見出し画像

【要点まとめ】『自分でできる子に育つ ほめ方・叱り方』

現役保育士・日本語教師オススメ本
『モンテッソーリ教育、レッジョ・エミリア教育を知り尽くしたオックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方・𠮟り方』

ベストセラーとなったこの本。
もう読んだ方も多いと思いますが、子どもに関わる仕事をしている自分の備忘録としても残しておきたかったので、今回まとめてみました。

全部実践するのは難しくても(保育士でも、いつでも理想のほめ方・𠮟り方ができるわけではありません・・・)家庭での子育ての中に、実践できそうなエッセンスを意識するだけでも、関わりの質が上がるかもしれません。

この本、今ならKindle Unlimited(読み放題)対象です。
Kindle Unlimitedに登録すると、30日間無料で200万冊以上が読み放題!
この本も対象になっているので(2022年10月現在)登録してからぜひ読んでみてください。

この本の「ほめ方・叱り方」は3~12歳対象

モンテッソーリ教育も、レッジョ・エミリア教育も、子ども一人一人を「生まれながらに権利を持った一市民」としてみなします。

大人のエゴのためではない、子どものための「ほめ方・叱り方」を心掛けた教育とは?
大人の期待や評価を押し付けない子育てとは?

普段何気なく言っている「ほめ方・𠮟り方」の口ぐせを意識して少し変えるだけで、子どもとよりつながることができます

なお、モンテッソーリ教育における0~6歳児の子育てについてはコチラも参考にしてください。

子育てにおける2パターンの接し方

  1. 条件つきの接し方(条件つき子育て)
    子どもの行動の良しあしによって、ご褒美や罰を使いながら、愛情の注ぎ加減を調整し、行動をコントロールしようとする

  2. 無条件の接し方(無条件子育て)
    行動の良しあしにかかわらず愛情を注ぎ、子どもの気持ちの寄り添う

「条件つき子育て」の怖いデメリット

  • 短期的にしか効果がない
    あくまでも一時的に親にとって都合のいい子になるだけ

  • 条件つきの自己肯定感しか持てなくなる
    外的な承認によって自己評価が左右される

  • 親子関係が悪くなる
    条件付きで育てられた子どもは親に拒絶されたと感じることが多く、その結果、親子関係が悪化することがある

  • 世代を超えて、引き継がれる
    自分が親からされたことはネガティブなものであったと認識していても、自分の子どもに対して同じ手法を使ってしまう場合が多い

「無条件子育て」にするためには

※「無条件子育て」とは
「子どもに好き放題させる・無条件に子どもの言うことを聞く」ではない!

  • ほめ方・𠮟り方に気を付ける
    能力や見た目に集中した声掛けを避ける
    努力やプロセスに言及したり、子どもの行動について具体的に声をかけたりすることが重要

  • 子どもに対するイメージを見直す
    親が「子ども」というものに持っているイメージが、親の行動の根源となる
    「子どもは一人で何もできない存在」と思っていたら…
    →つい手を出し過ぎてしまったり、何事にも「危ない」と過保護になる
    「子どもは大人の言うことを聞くべき存在」と思っていたら…
    →大人の意見や価値観を押し付け、行動をコントロールしがちになる
    大人の勝手な固定観念は、子どもの選択肢を狭め、経験を制限してしまう可能性もあることを意識する

  • 子どもにとって、良きリーダーでいる
    ✕有無を言わさず子どもを上から支配する独裁的スタイル
    ✕子どもの要求をリミットなしで受け入れる消極的スタイル
    子どもに向き合い、気持ちに寄り添いながらも、
     必要な制限を設け、子どもに道しるべを示す

  • 子どもへの要求を考え直してみる
    年齢によって、できることも期待していいことも異なるため、成長段階に合わない要求はしない
    「子どもを信じる」ことと「子どもに非現実的な期待をもつ」ことは全く違う

  • 子育ての長期的なゴールをもつ
    普段の自分の行動が、子育ての長期的なゴールにいかに貢献しているか、あるいは子どもの成長の邪魔になっているのか、意識して考える

ほめ方

「ほめる」とは
「他者の成果やパフォーマンス、あるいは特性に対するポジティブな評価のこと」
つまり評価している側の人の主観で、相手の良しあしを決めること

3種類のほめ方 - 理想のほめ方は!?

  1. おざなりほめ
    具体性に欠ける、中身のない表面的なほめ方
    「すごいね!」「上手!」

  2. 人中心ほめ
    性格や能力、外見など表面上の特徴を中心にほめる
    「優しいね」「頭がいいね」「かわいいね」

  3. プロセスほめ
    努力、過程、試行錯誤した手順を中心にほめる

    「がんばって最後までやりきったね」
    「失敗してもあきらめなかったね」

→「3.プロセスほめ」をしましょう!
※ただし、本当にすごいと思ったら、「すごい!」もOK

ほめる時の3つのポイント

  1. 成果よりもプロセス(努力・姿勢・やり方)をほめる
    能力や性格ではなく、取り組んでいる家庭での努力や挑戦した姿勢、やり方を工夫した点などに注目し、励ましてあげる

  2. もっと具体的にほめる
    具体的なフィードバックをもらったほうが、次のパフォーマンスに向けてのモチベーションが自然と上がる

  3. もっと質問する
    「はい・いいえ」で答えられる質問でなく、自由回答形式の質問で会話のキャッチボールをする

字が上手に書けたとき
✕「才能あるね!」
○「すごく集中して何度も書いていたね!

発表会などがうまくいったとき
✕「すごいよかったよ!」
○「毎日たくさん練習していたもんね

叱り方

罰を与える叱り方がNGな理由

  • より攻撃的、反発的な態度を生み出す
    自分に罰を与える人に怒りを覚え、そのフラストレーションをより反抗的な行動になる

  • 力を使った問題解決法が正当化される
    暴力や圧力で問題が解決できるというメッセージを送っていることになる

  • 親子関係にヒビが入る
    親が信頼できない相手だと思えば、子どもは心を閉ざす

  • 罰を与えても反省を促さない
    罰を受けた子どもは、次は罰をいかに逃れるかということに意識が向くため、自分の行動のどこに問題があったかを考えない

上手な𠮟り方の4つのポイント

  1. 「だめ!」「違う!」をできるだけ使わない
    緊急事態ではOKだが、他の場面ではなるべく使わない
    「そうだったんだね」「わかるよ」から始める
    子どもが何をしたかったのか、何を言いたかったのかありのままの子どもを受け入れた上で手の差し伸べる
    ただし、それは、わがままを丸呑みするということではない

  2. 結果ではなく、努力やプロセスに目を向ける
    結果に至るまでの努力ややり方に対して、ネガティブな評価なしに具体的にフィードバックを与える

  3. 良くない行動の理由を説明する
    子どもがとった行動が、子ども自身あるいは他者に「いかに影響を与えるか」というモラルに焦点を置きながら、具体的に説明する

  4. 親の気持ちを正直に伝える
    「わたしメッセージ(I メッセージ)」とは、相手を批判したり否定したりせずに「私」の気持ちを中心にコミュニケーションをとる方法
    「あなたメッセージ(You メッセージ)」は、受け手側が「責められた」と感じやすく、攻撃的になったり言いわけをしたりと、自己防衛の反応をとりやすい

I メッセージで伝える
✕「うるさい、やめなさい」
○「蹴るのを見るとママは悲しい気持ちになるよ」 

友達と叩いたとき
✕「なんでそんな意地悪するの!」
○「お友達に「オモチャ返して」って言う練習しようか
○「お友達が痛いから、ママがここに座って止めるね」 

なかなか宿題をしないとき
✕「ゲームばっかりしてないで、早く宿題やりなさい」
○「この前ごはんの前に宿題やったとき、頑張ってたよね

 

子どもとつながる聞く習慣「アクティブ・リスニング」

子どもたちがコミュニケーション力を学ぶ最初の場所は家庭。
子どもは「親に認めてもらっている」と感じることで心を開きます。
対話を継続していくためにも、関係向上のためにも、「わたしはあなたを認めているよ」というメッセージを子どもに伝えていくことが重要。

子どもの話をしっかり聴く「アクティブ・リスニング」も大切なコミュニケーションのひとつ

アクティブ・リスニングの4つのポイント

  1. ボディランゲージ(表情・アイコンタクト・姿勢)
    相手への興味や関心をしめすために、ボディランゲージにおけるSOLRE原則という基本動作を覚えておく
    S = Square(真っ正面):相手の正面に座る
    O = Open(オープンな姿勢):足や腕を組んだり、手遊びをしたりしない
    L = Lean(もたれる):相手に体を傾ける
    E = Eye contact(アイコンタクト):相手と目を合わせる
    R = Relax( リラックス):ソワソワせずに、落ち着きを保つ

  2. 無条件の受容精神(興味・態度・信頼・分離)
    心から相手の話を聞き、無条件に受け止めるという心構えが重要
    ・子どもの話に心から興味をもつ
    ・子どもの気持ちを真摯に受け止める
    ・子どもを信頼する
    ・子どもを一人の個人として、自分と切り離して考える

  3. 反映力(反復・言い換え・明確化・要約)
    話し手の気持ちや問題を反復・要約しながら、いかに相手の話を同じ温度で理解しているかを確認するプロセス
    自分の意見や評価、アドバイスを伝えたりしない

  4. コミュニケーションのバリケードに気を付ける
    ・ジャッジしない
    ・解決してあげようとしない
    ・話をそらさない

子どもとぶつかる7つの習慣

①批判する
②責める
③文句を言う
④脅す
⑤罰する
⑥目先の褒美で行動をコントロールする
⑦がみがみ小言を言う

ぶつかる習慣の共通点は、子どもを外側から大人の都合のいいようにコントロールしようとしているところにある

子どもとつながる7つの習慣

①応援する
②励ます
③傾聴する(アクティブ・リスニング)
④信頼する
⑤尊重する
⑥違いを話し合う
⑦受け入れる

「おわりに 無理しない子育てを!」より

著者:島村華子さんの、最後のお母さんたちへのメッセージが温かく、普段子どもに関わる仕事をしているわたしにも、じんわりきました。
そこから抜粋して、普段がんばっているお母さんへのメッセージを。

「母親たるもの、こうしないと」とプレッシャーを感じすぎなくていい!
「母乳で育てないと」「家事もしっかりしないと」などなど、実際に仕事と子育ての両立で焦ったり罪悪感を感じたりすることもありますよね。
でも、少しくらい手を抜いても大丈夫。
ストレスを感じている母親と一緒に時間を過ごす方が、子どもの心にネガティブな影響があるという研究もあります。
カンペキな子育てより母親自身が「幸せ」「満足度が高い」状態であることの方が大切ですよ。

「子どもとの時間をなかなか取れない」と心配しているお母さん、
時間の長さより質」です!大丈夫。
3~11歳の子どもたちが両親と過ごす時間の長さは子どもの行動、感情の発達、学習力に大きな影響がない一方、一緒に過ごす時間が短くても、質の高いアクティビティ(会話のやりとりをする、本を一緒に読む、スポーツや工作をするなど)を一緒にした場合、子どもたちの社会性や自己肯定感、さらに忍耐力がより高くなることがわかってるそう。

誰のための子育てなのかを考え、大人の都合を押し付けずに子どもと接することはとても 大切。ただ、全部やろうとしなくてもOK!
親自身の中に湧きでる感情を押し殺して仏のように子どもの行動を受け入る、あるいは受け入れるふりをする必要はないのです。毎回、毎秒、無条件な子育てができる人なんていません。
たまに人中心に子どもをおおげさにほめたり、イライラして叱ったところで、子どもがダメになるわけではないのです。

無理のない範囲で、子どもも親もハッピーになれる子育てをしていきましょう♪

Kindle Unlimited(読み放題)に登録すると、初月無料!
読みたい本だけ読んで、登録解除もOK!
登録はコチラから↓↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?