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世界一欲しいクルマを見に行った話

月一連載企画です。嘘ですけど。

前回は暗い時間にこっそり偵察に行った話だったが、明るい時間に見に行ってついでに話でも聞いてみようという事で、ちゃんと営業時間中に伺ってみることにした。

その時所有していたシビックe:hevを1年で手放して乗り換えなんてのは誰がどう見たって時期尚早なので、ワンチャンあればみたいな顔はしていたけど、折り合いがつかなくて無理だろうなぁと思っての来店である。

明るい時間に見てみると、前回と同じ場所に居たそのM2がまとっていたボディカラー「ロングビーチブルー」は青と緑の間のような不思議な色合いで光っていた。
とりあえずは遠間から見て、そのうち自分を見つけた店員さんが出てきてくれるだろう作戦を展開。徐々に事務所スペースから見える場所に移動しながら眺めていると、そのうち中から人が出てきて話を伺う事に。

と言ってもクルマ本体の情報なんてのはカーセンサーを見ればほとんど分かる話であって、問題は購入にあたっての下取りとローンの話なのである。

で、とりあえずは運転席に座らせてもらってエンジンをかけてもらうみたいなクルマ見に行ったあるある的なことをしてもらい、実際にじゃあ今これに乗り換えるとしたらどうなるかの話を聞いてみて、結局はシビックの下取り価格がどうなるかでほぼ決まると言っても過言ではないので、その話を聞いてみたりした。

査定の結果「あれ、これいけるんじゃないか?」という金額が出てきてしまい、じゃあもしその下取り価格でM2の方の見積もりしたらどうなりますか?ともう一歩進んだ話を聞いてみた。

で「あれ?これもしかして本当にいけるやつか?」とこれまたクルマ買いに行ったあるあるで勝手に盛り上がってしまい、もうその場で全部決まる勢いになってきたので、もうここまで来たのであればローンの仮審査もしてしまう事にした。
その時点で時間切れ。このあとは予定があったので一旦帰宅し、仮審査の結果は電話で連絡をもらう事にした。

その日の夜、21時くらいだったか、電話が鳴り、仮審査が通ったという。
「!?」
あれ、もうこれは完全に買う流れになったなと思い、さらにもうひとつ追い討ちをかけるような事が起こった。
「実はこのM2を見に来た方がいらっしゃいまして、他の者が対応したのですが、ほぼ買うつもりになっておりました」
と。

その時点ではまだ内金を支払ったり契約書を書いたりはしていなかったので、このような中古車の購入は早い者勝ちが常と言う事で「どうしますか?」との事になった。どうしよう。

しかしこういう言葉がある。
「男の仕事の8割は決断だ。そこから先はおまけみたいなもんだ」
ハードボイルドを絵に描いたような男、鳴海荘吉の言葉である。
その通りだと自分も思う。

今までのやり取りの中でどうにも自分の中でクルマを乗り換えるための理由づけをしてきたように思う。
しかし本当にそうしたいという家庭の事情的なものも本当にあるにはあって、やっぱりもう決めてしまおうとその時思った。
こうなったらとにかく急がないと気持ちが速ってしまう。
「今から行って書類書いたりできますかね」
と聞いてみると、
「そちらが構わないのではあればうちは大丈夫ですよ」
との事だったので、急いで着替えてクルマ屋へと向かった。

到着すると準備をして待ってくれていた担当の方がコーヒーを淹れてくれて、そこから1時間以上かけて書類を書いたりして、このクルマの所有権は自分のものになった。

ああ、本当に買ってしまったんだな、夢だったクルマを。
なんか頭がふわふわする、実感がないってこういう事なんだろうなと思う。

2023年の12月の中旬くらい。年末の休業期間に入るまでは少し時間がある。
納車は年内に間に合わせると言う。

やっぱりクルマって、見に行ったら決めちゃうんだな、怖っ。

次回は納車までの期間の話になると思います。

それではいつかまた、ごきげんよう。

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