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所有権移転登記・暦年贈与(父→子)



はじめに


僕は登記関係の会社で仕事をしている為、多少スムーズに書類を作成することが出来るので今回僕の経験をこちらで共有していきたいと思います。

今回、父(パパ三尊)の土地を子である僕(陸三尊)に所有権移転をします。1年を1月1日~12月31日までを区切りとし、贈与税には年間110万まで非課税になるという法律があるので、これを利用して贈与していきます。

注意点として、
①贈与を受けてから7年以内に贈与した人が亡くなった場合には相続税の課税対象となる。

②毎年同じ日に同じ持ち分を贈与すると定期贈与と見なされ、初年度の基礎控除しか適用されなくなってしまう可能性がある。

③相続税は相続する遺産合計3600万以下であれば掛からないので、その場合は必要なし。

このことから相続する遺産が3600万以上ある人は、なるべく早めに贈与を開始することが重要となります。

②を防ぐには毎年同じ日に贈与で非課税にするのではなく、わざと贈与する持ち分や贈与する日付を変化させ、例えば一年目1月に10分の1を贈与し、次の年は2月に8分の3を贈与したりして変化させることで定期贈与とみなされにくくすることが可能です。



登記とは


土地や建物には「謄本(とうほん)」というその建物や土地の所在、地番、面積や所有者が誰なのかという情報が法務局(役所とは違う)という場所に保管されており、法務局へ行って申請すればそれを紙で発行してくれる。会社の設立なども法務局ですることが出来る。

登記(謄本)があることによって第三者に対抗(証明や主張)が出来るようになります。

登記の申請の代行として権利関係は司法書士、土地や建物の表示関係は土地家屋調査士という資格が存在し、基本的に司法書士事務所に頼めば全ての登記が出来ますが、本人申請で自分でやった方が当然ですが安上がりです。



贈与申請(所有権移転登記)のやり方


贈与とは要は「所有権移転登記」です。今回は贈与者(パパ三尊)から受贈者(陸三尊)に土地の所有権の8分の3を移転する申請を解説していきます。

申請するに当たり、事前に揃える物と自分で作成するものがあるので初めに以下のものを揃えます。


揃えておく物

1.贈与者(パパ三尊)の実印
2.受贈者(陸三尊)の認印
3.贈与者(パパ三尊)の印鑑証明書(役所の住民課で発行する)
4.受贈者(陸三尊)の住民票(役所の住民課で発行する)
5.贈与する土地の課税証明(役所の税務課で発行する)
6.贈与する土地の権利証(登記識別情報)
7.土地謄本(法務局で発行する)

贈与者(パパ三尊)は実印+印鑑証明が必要ですが、受贈者(陸三尊)は実印である必要はありません。

印鑑証明と課税証明は贈与者(パパ三尊)が役所へ行かないと発行できない物なので、もし受贈者(陸三尊)が行く場合は委任状が必要です。



そして以下の書類をA4の紙に印刷し、それぞれ記入や署名し押印していく。

A4用紙に印刷する書類

1.申請書
2.委任状
3.贈与契約書
4.登記原因証明情報
5.原本還付表紙


1.申請書

申請書を印刷し下記のものを書いていく

1.原因 贈与した日付

2.権利者、義務者の住所氏名

3.申請年月日とその隣に○○○○法務局と書く(その不動産の管轄法務局)

4.申請人兼義務者代理人 今回は僕が申請なので住所氏名、押印(認印可)

5.課税価格 役所で取ってきた、課税証明の価格を見て計算する

6.登録免許御税 課税価格を計算したら0.02を掛けて10円単位切り捨て

7.不動産の表示 今回は8分の3を贈与する、他の欄は土地謄本を見て書く

課税価格と登録免許税は計算式を書く必要はありません。
金額だけそれぞれ「金1568000円」「金31300円」と記入します。


2.委任状

次に委任状を印刷し、書いていく。

パソコンで入力しても良いが、出来ればパパ三尊の所は署名にした方が良い。

※パパ三尊の印は実印で押す



3.贈与契約書

贈与契約書-1

これも、パパ三尊と陸三尊のところと贈与する土地持ち分とその情報、日付を変えて頂き、パパ三尊は実印、陸三尊は認印をそれぞれ押していく。

ミスして書いてしまった時は訂正するところに二重線を引き、訂正したものを書く。さらに用紙上部の空いている所にパパ三尊と陸三尊の捨て印をして隣に「〇〇字削除」「〇〇字加入」と記載する。

※これは契約書なので住所氏名は署名の方が良いです。2部作製します。



4.登記原因証明情報

原因証明-1
原因証明2-1

登記原因証明は、贈与契約書の内容が間違いないという確認の書面ですね。これは普通にパソコンで全部入力して大丈夫です。

他と同様に日付や管轄法務局等を記入し、2枚目は贈与する土地を謄本を見ながら記入していきます。

※1枚目と2枚目を2カ所左側でホチキス止めし1枚目を少し折り、1枚目裏と2枚目表に重なる様に割り印をします。



5.原本還付表紙(カラー印刷)

これはカラー印刷します。これの後ろに原本還付する書類のコピー(白黒でOK)を重ねて左側にホチキス止め2カ所をして一枚一枚割り印をしていきます。


原本還付する書類(白黒コピー)

1.登記識別情報
2.贈与契約書
3.印鑑証明書
4.住所証明書
5.評価証明書

登記識別情報とは現在の権利証のことで下のようなものです、実際は12桁のパスワードが目隠しされていますので、目隠しを剥がしてコピーします。



チェックシート

最後にこのチェックシートを見て揃っているか確認する。
これで申請するだけになりました。

申請すると原本還付書類の原本しか戻ってこない為、2年目も贈与する際にはやり方を覚えておくためにも余分にコピーとって保管しておきましょう。

このチェックシートの物全てと原本を贈与する土地の管轄法務局へ申請しに行きます。



法務局へ行ったら


まず、中に入ったら収入印紙を購入します。多分でかでかと看板があるはずなのでそこで購入します。額は申請書の登録免許税欄の金額を購入し申請書に貼ります。

そして権利申請の窓口に行き、所有権移転登記をしたいとの旨を伝え作成した物と原本を一緒に提出します。

もし管轄法務局が遠い場所の場合は本人限定郵便で完了書を受け取りたいと言えば630円で購入できます。

郵送で受け取らない場合は、登記が終わったらまた取りに行く必要があります。



終わりに


以上で所有権移転登記ができます。申請した時に大体7~10日くらいで登記が完了しますみたいな紙が貰えます。本人限定郵便で受け取る場合は郵送待ちです。

自分で取りに行く場合は申請に使った印鑑と身分証明書が必要です。

そうすると、登記完了書と登記識別情報が発行されますが大事なのは登記識別情報(権利証)の方なのでこれは絶対無くさないように金庫などに保管してください。こういうやつです↓

パッと見重要な書類には見えませんよねw

そして、この紙というのは例えば今回僕は8分の3を贈与で受け取りましたが、8分の3のみの識別情報(権利書)になります。

もし次の年8分の5を移転したとしたら、またこれのパスワードが違う物が発行され、それが8分の5のみの識別情報となります。

つまりその土地の持ち分全てを証明するには8分の3の識別情報と8分の5の識別情報が必要となりますし再発行は出来ないので絶対に無くさないようにしてください。


FXと関係ないnoteになってしまいましたがお金の勉強と思って知っていて損は無い内容なので今回共有しました、参考になったらスキを押してくれるとありがたいです。ここまで読んでいただきありがとうございます!

陸 三尊FXトレーダー


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