見出し画像

息子と私の高校受験237日「奮起」

この頃の息子は自分を励ますような話や言葉をあれこれ探しては、自分を勉強に向かわせようとしていたようです。

気に入った言葉をみつけると、教えてくれたりしました。

「なぁ、ママ。
俺な、すごく尊敬している会社の社長さんがおるねん。
その人がな、モチベーションがどうこう言ってる時点でもう甘い。
まずはどんなに大変だと思っても、黙ってそれをやりきるロボットになれって言ってるねん。
ほんまにそうやなと思ってさ。
すごくない?」

そしてLINEの彼のホームには、いつも自分を奮起させるための一言が書いてありました。

「LINEを立ち上げるとな、必ずあれが目に入るねん。
なんかいいやろう?」

「うん。お母さんもやろかな。(笑)」

「うん、やってみ。」

本当に意識が変わってきた時だったと思います。

そして夏休みに入ってすぐのある日。
仕事から帰った私に、息子がこう言いだしました。

「なぁなぁ、俺、ほしい本があるねん。
買ってくれへん?」

「ん?いいよー。なに、なに??」

「あんなぁ、題名わかれへんねん。
でも全然勉強できんかった女の子が、めっちゃ有名な大学入ったってやつ。」

「あーーーーー!!それ知ってる。
お母さんも読みたかった!明日買ってくるわ。」

そうです。

「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて
慶應義塾大学に現役合格した話」


早速買ってくると、

「なぁ!俺さ、今日勉強せんとこれ読んでもいい?
明日からちゃんとまたやるから。」

と言って、本当に一日で読んでしまいました。

読んだ後、すげえなぁ。と一言だけ言って、それ以上はあんまり話しませんでしたが、今でも彼が一ヶ所だけふせんを貼ったところが残っているので、そこを抜き書きます。

--------------------------------------

そして僕は、地頭がいいな、この子は勘がいいな、と思う生徒には、よくこんな譬え話をしています。

「君は本当はフェラーリを持っているんだけど、今はガソリンがまったく入っていない。
運転免許も持っていない。で、目的地に、三輪車をこいで行こうとしている。
それで今は自転車しか持っていない奴らにどんどん追い抜かれているんだ。
三輪車にもいいところがあってねー道端に咲いているタンポポとかをじっくり見たりはできる。
タンポポって、いいな、とか思いながら。
そういう人生も、良いものだろう。
他の人は目的地に自転車でばーっと走って行っているから、彼らのほうが目的地には早く着く。
君はひょっとしたら目的地までたどり着けないかもしれないけど、その分、細やかな感受性を養っているとは言える。
だけど、いざ、目的地に〝早く"着くのが目的になったとしたら、君ならどうする?
あるいは、フェラーリを持っているのに三輪車をこいでいて、自転車の奴らに追い抜かれている奴に対して、どう声をかける?」

するとたいていの生徒は、
「まぁ、ガソリン入れて、免許を取るし、それが他人なら取らせますね。」
「じゃあ、この場合のガソリンってなんだと思う?」
「・・・・・知識かな」
「免許は?」
「・・・・・勉強の仕方かな」
「じゃあ、勉強の仕方を数週間だけがんばって学んで、その後で知識を入れていったら、君はブォォーンってエンジンを吹かして、フェラーリで自転車なんかすぐ追い越せるね。
僕は絶対、そうできると思うな。」

こうやって自分で考えて、自分の価値を認めた生徒は、その後、強いのです。

-----------------------------------

彼はずいぶん後、何が一番自分のスイッチになったと思う?と聞かれた時、
「ビリギャルの本」
と答えていました。

フェラーリとは言わないけれど(笑)、自分もずーーっとガレージにほったらかしのままになっている車があることを思い出したのかもしれません。

================================
Belle Posent(ベル・ポーズ)
ウォーキングレッスン・インストラクター育成・研修・講演・セミナー
代表 水野里香
お問い合わせ  belleposent@gmail.com
Facebook https://www.facebook.com/Mizuno.Rika/
Instagram https://www.instagram.com/bisugata_mizuno/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?