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世界の大学ランキングを見て考えたこと

今日は午後から雨の可能性があると脅されながらも、何とか降られずに帰宅できました。まずは良かったと思っています。

さて、……。

NHKのニュースサイトに「世界の大学ランキング 英誌が発表 東京大学29位 前年より順位上げる」と題した記事が掲載されていた(2023年9月28日 16時04分)。

この手の記事を読んで思い浮かべるのは、日本の大学がなかなか上位に食い込めていないこと。そして、それでも実際にはノーベル賞を受賞する日本人が結構いるということ。

もし、ノーベル賞がこのような大学ランキングと密接な相関関係があるなら、そもそも日本人の受賞者はもっと少なくなければおかしい。また、東大と京大を比較してみると、この記事の執筆時現在で学士であれば東大9に対し京大8、但し東大は文学賞・平和賞の3人が含まれており、科学技術分野に限れば京大の方が多い。

もちろん、ノーベル賞だけが基準ではないとのご批判はごもっとも。でも、世界が認める成果に対する賞であることを考えれば、無関係というのも大学ランキングの正当性を疑わせるものだと思うが、いかがだろうか。

もちろん日本の大学教育が現状のままで良いのかという論点はあって、それはそれで改革が必要だと私も思う。

ただ日本の大学では、そもそも先進的な研究に従事する絶対数が少ない。多くの学生にとって大学は、就職に向けて手に職を付ける場となっている。そして、研究でも基礎研究に力点が置かれていない。

大学の研究費は、今では自前で稼がなければならない割合が増えている。メーカー等からの委託研究はこの自前で稼ぐのに資するが、そうなると基礎研究よりも応用に力点が置かれがち。

既にあるものの組み合わせや改良は日本人の得意とするところ。でも、それらは普遍性がなく論文の引用も少なくなるのではないかと憶測している。

これに加えて、外部からのお金を得ているとスポンサーの意向を無視できない。今発表した方がよいのか、もう少し成果が見えるまで秘匿しておいた方がよいのかについての判断も、自主的には決められない場合が出てくる。

論文の数と引用数は、大学ランキングに影響を与えるのは項目のはず。更に、英語力という日本の大学ならではのハンデもある。

これらのことを総合勘案すると、日本の大学はよくやっている方だと私は思っている。一方で、日本での研究に見切りを付けて海外に出てゆく人が今後益々増えていくのではないかとも感じている。残念だが、これもやむを得ない。

お読み頂き、ありがとうございました。

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