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withコロナでの働き方 3

空気環境について

前回、職場や家庭での換気について少し書きました。緊急事態宣言が出ようがテレワーク要請が出ようが、職場に出ていかなければいけない人がたくさんいます。【マスク】【うがい手洗い&消毒】そして【換気】…すべては自分と大切な人の身を守るためです。

コロナウイルスについては(いや、インフルエンザウイルスなども同じですが)気温や湿度によって活性化に変化があるといわれています。夏場は感染力が弱まるとも言われていましたからね。じゃぁ、部屋を閉め切って室温を上げた方がいいんじゃない?換気しろって、なんだか矛盾してない?って話になりそうですが…この場合の「換気しようよ」というのはウイルスの活性化とは関係なく、室内に存在しているかもしれないウイルスを外に追い出すためのものです。

例えば無症状で本人にもまったく自覚のない感染者がいたとして、その人から排出されるウイルスが空気中に漂っていたら…また、通勤や外出中に髪の毛や衣服に付着したウイルスが室内に持ち込まれたとしたら…目に見えないウイルスは室内がそんな状況であってもわかりません。ですから、その状態を少しでも改善し空気をきれいにするために換気が薦められているのです。換気とは文字通り空気を入れ替えることですから、窓1枚開けただけでは効果がありません。空気の入口と出口をしっかり確保することが大事です。

ちなみに人が多く換気がよくない部屋の中では二酸化炭素濃度が上昇します。人は1日におよそ1kgの二酸化炭素を呼気として排出していますので、いわゆる「密集」「密閉」の状態では当然その濃度は上がりますよね。狭い喫煙所などですと、これに「密接」も加わって【三密状態】が完成します。今多くの喫煙所が閉鎖となっていますが、まぁ当然でしょう。

この二酸化炭素濃度の上昇と感染リスクの因果関係についてはいずれ研究が進むと思いますが、そんなデータの蓄積を待つまでもなく何となくヤバいよな…ということは理解できると思います。現在建物環境に関する法律(ビル管法)では「空気中の二酸化炭素濃度を1000ppm以下にすることと」と定められています。実際、空調設備の整ったオフィスや店舗でこれを超えることはあまりなく、およそ500~600ppmといったところでしょう。ただし、前述の通りお昼休みで混雑する喫煙所などでは空調の換気能力が追い付かずあっさり基準値を超えてしまうことがあります。また食堂やラウンジなどでも同様の数値が出ることがありますので注意しましょう。

これまで長年空気環境調査をやってきた経験上、建物内で空気が澱む場所は「喫煙所」「食堂」「廊下の突き当り」といった場所です。加えて、ビルの構造によってはエレベーターホールも二酸化炭素、一酸化炭素、浮遊粉じん量などの各種数値が高くなる傾向にあります。こうした場所は感染リスクを避けるために何らかの対応が必要であると思います。店舗や小さな事業所などではとにかく換気に努め、大きなビルの場合はビル管理者に調査と対処を願いましょう。ビル管理者と設備管理担当者は建物の換気量を通常より引き上げるといったことも必要になりますね。

ちなみに私は外資タバコメーカーとの協業により「職場の受動喫煙防止対策」というコンサルをやっておりますので、このような室内空気環境の調査と改善も業務のうちです。

よろしければお問い合わせくださいね。








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