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【山里暮らし】2024年4月⓷しいたけを収穫する

民放で「ポツンと一軒家」という人気番組がありますね。そこに出演してもおかしくないような、峠の一軒家を訪ねました。推定70代後半のKさんご夫妻、お茶と椎茸で暮らしていらっしゃいます。

一般に売られている椎茸はほとんどが「菌床栽培」。管理された室内で温度を最適にして、容器の中に種菌を植え付けて育てます。舞茸やしめじでおなじみですね。

これに対して「原木栽培」と表示があるものは、以下の写真のような場所で育てられます。

適度に育った雑木を切り出してきて、種菌を植え付けます。これは「ほだ木」「ぼた」などと呼ばれます。少し前までは日照を考えながら山の斜面に並べました。あまり土につきすぎないよう、組むようにして並べるのは重労働です。
さらに、猿や鹿の被害が出るようになってからは、こうして周りを囲む苦労も増えました。丸太を動かすだけでもしんどいのに…高齢の農家さんには大変な作業です。
原木栽培は手もかかるし、天候や気温に左右されます。しかしそのぶん、味わいは格別です。

「もうそろそろ椎茸はおしまいだから。藤の花が咲く頃に採れるのはフジのコって言ってねえ。」
「こうしてとるのも、マチの人にはめずらしいでしょ」
いえいえ、椎茸栽培はけっこう手伝ったので…菌打ちもしたことがあって…とは言い出せずに、へーほーふうんとお話をききながら、雨上がりに一気に育った椎茸を収穫していきました。
ホントは笠が開き切っていないのが上等ですが、「見逃して」大きく育ちすぎたものも、まだとれる、刻めばおいしいようーと話しながら採りました。

覆いをめくって外に出ると、カナヘビが慌てたようにチョロチョロ逃げていきました。放し飼いの犬がしっぽを振って出迎えます。

椎茸の保存
もちろん干ししいたけにしてもいいし、煮しめてから冷凍してもいい。それから、生のままひと干しして、一口大に切って冷凍するのもいい。
マンションの部屋に戻って袋をひろげてみると、正直言って思ったより不揃いで、土もついている。ウっと思いました。
でも、こうして育つまでの苦労も見てきています。
土も虫もついてない食べ物のほうが不自然なんだ。
座り込んで、ひとつずつ石づきを落として、ポンポンはたいて手をかけたら、何とかなりそうでした。軽く干したら半分は煮ておこう、うちの子たちは椎茸のお煮しめが好きなのです。


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