メンツ

PLトッテナムVSマンチェスターシティ 因縁は続く

 お久しぶりのマッチレポである。本日はプレミアリーグからトッテナム対マンCをお届けする。前年のCLではVARにより命運が別れた両者の対決。その後モウリーニョが就任するも厳しい戦いが続くトッテナムに対し、今季は安定感を欠くマンCの対決。筆者はリーガファンであり、ペップバルサ対モウマドリーを見続けていたために非常に胸熱な対決である。

メンツ


 メンバーはこちら。トッテナムはケインの怪我以降このアリとルーカスが前線を務める。割とオーソドックスなメンツ。対するシティ、シルバシウバのコンビがおらぬ。今季はマフレズがフィットしたがそれ以上にアンカー、左SB、CBが不安定。何気にエデルソンのプレーも気になる。

トッテナムの守備とシティのアタック

 この試合は基本シティがボールを保持し、トッテナムが迎え撃つ展開がメイン。ペップ対モウの王道パターンである。トッテナムのプレスの開始ラインはセンターラインの10mほど前方からで、2トップのルーカスとアリが横並びでプレスをかける。相手CBからでたボールに対しては厳しくプレスすることで前進を防ぐというもの。

画像2

対するシティのビルドアップの1手目の1例がこちら。ギュンドアンがロドリの横(2トップの脇)で受けたり、所謂ハーフスペースにアグエロが入る。

画像3

こんな形も。ウォーカーが中に入りマフレズとジンチェンコで大外をとり、スターリングが中へ。

トッテナムの2トップの守備はそこまで激しくないため敵陣には割と容易に入れるシティだったがそこから先の崩しが中々難しい感じであった。

シティの右サイドとトッテナムの対応

 では、シティの崩しが上手くいかなかったことについての考察をしていこう。シティは右サイド、左サイドで明確に崩しが別れており、この試合では右サイドの方が機能している印象であった。

画像4

ざっくりとしたイメージ図である。打ち手は大体三つで、

1マフレズの突破、2デブライネのクロスや突破、3ウォーカーの上がりである。

この3つのカードを提示しながら守備に合わせて最適なカードを選ぶにがシティ流である。最近ではマフレズがハマってきたこともあり強烈さが増した印象すらある。

この攻めに対するモウリーニョの応答は

1.CBのタンガンダを左SBに 2ウィンクスのHS閉鎖

この2手で対応することであった。タンガンダは対人に強いため簡単にマフレズに土俵を割らせず、ウィンクスはHSの閉鎖を行う。特に際立ったのはウィンクスでデブライネのHS突撃についていきつつ、タンガンダのフォローに周るなどいい働きを見せていた。結果としてデブライネは活躍していたものの、HSよりは大外からのクロスが多かったように思える。

シティのウィークサイドに対するモウリーニョの狙い

 続いての左サイドを見ていく。今シーズンのシティの不安定さの原因は左SB、CB、アンカーのパフォーマンスが上がらず守備が不安定であることが原因だと考えている。また守備の不安定さは攻撃にも影響するのがサッカーというスポーツである。

 今季シティはメンディ、アンへリーニョ、ジンチェンコが左SBであるが三者全員が帯に短し襷に長し状態で固定できていない。またCBとロドリの不安定さからギュンドアンがやや低い位置にいる必要が出ているように思える。結果としてシルバのように深い位置に進入できず、スターリングが孤立気味になり左では思うように崩せないシティであった。

 このウィークサイドに対してソンフンミンを右サイドに置いたのはモウリーニョの大きな狙いだったのではないだろうか。守備に不安のあるジンチェンコとスピード勝負が厳しいフェルナンデスに対してソンをぶつける論理的な采配である。また、この試合ではジンチェンコが高い位置にいることがあるため、シティの左サイドの裏をつくケースが散見された。誤算としてはソンがジンチェンコとフェルナンジーニョに勝てなかったことではないだろうか。実際にもこの奇策は前半の終わりには終了していた。 

 36分、VARの結果PKを獲得するもロリスがストップ、その後のいざこざでジンチェンコがイエローカードをもらってしまう。このシーンが結果的にこの試合の趨勢を分けてしまったのかもしれない。ボールを回し、決定機を作るも決めきれないシティというものであった。

 そして後半引き続き攻めるシティと、守るトッテナムの構図。そして60分ジンチェンコが退場し、その後のセットプレーからベルフアインがゲット。我慢が実ったトッテナムである。

 シティはアグエロに変えてカンセロを投入。その後71分にソンフンミンが追加点を叩き込み2-0。

その後ジェズス、Bシウバを投入し攻めに移るもゴールは奪えず2−0でトッテナムが勝利した。

感想とか

 今季のシティの苦しさが伝わってくるような試合展開であった。攻撃しているが決めきれず、守備陣が耐えきれない。ラポルテとシルバ不在が感じられるゲームに。アンカーのロドリはアジリティ不足でトランジション時に後手を踏み、不安定なCBと左SBがさらに輪をかける、結果として左サイドがかなり苦しい感じに。ペップは立て直せるのだろうか。何気にリーダー気質がいなさそうなのが気がかり。デブライネは常にキレているし。

一方のモウリーニョ率いるトッテナム。勲章は守備陣であろう、堅牢なブロックで中に入らせず、決定機もロリスが阻止。ケインの代役が欲しい気もするが獲得したのは左SHのベルフアイン。2点目の得点後に喜ぶソンに対して指示しまくるモウリーニョは最高である。

ただジンチェンコの退場がかなり影響した気もする。

この二人の対決はこれからも見逃せないだろう。

fin


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?