の?」
「そう。スパイクの足のサイズは、21センチだけど、どうかな?」
「うん。ちょうどだと、思う…」
「じゃあ、それに着替えて、ピッチに来てね。今、自主練習で、あと十五分後に本当の練習が始まるから」
「うん。ニコル、ありがとう!」
「ううん。こっちも、参加者がいてくれて喜んでいるんだ」

 ドリーム・ヒルズの子供たちは内向的だと言われていた。外の明るい子供たちには分からない辛さを抱えていたからだ。大人になると、瞳は冷たくなり、笑うことさえ忘れてしまう。そして、中には犯罪に走る者もいた。それが、大人になることだと、レオンたちは漠然とだが知っていた。いつの日か、身体が大きくなり食べて行かねばならなくなると、自分たちもまたそうした大人に「ならねばならない」と信じていた。レオンがここに来たのをニコルさんが喜んでいるのは、十歳のレオンでもよく分かっていた。レオンたちがドリーム・ヒルズの外の世界を知り、そこで明るく生きていくように、ニコルさんはレオンたちを応援してくれていた。

「ニコルさん、どうかな?」と、レオンが照れながら声をかけた。
「あら、格好良い!ぴったりだね!」
「うん。ありがとう。これ、どこのチームなんだろうね?」と、レオンはジュニア・チーム用のユニフォームの胸を指した。
「どこだろうね。KANAGAWA SAGAMI BAY F.C.って…。たぶん、日本のどこかのチームなんだろうけれど」
「日本の…」
「そうだね。日本のサッカー協会から届いたから、たぶん。でも、似合っているよ」
「そうかなぁ…」

 濃い緑色のユニフォーム姿のレオンとニコルさんが話をしていると、コーチのアンドレア・カスティーヨが声をかけ練習が始まった。十五人の子供たちのうち、レオンの顔見知りの子供が一人いた。確か、エリカ・ペレス。ドリーム・ヒルズには東西二つの小学校があって、エリカは東小学校だったはずだ。死者の日のお祭りで遊んでいて、エリカも顔を出したことがあり、レオンはおぼろげながらにエリカのことを知っていた。

 二時間の練習が終わると、参加者一人一人にフットサル用のボールが手渡された。

「このボールは、日本のサッカー協会から届いた使い古されたボールだけれど、君たちが練習するにはちょうど良い。足に馴染みやすい。毎日、ゴロゴロと足に馴染むよう遊んでください」とコーチが話し終えると、子供たちは、親が待つベンチ裏へと駆けて行った。

「レオン。どうだった?」ニコルさんが笑顔で声をかけてくれた。
「うん。楽しかった」
「そう。それなら良かった。ジャスミンには私から話を入れておいたから、そのユニフォームを持って帰っても驚かないからね」
「うん。ありがとう」

 着替えを済ませたレオンは、汗を吸ったユニフォームとスパイクを詰めた袋を右手に、そして左手にはフットサル用のボールを抱え、ドリーム・ヒルズに帰って行った。思ったより動けた自分の身体が不思議だった。これまで、自分の手と足のことなど考えたことなどなかった。けれど、今日、カスティーヨ・コーチの話を聞いていると、頭と手足が繋がった。これは自分の手で、これは自分の足なんだと。
 芝生のおかげなのかもしれなかった。いつもは凸凹したコンクリートで固めた路地か、雨が降ると滑りやすい赤土の上を走り回っていたが、今日は綺麗な緑色した芝生だった。走り始めるといつまでも走れるような気がした。そして、転んでも怪我をしない。怪我をする怖さがないから、身体を思いっきり使えた。〈この気持ちの良い汗はなんだろう〉と、レオンは何かが大きく変わった気持ち良さに酔っているようだった。
 ドリーム・ヒルズに帰り、路地奥の水シャワーで汗を流し家に帰ると、祖母のジャスミンが笑顔でレオンを迎えてくれた。

                ◼️

「北川さん。今日の試合を振り返っていかがでしたか?」とアナウンサーが話を振った。日本代表対アメリカ代表の親善試合は、1対0の僅差で日本代表が勝利した。ゴールを決めたのはビクトル中畑で、野獣とも呼ばれ強引にゲームを切り裂くような若手の成長株だった。

「そうですね。やはりビクトル中畑選手の活躍が目につきますが、ディフェンス陣の冷静な動きが光った試合ではないかと…」
「ビクトル中畑選手はやはり凄いと?」と、興奮覚めやらぬアナウンサーは 北川の言葉を聞いてはおらず、視聴者の興味を煽ろうと懸命になっていた。
「はい。ビクトル中畑選手の一点だけですから…けれど、この先、ワールド・カップの予選となりますので…」
「では、ビクトル中畑選手が、やはり注目されると?」
「ええ…」
 そこで、北川淳は話を止めた。
 元日本代表の北川は、ドイツのブンデス・リーガとスペインのリーガ・エスパニョーラのチームを渡り歩き、その精神と肉体のレベルを身を持って知っていたが、ここは日本で、地上波テレビだ。視聴者が楽しくない話をしても仕方がなかった。ディフェンス陣とミッドフィルダー陣の流れるような連携など、説明したところで、視聴者の多くは興味などなく、チャンネルを変えてしまうだろう。このアナウンサーにしても、この後流れるCMに出演するビクトル中畑をフィーチャーしたいはずだった。
 その夜。北川は、ベランダで夜風を楽しんでいた。高校時代から怪物だ、野獣だと好評価を受けたビクトル中畑はこれからも日本代表チームを引っ張っていくだろうが、北川の目はふし穴ではない。世の評論家も関係者もビクトル中畑の「野生」は凄いと踊っているが、それは真なる「野生」ではない。それは古いオレオレ・サッカーが少しだけ発展したものでしかない。真なる「野生」を宿した選手は、冷静ですべてのチーム・メイトの動きをコンマ一秒単位で理解し、その全体の動きの流れを肌身で感じ、連携をとる能力に長けている。ブンデス・リーガやリーガ・エスパニョーラの一流の選手は、その能力を持っている。そしてその能力を持っているがゆえに、ここぞという時の爆発力が凄い。しかも計算され尽くした爆発力だ。いま、日本代表に必要なのは、その真なる「野生」だ。この広い世界には、その真なる「野生」を宿した子供たちがいるに違いないと、北川はアイス・コーヒーを手に夜空に向かい呟いていた。

 翌朝、北川淳は、日本サッカー協会の会議室にいた。来春日本のジュニア・チームが行う東南アジア・ツアーの第一回の会議が始まろうとしていた。北川の隣の席には、北川が現役時代にJ1リーグの東京メトロポリタン・ユナイテッドでチームメイトだった蒲田平介がいた。J1リーグでの優勝をかけた試合で、蒲田はボランチとして奮闘し、左サイドから駆け上がる北川に絶妙なパスを何本も通してくれた。結果、大阪シティF.C.に3対0で勝利し、東京メトロポリタン・ユナイテッドはJ1初優勝を飾った。蒲田はチーム・メンバーすべての動きを瞬時に嗅ぎ分ける「野生」を持つ稀有な選手だった。ただワールド・カップ選出直前に靭帯を痛め、蒲田の夢は一度は消えた。

「蒲田、どうなんだ、最近の子供たちは?」
「ああ。それは資料に書いた通りだ」
「つまり、ビクトル中畑もどきばかり…か?」
「そうさ。荒々しさと『野生』の勘違いだ。技術的な部分ならなんとかなるが、身体感覚の部分はどうしようもない。まして真なる『野生』などプレ・ゴールデン・エイジ期(九歳ごろまで)に宿すものだから、それを持たないジュニアの選手が、九歳を超えてからそれを表面だけ真似をする。そして、あげくの果てには下降スパイラルだ。まったく伸びない。形の上だけは上手に見えるが、その先はかなり厳しい。持って二十歳までだろう」
「そうかぁ…。せっかくのゴールデン・エイジ期なのにな…」
「ああ。伸ばせる部分をしっかり伸ばせれば良いが、勘違いして身体感覚の部分を伸ばそうとしても、それはかなり難しい…」

 北川淳と蒲田平介が話しているゴールデン・エイジ期とは、アメリカの医学者・人類学者リチャード・エリンガム・スキャモン博士がおよそ百年前に発表した子供の神経系等の発育曲線で、九歳から十二歳で神経系の発育がほぼ完成される時期を指している。つまり、二人にとっては、日本のジュニア選手の育成は、五年、十年後の日本代表の姿を占う大切なテーマになっていた。

「それで、有望なジュニアはいるのか。日本じゃなく、東南アジアで?」
「それだが…。まだ分からない。三カ国だけだが、まだ詳しい情報は集まっていない。向こうに行ってからこの目で確かめるつもりだ。現地の知り合いからは、少しは情報が入っているがな。例えばカヤオ国のアンドレア・カスティーヨとか」
「アンドレアか?あいつの目は確かだ」と、北川は東京メトロポリタン・ユナイテッド時代に留学生として帯同していた小柄だが俊敏なアンドレアを思い出していた。公式戦への出場は叶わなかったが、無尽蔵な心肺能力と考えるサッカーを自然と身に宿した選手だった。国籍の壁はどうしようもなくカヤオ国に帰国したが、アジアの底上げには欠かせない男に違いなかった。

「じゃあ、アンドレアから良い話でも?」
「まだ、分からないが、原石になりそうな少年を見つけたようだとだけ」
「なるほど。ただ、向こうも、近代的な練習方法を採用し始めたというが、それが逆に作用して、元々持っているものを殺しはいないか?」
「そこなんだ。原石の段階で、その原石を見つけたい。その子が将来日本ではなくその国の代表になるとしてもだ。アジアのサッカーの底上げをするにはそれしかない」
「そして、その原石を日本で競争させる…わけだな」
「…その通りだ。真なる『野生』を宿した原石を日本に持ってくれば、日本のジュニアも慌てふためき、世界観がガラリと変わるだろう。そして、その子のためにもなる」

                ◼️

 今夜の夕食はルンピア(日本でいう春巻き)と貝のスープだった。
 ジャスミンの屋台で売れ残ったルンピアだが、ジャスミンのルンピアはこの街では有名で、家に持ち帰り二度揚げしても美味しく食べられた。

「ジャスミン。どうしたの?」
「え?何もないけど…」
「そう?なんか、機嫌が良いから…」
「レオン。おばあちゃんだって、そういう日はあるからね。で、サッカーはどうだったの?ニコルさんからは話を聞いたけれど、レオンがまさかサッカーをやるとは…」
「うん。最初は見学だけで終わろうと思っていたんだけれど、ニコルさんがユニフォームとかを持ってきてくれて、さ」
「それは良かったね」
「うん。で、なぜジャスミンはニコニコ機嫌が良いの?」
「そんなに、ニコニコしている?」
「ニコニコしている…」
「それは、ね。今日、アライサから連絡があってね、またいくらか送金してくれたみたい」
「そうなんだ。母さん元気にしていた?」
「元気そうだったよ」

 レオンの母・アライサは東京の病院で看護師として働いている。妹と弟との共同生活を送りながら、なんとか仕送りも欠かさずに、頑張って働いてくれていた。レオンは父の顔を知らない。アライサがレオンを産んだ翌年、父・ジョーンは病に倒れ亡くなったから、それは仕方がなかった。ただ、家計が厳しくなり、レオンがよちよちと歩き始めると、アライサは東京に住む妹と弟の元に行き、看護師の仕事を始めた。

「ねぇ。ジャスミン。母さんが元気だったから、ニコニコ機嫌が良いの?」
「ううん。それだけじゃない。あなたがサッカーを始めたのを知ってアライサも喜んでいたから。二人で血は争えないねぇって話をして笑っていたの」
「『血は争えない』って、何?」
「ああ。それはね…」

 父・ジョーンは建設会社で働いていたが、休みの日にはサッカーの選手として練習に励み、若い頃はこの国の代表選手にもなってたという。この国ではサッカーの人気はあまり高くなく、プロももちろんなく、ワールド・カップの一次予選に出場してもいつも完敗していたから、父は趣味の範囲と割り切ってサッカーに打ち込んでいたという。

「ふーん。そんな話聞いたことがなかった…」
「そうだったかしらね。でも、結構上手だったらしい。おばあちゃんは知らないけれど」
「で、母さんも喜んでいたの?」
「ええ。もちろん。あなたが何かに打ち込んでくれるだけで嬉しいって」
「ふーん。そうなんだ」
「しかも、サッカーだから、余計に嬉しかったみたい。ジョーン・メンドーサの生まれ変わり!って呼ばれるかも、って。自慢の息子だって言っていたわよ」
「生まれ変わり?自慢?」
「そう。あなたのお父さんの生まれ変わりかもね」

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