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現金を使わないことで現金が表に出てくるというパラドックス

帰り道、折り畳み傘を開くか悩む程度に雨が降ってきました。空梅雨のところにたくさん降ると良いのですが、なかなかそうもいかないですね。

さて、……

最近、めっきり現金を使わなくなった。そのため、銀行でお金を引き出す回数も激減している。私の場合、2ヶ月に1回あるかないかくらいになっている。

おかげで、住宅ローンを借りているメインバンクの優遇施策である「引き出し回数7回/月まで手数料なし」も、ほとんどありがたみが薄れている。ないよりマシではあるのだけど。

私見であるが、一昔前まではクレジットカードでの支払いについても、ある程度の額以上という暗黙の了解があったと思う。「具体的にいくら」というのはもちろんない。しかし、店の負担を何となく考えてしまっていた。

実際、カードで払うとなると、店が端末を起動・用意するのに手間が掛かり、その操作が面倒で時間が掛かった。更に、払う我々側には関係ないけれど、店の支払うカード会社向けの手数料負担も気になった。

そういうわけで、私の基準だと1万円くらいまでは現金で払うものという意識ができあがっていた。

しかし、それを吹き飛ばす「外圧」が2つ発生した。黒船来航と言ってもよい。それはQRコード決済(〇〇ペイ)とコロナ禍である。

この2つがクレジット業界にほぼ同じタイミングで来襲することとなった。高いポイント還元率で会員を囲い込むQRコード決済陣営の攻勢を、カード会社側も迎え撃たねばならなくなったのである。

その結果が高還元率カードの発生につながったと考えている。そしてコロナ禍で、たとえ少額であっても現金のやり取りをはばかる雰囲気が醸成された。タッチ決済・コンタクトレス決済は、その流れに乗るものだろう。

これら2つの外圧によって、クレジットカードでの支払い機会は山のように増えた。コンビニの数百円の支払いでもタッチ決済が使用される一方で、現金を使う機会は激減したのである。

この流れは、これまでタンス預金をしてきた人達の行動を変容させる可能性が高いと思っている。タンス預金はまさに現金そのものなのだけど、現金で支払う場面が段々減ってくれば、手元にあっても使いづらくなる。

そうなると、例えば現金チャージによりポイント化して使うことも想定される。タンスの中で眠らせる意味がなくなっていく。

ぶっちゃけ、アングラな社会における現金も段々表に出さざるを得なくなるのではないか、と思っている。

これが国税の意図するものなのかは分からない。でも、もしそうなのだとしたら、国税の深謀遠慮はスゴいなあと言わざるを得ない。

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