どうしてこうなったんだ
※閲覧しているのは理学療法士ツネのNoteです。文体がいつもと違いますが決して変なページにとんでいませんからね。ご安心ください。
そこのあんた、そう、あんた(読者)だよ。
いきなりだけど、ちょっと助けてほしいんだ。
自分の周りがいつもと違うんだよ。何だろうか、すごく不安なんだ。
何故自分がここにいるのかわからない。いつの間にかここにいるんだよ。私にはまだ小さな子供がいて妻がいて、帰りを待っているんだよ。早く家に帰らないと、、、安否を伝えないといけないんだけどどういうわけか誰も助けてくれないんだよ。持っていたはずの携帯電話は見当たらないし、時間はわかるけど日付もわからない。
靴はどこだ?なぜ浴衣みたいものを着ているんだ?
俺の服はどこいった?そこか?そこの引き出しにあるのか?
ちょっとあんた、悪いけどそこの引き出しをあけて確認してくれ、俺の服や携帯電話が入っているかもしれない・・・。え?、何もない?歯ブラシとブラシが入ってあるだけ?・・・じゃあ、そこの、そこの引き出しは?
オムツ!?なんでそんなもんが入っているんだよ。え?俺の?馬鹿言え!なんで俺がオムツを履くんだよ!子供じゃあるまいし!
困ったな・・・、わけがわからない。今は何月何日ですか? ・・・いや、私が聞いているんだよ?
え?いつか言ってみろだと?
ふざけやがって・・・、
(少し暖かい気がするからな)・・・4月頃か?
え?11月?何言ってんだよ。こんなに暖かいじゃないか(駄目だ、こいつと喋ってても拉致があかない)。
わかったわかった、それはいいからとりあえず、妻に電話してくれないか?安否を・・・え?何、子供には俺がここに居ることを伝えてあるだって、
「馬鹿にすんな!子供はまだ3歳だぞ!3歳の子供が電話にでて俺がここにいることを了承したとでも言うのか!」
・・・もういい。自分で動くしかない。
・・・!なんだよ、離せよ!なんで邪魔すんだよ!
「俺は家に帰るんだよ!」
「お前になんの権限があって邪魔すんだよ!監禁か!監禁してんか!訴えるぞ!さっさと手を放せ!」
(くそ、意味がわからん。何か知らないが身体が重くて動かしにくい…)
歩けるかだと?(バカかこいつ?)・・・
歩けるかだって?当たり前だろう!
おっとと、、、足がだるい・・・
ピー!(機械音)
ん?何の音だ?まあ、いいか。早く帰らないと。どこか知らないが、とりあえずタクシー呼んで家まで行ってもらって、料金は…後払いしたらいいか。
「おい、なんだよ。何押さえつけてんだよ!ふざけんな!俺はタクシー呼んで家まで帰るんだよ!わかってんのか!?家に子供いて妻も待ってんだよ!退院許可がない?はぁ?って、おい、話を聴けよ!・・・
おい、やめろ!なんだよその手袋、指が動かせない!!ベッドに縛り付けるな!」
おーい!、おーい!誰か助けてくれー!!!
責任者、、責任者よんでこい!!!!!
↑
【患者様目線】年齢30代後半 子供3歳
【医療者目線】年齢70代後半 子供43歳
↓
高齢者様「家で子供が待ってるんだよ!助けてくれよー」
医療者「息子さんには伝えていますからねー。動いたら危ないですよー。」
#私のイチオシ
それは「妄想」による高齢患者様への理解を深めること。
患者様は今何歳を生きておられて、
今何を一番に心配されているのか。
病院の中で私たちはどこまで許容することができるのか模索する。傾聴で落ち着かれることもありますのでね。
うーん、、、私の晩年を見ているようだ・・・(笑)。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?