秋晴れの日曜日

お待たせしました、私です。
今回ほんとに時間かけちゃったな……。
書ける気がしなくて、「よーし書くぞ」まで時間がかかり、「本当に書くぞ!」となってから掃除機をかけはじめました。テスト勉強かよ。

お題の難易度もなんですけど、前回の束子さんの刈谷の話がおもしろすぎて。

めちゃくちゃ楽しかった~!
交換小話の醍醐味みたいなことを早々にやってしまったのでは?! と、ちょっともったいない気持ちにもなりました。

刈谷、変な奴だけど賢くて、私が書くよりも魅力的になってた。きっといろんな人がおもしろく読んでくれる話だと思うんですが、断然一番楽しい気持ちになったのは私だと思います。そう、これは読者マウントです。

そんなこんなで、すぐ自尊心が下がる私ですが、頑張って書きました。
書ききるが目標。しかしちょっと今回は本当に自信がないです。
刈谷……私のイカもほどほどにあげてくれ……墜落はさせないでくれ。

ではでは。お時間ございましたら読んでいただけると幸いです。


*****

 土の湿った匂いがする。
 昨夜、熱帯低気圧が通過している時には中止になるかもしれないと思っていたのだけれど、予定通りの時間に起きてよかった。家を出るときまだ怪しかった雲行きは、車が小学校につく頃には嘘みたいな秋晴れで。濡れた運動場では先生や高学年であろう生徒たちが大きなスポンジで水を吸ってはバケツに絞っているところだった。
「あ! もしかしてあなたかな? 佐藤さんの紹介の?」
 突然背後から声をかけられて振り向くと、少し小太り気味の優しそうな男性が立っていた。年齢は……私より一回りぐらい上だろうか。
「そうです。井口めぐみです。今日はよろしくおねがいします」
「来てくれてありがとうね。サポートよろしくお願いします」
「あんまり……その、自信ないんですけど。頑張ります」
 ふたりで連れ立って先生に軽く挨拶をした。
 校庭にはカラフルなハチマキを巻いた生徒たちや、保護者たちが続々と集まってくる。
 最近はやりのJ-POPがアレンジされた音楽も、どこか懐かしさを感じるから不思議だ。運動会マジックだろうか。
 生徒や先生たちはもちろん、保護者や観覧の方にも邪魔にならないように。できるだけ目立たないように。そっと運動場の中に入る。存在感を消してまぎれるなんて忍者みたい、なんて思いながら、初めての経験に緊張でなかなか鼓動が収まらなかった。
 開会式のラジオ体操、徒競走、玉入れ、ダンス、大縄跳び。種目を重ねるごとに徐々に空間に馴染んでいる感覚になる。競技中も応援中も、生徒たちはみんなとてもいい顔をしてる。笑顔だったり、悔しがったり。おどけてみたり、拗ねてみたり。
 無我夢中で過ごしていたらあっという間に時間は過ぎた。
 最後の種目はリレーだった。
「井口さん」
「あ、はい!」
「リレーはね。やっぱり醍醐味だから」
「そう、ですよね」
「僕は真正面から狙うから、井口さんはスタートとゴールを斜めから抑えてくれる? 大体この位置になるんだけど」
 言いながら場所を移動する。私は頷いた。
「わかりました、やってみます」
 定位置につき、後ろの観覧の方の邪魔にならないようできるだけ腰を落とした。生徒たちがバトンを持って横に並ぶ。緊張してるな、と思った。この子たちも、私も。
 先生が「ようい……」と言いながら右手のピストルを天に掲げるのを気配で感じる。
 一瞬の静寂。
 息が止まる。
 ピストルの音が弾けると同時に、ファインダーから覗く子供たちが駆け出して。
 私は何度も何度も、シャッターを切った。

*****


お題は『オノマトペを使わずに、運動会の話を作る』でした。
気を抜くとすぐに「ぽつぽつ」とか「ドキドキ」とか打ってた。癖ってすごい。

さて、それでは続いての束子さんへのお題ですが。
『美しい冬の情景をいれる』です。

どんどん自分が読みたいものにお題がシフトしていってる気がする。私物化してるかも。いいんだろうか?

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