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青春の日々

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独身時代にしたためたエッセイ集。がむしゃらで、痛々しくて、それはそれは輝いていた。
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記事一覧

風になった猫

 実家の猫が死んだ。うちには猫がきょうだいで3匹いたが、昨年2匹立て続けに死に、最後の1匹…

家族という選択肢はまだ残っているか

 「家族」に関する話題が苦手だ。自分の家族になんの思い入れもなく、どちらかといえば意識的…

部外者の言い訳と羨望

「どこで暮らすか」は、わたしにとって大きなテーマだ。「どんな仕事をするか」「どんな生き方…

歪んだ青春を送ったわたしへ

「歪んだ青春を送った人に読んでほしいんだ」。そうおすすめされ、貸してもらった漫画『ぼくは…

ホッピーで酔いどれ春うらら

 親族から紹介を受け、ご両親とも挨拶を済ませた“初対面の”男子とのデートは、どぜう鍋であ…

親に褒められないように生きてきた

 我が家族の関係性は、あくまでわたしの周りの友人家族と比べると、少し変わっているらしい。…

おひとりさまデート備忘録

 ひとりを愛せる女でよかった。そう思えるまでに、わたしは成長した。数年前までなかなか重度のメンヘラを拗らせていたので、非常に感慨深いことである。  執着にまみれた血みどろの恋愛から足を洗って久しい。ズタズタになったのは心だけで済んだが(と思いたい)、治癒するには時間がかかった。しかし、世の中に発生するだいたいの色恋問題は時間が解決するものだ。時間は確かに要したが、ひとりが長ければ長いほど、ひとりへの愛も深まってゆく。  今となっては、行きたいと願えばどこへでもひとりで行け

自分の手で開けたピアス穴

 先日30代突入の願掛けとしてインナーカラーを入れた話を書いたら、27歳の誕生日にも願掛け的…

もらいものに生かされている

今年の冬は野菜が大豊作らしい。 毎日のように大根や白菜が届く。 それらをありがたく鍋にして…

芯から温まる一通のクリスマスカード

こんなにもテンションの上がらないクリスマス、年末年始シーズンがあっただろうか。 季節イベ…

“期待”という夢からの目覚め、歩きだす準備

先日、「システム思考」にまつわるワークをした。 システム思考とは、すべての事象は原因と結…

欲に耳を傾けた1年

1年を振り返るにはまだ少し早いだろうか。 まあ、ここ数ヶ月は時の流れが異常に速いので、十二…

17歳の生きる刹那に思う

初めて、教壇に立った。 とはいっても、ほんとうに物理的に「立った」というだけで、なにかを…

今なら自分を好きになれる

ごく稀に、自分のことを好きだと思える。 それは1ヶ月に1回あるかないか、あったとしても、腹の底でじんわり「今のわたし、なんかいいじゃん」と感じるだけで持続はしない。 その間だいたい15秒程度で、またすぐに「いやでもわたしなんて…」とうじうじモードに戻るのが常だ。 昨夜ひっそりと、超絶小粒な成功体験を積んだ。 とある小説を2時間足らずで一気に読み切ったのだ。 夕食を済ませ、いつもなら録画したテレビドラマを見ながら飲酒をするところ、ふと思い立ってベッドの中で本を読む選択をした。