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ちょっと、懐かしい未来の話をしようと思う

私たちには忘れられない未来が待っていると思う。
マスクをしないで、電車に乗って、街を歩いて、誰かとあって、人目を気にせず6人くらいで集まったりする。そういう。過去みたいな未来が待っていると、ずっと思っている。

6月9日~13日 OFF・OFFシアターにて
「ずっ止まってる」
無事終演致しました。

というわけで、ご来場ありがとうございました。
川原紀見子役の岡村です。
お楽しみいただけた方もそう出なかった方も、このご時世に劇場に足を運んでいただけたことが奇跡だと思っております。本当にありがとうございました。

1人で夏を迎えるのは、これで2年目になります。
これを読んでくれている皆様もおんなじでしょうか。いっそ誰にも会わずに田舎の田舎の方までいって一人きりで過ごそうかとか考えていたりしました。
大きな入道雲をソフトクリームみたいだと思っていた高校生の私は、入道雲を見るとああ、そろそろ雨だから洗濯物を取り込まなきゃ、とかちょっと現実的でつまんないことを考えるようになりました。

制服を着る賞味期限みたいなものを、最近よく考えます。歳も歳だし、なんてことを思ったりするのですが、まだまだ制服を来たりする舞台のお話をいただくので、ああ、まだ着れるんだ。とか。
以前、高校生の頃太っていて可愛く制服を着れなかった話をこのノートに載せました。

制服が可愛く着れるようになるまでの、いわゆる賞味期限は3年。でもなかなか痩せなくて、私が可愛く制服を着れるまで、時間が止まってくれればいいのにとか、おおよそファンタジーなことを考えたりしていて。

この夏は一体いつまで賞味期限が持つんだろうとか、考えます。この夏は、期限は、いつまで私たちが止まっていることを待っていてくれるんだろうとか。私たちの夏はもう1年前の分はなくて、今年の分ももしかしたらなくて、でも確実に時間は過ぎていく。その消えてしまった空白の1年みたいな時間は絶対に戻らないけど、でもまた次の夏がもう目の前です。歩けばまた入道雲も大好きなソフトクリームもある。案外期限は無いのかも。
ただ何かと誰かとどれかと、一緒にいられる瞬間は限られていて、過ぎてしまえば何もかも思い返すことしか出来なくなってしまうから。
今の時間を精一杯愛したいなと思います。

まずは皆様が愛してくれた、あの時間に感謝を。
このブログを持って終演の挨拶とさせていただきます。

頭の中にこびり付いてる、あの人が密集した時の高揚や、集まってしまったからこその無駄な時間を私はまだ覚えている。

握りしめてるだけではいけないので、ゆっくりでも歩んでいこうとまずはスカートを脱ごうかなと。

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