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ありがとうで終わること〜妊活を終えて②〜

わたしは不妊治療をしていた時、心に決めていたことがある。
それは、どんな形で終わろうと、ありがとうで終えること。

妊活という気持ちの揺れが多い旅の中で、その思いだけは、
唯一持ち続けていた。

12月初旬、夫と終えることを決め、
決断から数日はいろんな気持ちに寄り添ったり、
日記を書いたりしながら過ごした。
正直…クリニックへの気持ちは遠ざかっていた。

もう、このまま行かなくていいかな。
そんな気持ちも芽生えていた。
でも夫に「最後はありがとうで終わりたい」と話した時、
夫の表情がとても優しく、言葉にはなかったけど、
「あなたらしいね」と言ってくれたかのようなやり取りがあった。

クリニックを予約し、先生にお手紙を書いた。
先生は患者としてだけでなく、人としての温もりを感じる会話があり、
緊張感のあるクリニックで
日常の一コマのようなやり取りがあった。
わたしはそんな日常にどれだけ救われただろう。
わたしの妊活は先生に会うことでもあった。

そんな思いを手紙にしたため、
自然と最後に書いた言葉が、
「先生、大好き💕」
だった。
ドクターと呼ばれる方に、大好き❗️なんて言うと叱られるかもだけど、
本当に好きだったんだと思う。

そしてクリニック最終日。
クリニックに着くなり、急にホロっと涙が溢れた。
今まで、わたしここで頑張ってきたんだなぁ…と。
悔しい涙でも、
悲しい涙でもなく、
自分を讃える涙だったと思う。

そして先生のお顔を見てまた…涙。
よく頑張ったね…先生は何度も言ってくださった。
伴走者が先生だったからこそ、ここまで来れました…とお伝えする。
本当に素敵な先生だったな。

最後はありがとうで終わる。

そんな自分との約束を守れたことに
とても安堵している。

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