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全てに歴史がある/「老い=エイジング」を知る

長生きの時代をより良く生ききる
ウエル・エイジングをめざして

エイジング(加齢)の歴史を紐解きはじめました。
なぜならば、老人のこと、すなわち人のエイジングを知らないからです。

遡ること1789年
フランス革命からはじまった社会保障
そのきっかけとなったことは身分格差 貧困格差
貴族と庶民、さらにはアジア諸国やアフリカから入国した奴隷などの社会課題解決に革命が必要でした。

次にスウェーデンで提要されたノーマライゼーション
障がい者の人権を認める活動となっていきました。

「エイジング=老いる」ことは確かに細胞の変異が起きて病気になりやすくなります。
また耳が聞こえにくい、目が見えにくい、歩きにくいなどの身体の変化が起き始めます。
しかし、これは障がいではなく自然現象です。
医療の力で治そうとしましたが、エイジングによって発症する病気は根治できません。
リハビリテーションによって失われた機能を回復さえようとしましたが
やはりエイジングする人にはどこかで限界が生じてしまいます。
エイジングを医療で治すことはできません。
アンチエイジング(抗加齢)という考え方も生まれましたが、これは化粧品などの業界で肌年齢を若く見せる領域でしかありません。
エイジング(加齢)は障がいでも病気でもなく、人が生きてきた証として辿り着くステージです。
病気でない、障害がないということが健康の定義ではありません。

さらに若い人に住みやすかった住環境もエイジングする人にとっては住み難くなってきました。
そのために家庭内事故も増え、いのちを脅かす住宅になっている可能性が分かってきました。
老人ホームにはたくさんの認知症高齢者が暮らしています。
身体機能の衰えだけではなく、認知症を抱えながら暮らす住宅も研究され認知症高齢者グループホームやユニット型特別養護老人ホームへその考え方が反映され実装されています。

病気、認知症、障害を抱えながらもエイジングを受容しながら
すなわち自己肯定をしながら、他者のためになりたい人を
あらたな「アクティブシニア」と再定義してみました。


エイジングによる心身機能の衰えを上手にカバーしながら
成熟する機能を活かして生ききる方法を模索しています。

エイジングすることのイメージは老害、老醜だけだったとしたら
誰もがそれをアンチし、行きたくない未来となってしまいます。

「エイジングの歴史」の中にはリスペクトされてきた老人もたくさんいます。
その背景を学びながら、長生きの時代をどう生ききるか?
その選択をしていく時代です。
しかし、情報は少なく、判断できる教育もありません。



ノーマライゼーションの次に生まれた概念は「インクルージョン(包括)」です。
日本では2000年にスタートした介護保険制度の中に、
2006年から地域包括システムという考え方が台頭し
地域包括支援センターが配置されました。
まだまだ「介護予防」の推進策にとどまっているような気がします。

しかし、2024年介護報酬改定の中に災害対策として
災害に強いまちづくりに全ての介護事業者がBCPを持つことが義務付けられました。
さらに「地域包括ケアシステムの深化」という言葉が使われ始め
Kaigoは地域単位で提供されるまちづくりが本格的に始まります。
すなわち、エイジングも地域単位が基本となります。
しかし、先行した概念が育ち難いと感じています。

そこで、過去から学ぶこと
「エイジングの歴史」から学び、長生きの時代をより良く生ききる
ウエル・エイジングの実現へ貢献すること
それが私のミッションであり、叶えたい夢です

「フランス革命」
1789年にフランスで勃発した、ブルボン絶対王政を倒した市民革命。封建的特権の廃止、人権宣言、王政廃止、憲法制定などを実現、共和政を実現した。王政とそれを支えた貴族階級に代わりブルジョワ階級が権力をにぎったが、革命の過程で急進派と穏健派が分裂、ロベスピエールによる恐怖政治が行われ、周辺の君主制国家からの介入もあって革命政権は動揺し、1799年にナポレオンの軍事独裁政府が成立した。革命は長期にわたり複雑な経緯を経たが、基本的にはアメリカ独立革命・並行して展開されたイギリスの産業革命とともに市民社会への移行、つまり近代の出発点としての重要な歴史的画期となった。

ノーマライゼーション
スウェーデンで始まったノーマライゼーションとは、障害者(広くは社会的マイノリティも含む)が一般市民と同様の普通(ノーマル)の生活・権利などが保障されるように環境整備を目指す理念です。
1960年代に、スウェーデンの知的障害児者連盟のベンクト・ニィリエが提唱したのが始まりです。ニィリエは、当時の知的障害者に対する差別や偏見を問題視し、彼らが普通の生活を送れるように社会の環境を整えることが重要であると主張しました。
ノーマライゼーションの8原理は、以下のとおりです。
1. 障害者は、他の人と同じ権利と機会を持つべきである。
2. 障害者は、他の人と同じ生活条件、機会、選択肢を持つべきである。
3. 障害者は、他の人と同じ速度で成長発達するべきである。
4. 障害者は、他の人と同じ社会的役割を持つべきである。
5. 障害者は、他の人と同じ生活リズムを持つべきである。
6. 障害者は、他の人と同じ生活場所を持つべきである。
7. 障害者は、他の人と同じ社会的・経済的条件を持つべきである。
ノーマライゼーションは、スウェーデンの知的障害者福祉政策に大きな影響を与え、1980年代後半には、大規模な入所施設の解体と、地域での生活支援の充実が進みました。また、ノーマライゼーションの考え方は、世界各国に広がり、障害者福祉の理念として定着しました。
日本でも、ノーマライゼーションの考え方は、1970年代から徐々に浸透し始めました。1999年には、障害者基本法が制定され、ノーマライゼーションの理念が法律に明記されました。

インクルージョン
直訳すると「包括」「包含」「包摂」などを意味する言葉です。ビジネスや社会においては、多様な人々が互いに尊重され、それぞれの能力を発揮して活躍できている状態を指します。

インクルージョンは、ダイバーシティ(多様性)と深く関わる概念です。
ダイバーシティは、人種、性別、年齢、国籍、宗教、障害、学歴、価値観など、さまざまな属性を持つ人々が存在することを意味します。
インクルージョンは、そうした多様な人々が、それぞれの属性にかかわらず、平等に機会を与えられ、社会に参加できることを意味します。

インクルージョンの実現には、以下の3つの要素が重要です。多様性の認識:多様な人々が存在することを認識し、その多様性を尊重する。
機会の平等:属性にかかわらず、すべての人々に平等な機会を与える。
相互理解:異なる属性の人々が互いに理解し合う。

インクルージョンは、企業経営や社会の発展にとって重要な概念です。インクルージョンが実現した社会は、すべての人々が活躍できる社会であり、イノベーションの創出や社会の活性化につながります。

具体的には、インクルージョンの実現には、以下のような取り組みが挙げられます。採用や教育・研修において、多様な人材を積極的に受け入れる。
働きやすい環境や制度を整備し、誰もが活躍できる職場を実現する。
差別や偏見をなくすための啓発・教育を行う。

インクルージョンは、これからの社会をより良くするために、私たち一人ひとりが取り組んでいくべき課題です。

私たちは今こそ、老い=エイジングの歴史から学び
まだまだ続く長生きの時代をより良く生ききる
そのシステムづくりをしてまいります。

stand.fmの音声配信をながら聴取してください。


(引用元)
YouTube _KOTEN PADIO

(参考図書)「老人の歴史」
パット・セイン編
木下康仁訳
東洋書林発行


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