「国際女性デー2019」 子宮頸がんから日本人女性の命と健康を守るために医療者たちからのメッセージ

国際女性デーに際し、日本医師会会長の横倉義武氏、日本産婦人科医会会長の木下勝之氏をはじめとする日本の医療界を代表する方々より、子宮頸がんから日本人女性の命と健康を守るためのメッセージが多数寄せられました。2018年ノーベル医学賞受賞の本庶佑氏が、ストックホルムでの記者会見横倉先生との対談で発表したメッセージ等も紹介されました。

石渡 勇 (産婦人科医・日本産婦人科医会副会長)
池田修一氏は、村中璃子氏の主張を否定するのであれば、科学的に学会の場で反証すべきである。法廷は科学論争の場ではありません。

峯 眞人 (小児科医・彩の国予防接種推進協議会会長)
子宮頸がんは VPD(Vaccine Preventable Diseases の略。「ワクチンで防げる病気」)です。対象年齢の女子全員が無料で受けることができる定期接種ワクチンです。十分な効果と安全性が確保されているからこそ定期接種なのです。HPV ワクチンで守れる命は絶対に守らねばなりません。

勝俣 範之 (腫瘍内科医・日本医大武蔵小杉病院腫瘍内科教授)
HPV ワクチンに関する最新のエビデンスからしても、報告されている有害事象と HPV ワクチン接種の因果関係は明らかではありません。政府はこのことを公表し、ワクチン勧奨の見直しを検討すべき。

細部 千晴 (小児科医・細部小児科クリニック院長)
定期接種の位置付けを変えず、積極的に接種を勧めないという説明では保護者が不安になるばかり。「国や自治体は十分な情報を提供した」との主張は不誠実。マザーキラーと称される子宮頸がんをなくすまで声をあげます。

高橋 幸子 (産婦人科医)
この逆風の中、それでも娘さんを連れてきてくれるのは、ご自身が子宮がん検診でヒヤッとしたことのあるお母さんたちです。男女ともに 6 つのがんを予防するワクチン。接種の機会は保障される必要があります。

村中 璃子 (医師・ジャーナリスト・2017 年ジョン・マドックス賞受賞)
「HPV ワクチンは危険」はニセ科学者と反ワクチン団体の流したフェイクニュースです。不安を煽る映像と訴訟を用いた反ワクチン運動に、国もメディアも屈した日本。大切な家族や友人を守るため、医師たちの科学に基づく声に耳を傾けて

横倉 義武 (医師・日本医師会長)
子宮頸がんは予防が可能ながんと言われながら、日本では毎年子宮頸がんに罹る女性、亡くなる女性が増えています。“守れる命は守る”という医師の使命を果たすため、HPV ワクチンの接種を促し、女性の命、未来を守っていきましょう。

木下 勝之 (医師・日本産婦人科医会会長)
HPV ワクチン接種後の多様な症状とワクチン接種の関係を科学的に証明するエビデンスは確立されていません。子宮頸癌が増加しているなか、HPV ワクチンの積極的な接種勧奨が早期に再開されることを強く要望する。メディアは正確な情報を発信して欲しい。

岩田 敏 (医師・予防接種推進専門協議会委員長、国立がん研究センター中央病院感染症部長)
子宮頸がんは赤ちゃんを産みたい世代の女性に発症するがんで、妊孕性と生命予後の両方に直結しています。唯一の予防法は HPV ワクチンの接種と検診ですが、わが国ではどちらも積極的には受けられておりません。日本人女性の皆さん、HPV ワクチンの接種と子宮頸がん検診を自らの意志で積極的に受けてください!

吉川 哲史 (医師・藤田医科大学 医学部 小児科学教授)
子宮頸がん発症抑制効果が科学的に証明されている、HPV ワクチン接種勧奨が再開されることを望みます。

尾内 一信 (医師・一般社団法人日本渡航医学会 理事長)
わが国において HPV ワクチンに対する正しい理解が進み、HPV ワクチンの副反応に対する冷静な対応ができるようになることを期待しています。そして1日も早く HPV ワクチンの積極的勧奨が再開されて、日本においても子宮頸がんの予防が進むことを祈っております。

金子 明寛 (歯科医師・一般社団法人 日本歯科薬物療法学会理事長)
歯科からもお願いします。がんを引き起こす可能性のある口腔 HPV 感染は HPV ワクチン接種で減少します。HPV 関連口腔がんもワクチンにより発生率が低下することが期待されます。

吉田 正樹 (医師・日本環境感染学会理事長)
HPV の感染自体を予防して前がん病変・子宮頸がんを発生させないようにする(一次予防)のがHPV ワクチンです。現在使用可能な HPV ワクチンは約 6~7割を予防できると考えられています。ワクチン接種と子宮頸がん検診の両方による予防が最も効果的です。

志村 研太郎 (医師・一般社団法人 大阪産婦人科医会会長)
約 10 年以前、妊婦へのインフルエンザワクチンは禁忌とされていましたが、世界の常識に従って、ようやく妊婦への接種が推奨されるに至りました。HPV ワクチンについても、多くの若い女性の生命とその妊娠能力の保持のために、日本における非常識な対応の遅れが世界標準に早急に追いつく
ことを切望します

菅谷 明則 (医師・NPO 法人 VPD を知って、子どもを守ろうの会理事長)
予防接種は公衆衛生学的に最も有用な手段であり、社会規範のひとつです。HPV ワクチンが医学的な理由以外で接種されていない現状は、社会全体の損失であり、早急にワクチンを受けられる社会にしなければなりません。

中山 義雄 (医師・予防接種を推進する会・ちば代表)
厚生労働省は医学界からの科学的エビデンスおよび提言に、真剣に向き合って政策を立てるべきです。最大の犠牲者は、非積極的勧奨のためにワクチンを受けなかった女性が将来子宮頸がんになってしまった方々です。

宮城 悦子 (医師・横浜市立大学産婦人科教授、横浜市立大学付属病院産婦人科部長)
オーストラリアは子宮頸がん検診と HPV ワクチンによる子宮頸がん予防プログラムが奏効している代表的な国で、子宮頸がん撲滅までの予測期間のモデリング研究では、子宮頸がんの年齢調整罹患率は2028 年までに撲滅の閾値を下回ると推計されています。多くの先進国が、検診とワクチンを車の両輪
として子宮頸がん撲滅に向かう中、多くの女性が子宮頸がんで命を落としている日本を、国際社会がどのように見ているか冷静に考えていただきたいと思います。

小澤 信義 (産婦人科医・日本産婦人科医会がん対策委員会委員長)
日本の20代女性の子宮頸癌や前がん病変が増えています。その治療例の約85%は、パピローマウィルスの 16 型、18型感染です。ワクチンの接種を受けていれば、手術を受けずに済んだ人たちです。このままでは、先進国の中で日本の女性だけが HPV 感染が減りません。肝炎ウィルス感染対策と
同様に、パピローマウィルス感染対策が必要です。

岡野 久 (医師・千葉県保険医協会会長)
科学的な立場、医学的な立場でワクチンの有用性を評価し、広く接種を促し VPD を防ぐことは公衆衛生の基本です。政府は HPV ワクチンの「積極的勧奨の差し控え」を撤回し、接種率が上がるよう一日も早い対策を要望します。

戸澤 晃子 (産婦人科医師・聖マリアンナ医科大学)
妊婦健診で子宮頸がんが発覚して赤ちゃんを諦めなければいけない方や、結婚前に病気が見つかり、その後苦労された方を目の当たりにしてきました。その患者さんたちは公にコメントする事はほとんどありません。この事実を伝えこれ以上子宮頸がんで苦しむ方を増やしたくない。素直にそう願います。

加来 隆一 (産婦人科医師・加来産婦人科コンチェルト第二)
結婚を3ヶ月後に控えた初診の方。進行した子宮頸がんと判明。希望で婚約者も同席。婚約者が私の
目の前で君との結婚の意志は絶対に変わらないと話し、こちらの方が感銘。1 年後に来院。破談になっていた。このような女性のいない世界を切に願う。

衣笠 万里 (医師・尼崎医療生協病院)
HPV ワクチンを打ったマウスの脳に障害が起きたというエセ科学によって有効なワクチンへの信頼が損なわれるのは大変不幸なことです。同ワクチンの有効性・安全性は 10 年以上にわたって世界中で確認されています。

宇佐美 宏 (歯科医師・千葉県保険医協会副会長、宇佐美歯科医院)
科学的な言論活動により、科学的に正しい情報を広く提供していくことは、国民の健康と命を守ることにつながります。科学的な考察のもと執筆した記事であったにもかかわらず、今も筆を折られている不条理を早く解決する必要があります。筆は折られても心だけは折られることのないように。

長田 佳世 (産婦人科医師・つくばセントラル病院)
HPV ワクチンの積極的勧奨がされなくなって、若い女性は子宮頸がんについて自分自身の問題として認識する機会も無くなってしまったことを実感しています。早期の再開につながるような裁判所の判断を望みます。

岡 進 (産婦人科医師)
HPV クチンは強制接種では無く、希望者が接種すればよいものです。副作用の起こった人には保障制度も完備されています。何よりも我々産婦人科医が矛盾を感じるのは勇気を出して接種に来る方に時代遅れの 2 価ワクチンを接種しなければ成らない事です。世界では9価ワクチンが主流に成り子宮頚癌
の 90%以上を予防できる時代に成っているのに日本では接種勧奨開始にめどが立たない状況です。このままでは 10 年後には子宮頚癌は日本だけの病気に成ってしまいます。

寺本 勝寛 (産婦人科医・山梨県立中央病院 顧問)
日本では、子宮頸がんは、現在、若年者(25~45 歳)の死亡は、第 1 位であり、他の臓器のがんの中で、唯一、死亡数、死亡率が上昇傾向にあり、近年、若年層で子宮頸がんの罹患、死亡が増加しています。また、見つけにくい子宮頸部腺がんも増加しています。HPV ワクチン接種で若年者の死亡を減
らし、子宮頸がんの 70%以上が予防できます。

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村中璃子 Riko Muranaka

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