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【紀伊國屋さんありがとう!】書評_辰巳センセイの文学教室

はじめに


お久しぶりのnoteに取り掛かってみた。別アカウントでは謎の取り組みを始めたが今回は書評にチャレンジしてみようと思う。(https://note.com/yamahana616/n/n459311564816:こちらもよろしくお願いいたします!)

題材はこちら〜辰巳センセイの文学教室

辰巳センセイの文学教室 上 「羅生門」と炎上姫 (宝島社文庫) 瀬川雅峰 https://www.amazon.co.jp/dp/B092ZMTR6K/ref=cm_sw_r_tw_dp_7VB37YENCNRBZQN2F162 @amazonJP


学園ラブストーリー×ミステリで教師と生徒の恋模様を描きつつ、名作文学に絡めた謎解きがメイン。本来の紹介なら各話の紹介と感想を述べていくと思うのだが、この本に出会った経緯がほん少し変わっており、そちらの説明からスタートしようと思う。

事の始め


背景から始めようと思うのだが、そもそも私の紹介から始めた方がいい気がするので簡単に。I T系企業で勤務しており月〜金で毎週出張するホテル暮らしな日々を過ごしている。そのふとした移動の時に物語は始まる。。

その日は金曜日、一通りの仕事を片付け梅田の紀伊國屋でブラブラをしていた時であった。(月〜金での勤務を終え、新幹線で帰る前の密かな楽しみである。)

入って手前の方にある新刊コーナーの前で事件は起きた。

実際のコーナー:新刊本が多数並んでいる


いつものように適当に気になる本を見ていると、1冊の文庫本が目に入る。
表紙が美少女で、裏表紙の概要を読むと学園ミステリモノのよう。森鴎外、太宰治などの名作文学も絡めているようで中々面白そうな雰囲気である。
しかし社会人になって今更学園ものかとも思い、そっと文庫本を戻した。
「まぁ一旦考えるか、新刊コーナーにあるしいつでも買えるやろ」
と思った愚かな私は題名も控えず、写真も取らずその場を後にしてしまう。この後の悲劇も知らずに。。
その日は目についた適当なビジネス書を購入し、新大阪から東京に帰った。


中盤編

帰り道、やっぱりあの本欲しいなとの思いが込み上げてきたので、翌日近所の本屋に向かうことに。表紙が派手だったしすぐ見つかるやろとの予測は見事に裏切られるのであった。

ない、ない、ない、新刊コーナー・話題のコーナー・平積みエリアのどこを探しても、あの表紙は見つからない。向かいのホーム、路地裏の窓こんな場所にいるはずもないのに…
そもそも文庫本ってこんなに多かったっけ?となり途方に暮れる私。
愚かなことに、表紙と裏表紙しか確認していなかった私には、棚から探すこともできず、かといって題名すら忘れているので、店員に聞くことすらできない。。
自分のアホさに呆れつつも、紀伊國屋の棚に見にいけばあるっしょとの余裕もあり、この場では一旦撤退。
翌週新幹線の移動がてら別の本屋も覗くが、結局見つからず。一縷の望みを紀伊國屋に託すことに。。

勝負の紀伊國屋編

そして月曜日、仕事を終え早速紀伊國屋のあの棚へ向かう。

すると、配置が変わってしまっている!!!
文庫本すらなくなっており、本屋大賞特集でハードカバーの本のみが並んでいるのを見て立ち尽くすわたし。
流石に諦めかけたが、ここまで探してしまうと読みたくなるのが人間である。そこで店員さんへの無茶振り、
私   「ここの棚にあった本を探しているのですが…」
店員さん「題名わかりますか?」
私   「すみませんわからずでして…」
店員さん「作者は?」
私   「すみませんわからず…」
店員さん「…   何か覚えていますか?」
私   「…」

ようやく捻り出したのが

・表紙が女の子でなんとなく暖色だった気がする
・学園ミステリ
・名作文学も関わっていたような

という曖昧模糊とした条件。もし私が店員さんで、この内容で本を探せという客がいれば、こいつ気が狂っているなと思うに違いない。
このクソ条件で探して下さった紀伊國屋店員の皆様にはただただ感謝である。

とりあえず数冊探してきていただくも全て違う。。。

次に提案していただいたのが、
「そういえば棚の写真をTwitterにあげているんです!」
なるほど名案!Twitterの画面を開き写真一覧から探すも…
「すみませんなさそうです。」
タイミングが悪く、私が目撃した週はその棚の写真がなかったのだ。。
https://twitter.com/KinoUmeda

諦めかけたその時、より専門的な店員を呼んでいただけることに。。
すると、この棚に置いてた本と思わしきリストがあるとのこと!!!

そのリストを確認しながら思い出したのが、
「センセイって入っていたような、、、」
「あー辰巳センセイかもですね〜こちらです」

そして案内していただいた所には、記憶のある表紙が!!そして背面の説明を読むとあのときの内容が!!!

これです!本当にありがとうございました!!
よかったです〜と言い残し去っていった店員さんの後ろ姿のかっこよさたるや。。

紀伊國屋の店員さんのホスピタリティと探索能力に感服しました。みなさんはこんな無茶振りをしないように。
今思えばこの内容自体がミステリやん。。

やっとこさ書評

もはやメインで描きたかったことは書き終えてしまったので、簡単に書評と感想を。

内容としてはとにかく激甘だった印象。国語教師が美人生徒をひょんなことから助け、ベタ惚れされるとストレートな恋模様が大筋。
そんな彼らの学園生活を軸として、名作文学6作品に絡めた6つの事件を描くというもの。個人的には山月記の回がよかったなと。
辰巳センセイが国語の授業で6作品を授業するのだが、説明が上手く受けてみたいなと思わされる。
キャラ同士のベタな恋の三角関係が意外とグッときたり、名作文学と絡めたミステリも上手く一読の価値がありかと。
ただの恋愛キュンキュンに止まらず、”こころ”の解釈など国語の教師らしい内容もちゃんと面白い。
個人的にはとても楽しめたのだが、ここまで激甘な内容を脳が求めていることに対してびっくりした記憶がある。(精神的に疲れてたのかな…)

紀伊國屋よ永遠に

Kindleで本を購入することも増え、あの本なんだっけがかなり少なくなってきた気がしているが、もしするとリアルの店舗での購買体験の醍醐味がここにあったのかもしれない。(ない。)紀伊國屋の店員さんには多大なご迷惑をおかけしましたが…
この記事を読んだみなさんは今すぐ紀伊國屋梅田店に直行し、辰巳センセイを購入するように。

アディオス!!

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