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推理

どうも。入院生活3日目のりかよんです。まだ慣れません。

さすがに一睡もしてないから、よく眠れるだろうと思っていましたが、昨晩もあのおばあさんは延々としゃべり続け、熟睡ができませんでした。しかも、おばあさんはぐんぐん回復しているらしく、声のトーンもハツラツとしてきたし、滑舌もクリアになってきたので、お話の内容が、よりわかりやすくなっています。

そして、なんといっても不思議なのは、会話しているということです。相手がいます。最初は電話しているのかと思いましたが、そんなはずはない。でも「ええ、ええ、あーそうですかぁ。それがね…痛かったんですよ。ええ」といった感じで、完全に誰かと会話しているのです。いったい誰と⁉︎

まず、おばあさんは、誰かを断続的に呼びます。召喚という感じ。昨夜はショウコさんでした。ショーコー!ショーコー!と呼びますが、話し相手は別の人のようです。

夜も白々と明けて来る頃、
「いや、もうね、怖かったけど思い切って飛び込みました!」
と話し始めました。
「自殺よ!自殺!」
どきりとします。
「あの子はね、幼稚園の頃から勉強しよったと。英語、ドイツ語、フランス語、韓国語、中国語もペラペラやったけん、先生から助かるー、助かるーて言われよったもん。」
誰かの自慢かな?
「お医者さんになりよった…え?本当なら日本に戻って、院長先生になるはずやったよ。かわいそうに…」
そんな悲劇が。
「あたしはね、ショウコを抱いて、どうすることもできんやったから、飛び込んだとですよ」
なんかすごい展開。

その後も、延々と話は続き、あまりにも内容がくるくる変わっていくし、話の途中で話し相手も変わっているようで、口調も変わってきます。

断片的なお話を材料に、わたしは推理します。でも、事実は小説よりもなんとやら。本当は、本人に、「それで?どうなったんですか?」と、聞きたくてうずうずしているのです。


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