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15歳、初めての1人海外、セブ島へ🇵🇭

家を出てから帰るまで、完全に1人で旅する、初めての海外。
中学最後の春、フィリピンのセブ島で6週間過ごした。

なぜ行ったのか

そもそも、私が英語を学び始めたきっかけはフィリピンにある。9歳の時に、家族でパラワン島を訪れ、アイランドホッピングに参加した。私たち以外の乗客は、みな欧米から。たくさん話しかけてくれた。けれど、I’m from Japanしか知らなかった当時の私は、何も答えられず、とても悔しい思いをした。コミュニケーションを取れるようになりたい!もっと色んな人と話したい!それが、モチベーションに繋がった。

実は11歳の時にも、同じ語学学校を訪れている。家族で行ったものの、コロナに直撃し、わずか1週間で帰国となってしまった。

このタイミングは残りの権利を使える最後のチャンスだった。
高校受験が早く終わり、すぐに飛行機を取った。卒業式も、友達と過ごせる数週間もなくなってしまうのは、とても辛かった。けれど、友達とは再会すれば、いつでも前の関係に戻れる、自分を成長させられるのは今しかない、と心に決めた。東京で色んな人に会いたかったし、休みを使って旅することも考えてはいた。それでも、自分で行くことを選んだ以上、後悔は絶対にしたくなかった。

到着まで

私は東京ーマニラーセブのフライトを選択したため、マニラ空港で夜中を過ごすことになった。ターミナル間の移動には、バスも含めて30分以上かかり、ロビーも治安が良さそうとは言えない。給水機のお水はあまり美味しくない。wifiが思い通りに接続できたのはせめてもの救いだったが、直行便を利用することをお勧めしたい。
ただ、今後もアジアを旅したいと思っている私にとっては、耐性がつく良い機会だったと思う。
待っている間は、フィリピン系カナダ人のバックパッカーと話していた。今はカザフスタンに拠点を置いているエンジニアで、2ヶ月働いて1ヶ月旅に出るらしい。すでに90カ国以上訪れていて、一番は決められないと言っていた。人生のどこかでそんなライフスタイルに挑戦したいと思う。
早朝に到着したので、空港からのドライブで朝焼けを楽しむことができた。

機内から

英語のお勉強

参考までに、留学前の私の英語力をお伝えしたい。
共通テスト9割とれるくらいで、洋画は基本そのままで楽しめる。
塾には特に通ったことがないので、オンライン英会話やYoutubeで学んだ。
だが、英語が日常的な環境で過ごしたことのない私に取っては『雑談力』が大きな課題だった。デンマークのサイエンスキャンプで、会話についていけず、とても悔しかったのは記憶に新しい。また、海外大学へサイエンス分野で進学を目指しているため、アカデミックなレベルには到底届いていないと感じていた。
そのため、今回は難しいテーマでのディスカッションやwritingを強化したいと考えていた。

1日に8コマ、それぞれ45分。
各教科にテキストがあって、内2コマがグループレッスン。
雑談から入るため、そのまま終わってしまうこともあった。特に、文化の違いや人生の話をしていると勉強している気がせず、あっという間に時間がたった。
私がよく指摘されたのは以下のとおりだ。
・RとLの発音
・時制の文法が混ざっている
・宿題忘れ…

宿題が普通に多かった><

よく印象に残っているのは、ディスカッションの授業だ。
かなりセンシティブな話題(Death penaltyやRapeなど)で、必ず意見が求められるので、英語力でも精神的にも辛かった。韓国人や中国人の親世代のクラスメイトの考えは新鮮で、ショックを受ける時も、思わず笑ってしまうこともあった。一番はやはりフィリピン人の先生で、厳格なカソリックの教徒なのもあり、その価値観を織り交ぜ攻めた意見をズバズバ言ってくる。フィシリテーションはとても上手く、常にOpen your mindを求められ本音で話せるようになった。
なんと20歳の息子さんに彼女を作ることを許していないそう…(結婚するまでダメだとか笑どうやって結婚するんだろう)

2週間くらい経った時、文学でしか使われないような文法の授業で、難しくてわからず、ホームシックになりかけていたのもあって、突然泣き出してしまった。先生がお母さんのように(実際に私と同い年の息子さんがいる)優しく受け止めてくれたので、落ち着いたが、強気で臨んでいた私にとって、そんな気持ちになったことが驚きだった。自分の弱い部分に気がつくことができ、それを認めてあげることの大切さを知った。

生活について

最初の1週間は水が合わなかったのか、肌が荒れてしまいとても焦った。水圧も弱く、停電が起こりがちなので、忍耐力がついたかもしれない。

食事は基本的に油っぽく、しょっぱく、甘すぎる。たくさんのお米を味の濃いおかず(ほぼお肉で野菜がないに等しい)で食べるのが一般的らしい。日本で半分ベジタリアンのような食生活で、タンパク質源は豆腐だった私に取っては、適応するまでに時間がかかった。ビタミンを補うために、マーケットでマンゴーやアボカドなどのフルーツを買い込んでなんとか凌いだ。

割と野菜多めな朝食



レッスンルームは、エアコンがガンガンついているため、とても乾燥している。ビタミンCが豊富で、小さいライムのような見た目のカラマンシーでデトックスウォーターを作り、喉の回復を図った。困ることがあったら、先生に聞くことがいちばんの近道だ。

未成年のため、1人では外出できない。たとえ目の前のコンビニでも、誰か大人と一緒に行かなければならない。ストリートドッグは狂犬病の可能性があるから、気をつけなければならないし、声をかけてくる現地人を気にしないようにするにはストレスが溜まる。こういう場面で日本の居心地の良さを実感するものの、どこへ行っても『アンニョン』としか言われず、少し悲しかった。

プチ旅行

土日やイースターホリデーを利用して、2回外泊をした。
1度目は、韓国人のクラスメイトにおすすめされたComotes Islandで、港からフェリーで2時間程度で到着。日帰りもできるものの、小さな子どものいる家族と出かけたので、一泊することを選んだ。
森の中をトライシクルで走っていると、かなりしっかりした造りの豪邸が突然現れたり、かと思ったらバナナの葉を屋根にしている集落を見かけたり。本当に後悔しているのは、ラッシュガードを忘れてしまったこと!背中の日焼けがひどく、3日は痛みが続いた…

バイクでボックスを繋いで走るイメージのトライシクル

2度目は、空港のあるマクタン島へ。リゾートホテルに宿泊したため、プールやビーチで一日中遊んで過ごした。ホテルのビュッフェでSushiコーナーがあったものの、魚は一切なかった。飾りのパパイヤがあり、私は食べたことがなかったので、シェフに『こんなふうに切れるなんてすごいね!』と声をかけてみると、特別に食べれるようにカットして渡してくれた。なんでもとりあえず言ってみるものだなと思った。

お隣さん

学校の隣には、大きな庭のあるお家があった。ピカピカの車と大きなバイクがあったので、先生によるとかなりリッチなご家庭らしい。
ココナッツの木が生えていて、それがいつも塀の奥に見えたので、門が開いていた時に思い切って声をかけてみた。
『素敵なお庭ですね!ココナッツの木の写真をとっても良いですか?』
今まで話しかけてくる外国人はいなかったらしく、嬉しそうにココナッツを食べるように勧めてくれた。長い棒を持って、木から落とす。採れたて10秒のココナッツは、優しい甘味でとてもおいしかった。

ココナッツとジャックフルーツ


2度目に折り紙を持って訪れたときは、ジャックフルーツも振る舞ってくれた。フルーツの王様と言われ、栄養価がとても高いらしい。花びらのような果肉で、独特な香りがするが、少し食べる分には良い味だった。
バナナの木や平飼いの鶏肉(野生らしくよく飛んで塀を超えてくる)も敷地内にあり、自足自給もできそうな様子だった。

帰国前に思うこと

ここまでは、帰りのフライトまでの待ち時間で書いてきた。
フィリピンは何をするにもとにかく時間がかかる。コーヒーとマフィンを注文したら、後からドーナツだけを頼んだ人が優先され、まとめて会計しようとすると確認だとかで15分くらい待たされることも普通だ。空港のイミグレ待ちの長蛇の列や、チェックインカウンターに30分以上誰も来なかった時は、話し相手もいなかったので気が紛れず、とてもイライラしてしまった。日本はそういったマニュアルが当たり前なことに感謝したいなと思う。

何においてもゼロか100だと聞いていたが、本当にそうだった。
私の場合、感覚過敏気味なので、大きすぎるヴォリュームのせいでカフェテリアに近づけなかったり、寒すぎるエアコンで風邪をひきかけ、外のツリーハウスでレッスンをお願いしたりした。中には同じように感じている先生もいたものの、フィリピンでは満足しない人がいるため、そちらに合わせるのが普通らしい。ガソリン代も電気代もすごく高いのに!全部過剰にするから、豊かになれないのだと冗談混じりに言っていた。

セブの夜景

それでも、色々諦めて1ヶ月半の滞在をした価値はあったと思う。
みんなが必死に生きている。建設現場がたくさんあって、活気が感じられる。どこにでもゴミが落ちていて、それが日常になってしまったことに危機感を覚える。食生活のせいで、60歳まで生きることを想像できないという言葉にハッとさせられる。多くのフィリピン人がアニメを観て育ったと聞いて誇らしくなる。10歳の韓国人の男の子の賢さ、英語力に気がついて焦る。

辛いことも多かったからこそ、学びの多い時間になった。
これからも、こうやって色んなところを訪れて、旅をしたいと思う。




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