『一貫連携教育・立教学院清里環境ボランティアキャンプ』4年振り17回目の開催!
立教学院の夏の風物詩となっている清里環境ボランティアキャンプ。2020年からコロナ禍の影響で中止となっていましたが、今年度は8月17日(木)~19日(土)の2泊3日で、4年振り(17回目)。小学生から大学生、教職員スタッフ、総勢75名が参加しました。
キャンプは、雄大な八ヶ岳連峰のふもとに広がる山梨県清里高原で行われます。
日本のボランティア活動の礎を築いたといわれている元立教大学教授、ポール・ラッシュ博士の精神に学びながら、同博士が開設した山梨県清里のキープ協会のご協力を得て、自然に触れることで環境への学びを深め、キープ協会周辺で様々な環境ボランティア活動を行うものです。年齢や学校をミックスした小・中・高校生と大学生で構成されるグループを作り、そのグループ毎に活動し、豊かな自然の中で、自然環境の保護と働きを実際に体験しながら「共に生きる力を育てる」ことを学びます。キープ協会環境教育事業部のレンジャーのご指導のもとに行う環境ボランティア活動やフィールド散策の他、星空観察やレクリエーションなど、非日常の体験を共有も。
大学生は、各学校から参加している教職員スタッフと協力しながら、各グループをまとめたり、全体運営を行うキャンプリーダーとしての役割を担います。
開催までの道のり
リーダーとして活動する大学生は、事前に4回の学生研修に参加します。
キャンプ参加者の半数は小学生。ちょっと目を離すと好きなことを始めてしまうこともあります。初回の研修では、そんな小学生の学校での日常の様子を立教小学校の米田先生からお話しいただき、キャンプリーダーとして心がけること等についてグループワークを通して学びました。
2回目の研修では、今回のキャンプのディレクター(ボランティアセンター長)である中川チャプレンから立教と清里、キープ協会とのつながりについて学び、また、実際にフィールドでの作業でお世話になるキープ協会レンジャーの関根さんからは、環境ボランティア活動における大学生の役割について学びました。
その後の研修では、2泊3日のキャンプ中に大学生が中心となって行うアイスブレイク・レクリエーションなどの企画、目標づくり&ふりかえりについて、グループごとの役割に沿って、具体的に準備を進めました。
途中で、「小学生が楽しく参加できる内容か」「そのネタは小学生には通じないかも」等々、先生方からのご指摘やアドバイスをいただき、その内容を踏まえ、遅くまで何度も案を練り直す場面もありましたが、やはり、ここは子どもが好きな参加メンバーの集まり!う~ん、、、と言いながらも、こうしたらもっと子どもたちが楽しめるんじゃないかと、とことん話し合い作り込んでいました。
また、「キャンプのしおり」も作成しました。グループごとの紹介や、持ち物や行程表などの他に、キャンプ中に行う礼拝のための礼拝式文や聖歌も記載されました。
キャンプでは
4つのグループ(各16~17名)は、「Glänz(グランツ)」「アモーレ」「しろくま」「にじいろ」と名付けられ、各グループの役割に沿って事前に準備してきたプログラムが進められていきました。
初日は、グループごとにキャンプ中の目標を話し合い、模造紙にまとめて発表しました。最終日には、この目標をもとに3日間をふりかえりました。
環境整備ボランティア作業
キャンプ場近くには、時間と体力に合わせて選べる自然歩道(トレイル)が整備されていて、訪れた人たちが、森林浴、自然観察、トレッキング、バードウォッチングなどを楽しめるようになっています。
今回の清里環境ボランティアキャンプでは、比較的平坦な森を歩きながら、自然観察を楽しむことができる自然歩道「カラマツの小径」を整備するという活動を行ないました。
雪解け水や雨水による水たまりやぬかるみで歩きにくくなり整備が必要となった場所へ、グループごとに移動し、雨水でぬかるんでいる場所の水はけを良くして、歩きやすいように小さな橋をかけたり、木のチップを運んで埋めていったり、柵を作ったり…という作業です。
日頃あまり馴染みのないスコップ、一輪車、ノコギリ、木槌などを使い、泥だらけになりながら行う活動は、初めは容易ではありませんでしたが、作業を行っている途中に、観光客の方が通って声をかけてくださると、自分たちが整備している小径が、この場所を訪れるたくさんの人々のためになっているということを感じられました。
参加者の声(抜粋)
(小学生)
もっと整備をしたい。4泊5日くらいが良いと思った。
清里の星空が綺麗だった。アイスクリームはとっても美味しい。とっても楽しいから来年も参加する。
人が安全に使えるよう道を整備してうれしかった。家族より深い絆を築いた。
(中学生)
縦の繋がりの大切さを学ぶことができた。また、自分の小学生の時からの成長も感じることができた。(小学生の頃も参加した生徒より)
仲間と一緒に「道」を歩くことの楽しさ、達成感を学んだ。また、学年、学校を超えて関わることができ、良い経験になった。
(高校生)
固い絆、熱い友情が生まれました!人との関わり方をよく考える機会にもなり、そして何よりも楽しかったです。
これほど日常に礼拝がある生活は初めてでした。礼拝によって普段見落としてしまうようなことも考える機会が得られて良かったです。
(大学生)
チームメンバーで協力することの重要性について学んだ。リーダーとして、みんなをまとめる「リーダーシップ」の重要性についても学ぶことができた。今回このボランティアキャンプに参加をしてとても良かったと思っている。
素直でいること、いろんなことを真っすぐに受け止め五感を使って沢山発見することの素晴らしさ。中高生はとても頼りになり、小学生もたくましく、積極的に動いてくれることに驚き感動した。
小学生の物事の吸収力や発想力を実感する機会となった。
最後に
こうして、2023年度の清里環境ボランティアキャンプも全員参加で無事に終えることができました。天気予報を見ながら柔軟にスケジュール調整のご対応いただいたキープ協会の方々、プログラムに関わっていただいた皆さまに心より感謝いたします。
とにかく小学生の感性とパワーはすごい!とみんな口をそろえて言っていました。
大学生は、様々なプログラムの合間に、食事や入浴、就寝の声かけ、そしてみんなが寝静まった頃に、小学生の日記へのコメントを書いて…ということも行っていました。いつもとは違う環境ではしゃぎ回る子どもたちをまとめる大変さもこのキャンプの醍醐味ですが、帰りのバスでは寝落ちも続出(笑)
寝食を共にすることで、日頃気づくことのできない仲間の「よさ」に触れたり、心からの笑顔や学校では見られない仲間や自分の意外な一面も発見し、キャンプ自体を楽しむと同時にコミュニケーションを学ぶうえで大変意義ある体験になったのではないかと思います。
中には、小学生の頃からこのキャンプに参加していて、大学生になって今度はキャンプリーダーとして参加するという学生もいる、リピーターファンも多いプログラムです。
興味をもった方は、ぜひ来年度以降の参加をご検討ください!