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がんばる

「夜に絵を描く」というサークルが、今夜で一旦、終了。これは、漫画家・イラストレーターのワダシノブさんが立ち上げたサークルで、じわじわと約2年くらい続いていた。

名前も居住地も年齢も、全く知らない人たちが、決まった日の夜にzoomで集まる。5分、3分、1分、30秒、で時間を区切り、それぞれお題を描く。それを見せ合いながら、描いた絵について一言述べる。お互いの背景は知らなくても、その人柄や生き方が伝わってきて、いつだって優しくいい気分になって終わることのできる会だった。

シノブさんから「年内を最後に、一旦、終了します」という案内が来たとき、シノブさんが多忙な中で会をセッティングしてくれたり、コンディションも色々あるだろうに、いつも笑顔で迎えてくれたりしていたことに甘えていたなあと思った。特に今年はひどく沈む気分が多い一年で、そんなふうに甘えられる空間がわたしにはとてもありがたく、「このサークルがあるから、わたしは大丈夫」と思える日も少なからずあった。どんなにしんどい明日が予測できる日も、「なんとかなる」と背中を押してもらった気がする。

みんな未来に向かって進んでいると思った。わたしのようなおばさんにだって、この先の未来をまだ前に進もうと思える、そんな会だった。

そして最後の回だけど、いつものように「じゃあこれで終わりまーす。良いお年を〜!」でサクッと終わる潔さがまた、このサークルらしいと思った。
また、いつか復活するかもしれないし、もう2度と行われないかもしれないけれど、それでも「じゃあね」と手を振る潔さが好きだ。

なんでかわからないのだけれど、zoomが落ちて、それまで笑い声が響いていた部屋に、ポツンと一人になったとたん、わたしには「がんばろう」という気持ちが湧いた。不思議なことに、根拠のない勇気が出てきた。

このような会でこのような人たちに出会えたことに感謝の気持ちでいっぱいだ。そして、自分が住む場所は夜ではないのに「夜に絵を描く」という素敵なサークル名にしてくれた、シノブさんのセンスと、人を思いやるスタンスに改めて感謝している。

じゃあ、またね。


※見出し画像は、今日のお題「今年の名言」で、時間は5分。



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