本を書く(2話)|才能|#シロクマ文芸部
本を書く?
滅相もございません。
まだ自身で小説ひとつも書いたことがないのですから。
本を出版?
うわぁ~
そんなこと出来たらきっと最高な気分でしょうね!
本を買う?
本を書いて出版するために、これを千冊購入するのですね?
お易い御用です。
本が届く?
ではこちらの住所へお願いします。
本の代金を支払う?
この銀行口座へ振り込めばいいのですね?
◈◈◈
その日のうちに
1冊2千円×千冊=2百万円
を指定口座へ振り込んだ。
待っても待っても千冊の本は届かない。
電話をかけても
『オカケニナッタデンワバンゴウハ…』
繋がらなくなった。
嬉しくて緩んだ顔で友人に話したら
「それ詐欺だよ」
と言われ、ようやく騙されたことに気がついた。
あなたは才能があります。
小説家になりませんか?
今年は小説を書きたいんです。
甘い話には乗らないよう気をつけます。
須木本りく
「本を書く」ではじまるお話を書きました。
シロクマ文芸部 さんの企画に参加しました。
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