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『グローカリゼーション』

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こんにちは、くにたけりんと申します。
まずは、この記事を読もうと思ってくれて本当にありがとうございます。

今回は「グローカリゼーション」をテーマに、学校の社会学で学んだことをアウトプットがてらおはなしできたらなと思っておりますので、よろしくお願いいたしまーす!


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では本題です、今回は少しばかり長くなっちゃうかも。
みなさん、「グローバリゼーション」は聞いたことありますよね?ざっくり言うと、世界が一体化していくみたいな感じであっていると思うのですが、これと逆の言葉が「ローカリゼーション」です。ローカル、つまり自分たちが属するコミュニティ(地域とか村とか国もそうかな?)を大切にしていこうぜ、的な感じだと思います。
今回は、この二つの概念が混ざった「グローカリゼーション」がお題となります。

吉野家

話はみなさん大好き「吉野家」に変わります。
全国に展開し、海外進出もしている吉野家は、「うまい、安い、早い」が売りとなってます。「うまい」はファーストフード店としては当たり前のことなのだが、「安い」「早い」に関してはそうではないですよね。高い料理をゆっくり味わうことを売りにしたレストランがまさに。
なのでこの二つの売りはファーストフードならではであるのだが、ここを売りにしていくためにはとにかく回転率をあげなきゃいけません。お客さんからしたら料理が早くきて嬉しいのだが、皮肉にも店側(運営)からしたら早く出て行ってほしいと言うのが本音です。
薄利多売というグローバル・ビジネスコンセプトから、とにかく早く回してたくさんのお客さんを呼ぶ必要があります。そのために吉野家はなにをしていたのか、それが店内の客席レイアウトです。
今はそうではないのですが、2006年あたりまでは吉野家の店舗の大半は「カウンター形式」を採用していました。「コ」の字にカウンター席が並んでいるこの形式の利点は主に二つ
①お客さんに対して迅速に対応できる
②食べ終わった後に何かしようという気にさせない(長居させない)
この二つの利点から、吉野家の店舗の大半はカウンター形式を採用していました。
しかし、このレイアウトが一部の県で全く通用しなかったのです。それが、「沖縄」です。

いったいなぜ沖縄ではカウンター式が通用しなかったのでしょうか

沖縄の伝統文化

吉野家が沖縄に進出した時も、最初は本土と同様にカウンター式を取っていたのだが、全くお客さんが来なかったらしいです。沖縄「吉野家」の社長は、2006年に沖縄県民の方々に食事に関するアンケートを取ったところ、とても興味深い結果が見えたとおっしゃっています。その結果とは、

・外食はレジャーである
・外食は必ず親子とか友達とか、複数で行く
・沖縄の人々は「小上がり」と呼ばれる上がり間が多い
・沖縄の人々は外食で行列を作らない・並ばない

このことから、沖縄の人の外食は「ご飯を食べる」ためではなく「コミュニケーション」のためであり、一種のエンターテイメントであると捉えていると考えられます。なので、沖縄では店舗の客席レイアウトを今では主流の「ウォークアップ・スタイル(入口付近にレジがあり、その奥には何人かで座るテーブルがいくつか並んでいるレイアウト)」に変更し、お客さんの呼びました。

吉野家だけでなくマクドやモスもそうなのですが、沖縄の人は本土に比べ滞在時間がめちゃくちゃに長いのです。2、3時間は平気で滞在し、受験勉強やテスト勉強をしている人は6時間ぐらい滞在することも。当時、沖縄の図書館は「24時間開けてくれ!」とものすごい言われていたそうです。それぐらいに勉強熱心なのです。
しかし、滞在時間が長いのは「勉強」という理由のみならず、先にもあげた「コミュニケーション」もそうです。
本土での吉野家のターゲット層は青年〜中高年の男性一人客です。しかし、外食をエンターテイメントと考える沖縄では、ターゲットは必然的に広がります。青年男性はもちろんのこと、お母さんお父さん、おじいちゃんおばあちゃんから、小さい子供、さらにはJKまでも、吉野家のターゲットになります。
中高年の女性4人グループが吉野家に入り、3時間滞在するなんてのはザラです。これは沖縄の飲食店では昔から一般的とされてきた「小上がり」という靴を脱いで上がる畳敷きのスペースの感覚が深く関係していると考えられそうです。

沖縄の伝統文化と吉野家の元々の計画がマッチしなかったのには、こういった背景があったというわけです。


コミュニケーション・ピラミッド

沖縄の人たちはなぜこれほどまでにコミュニケーション濃度が高いのでしょうか?
ひとつあるのは、ブルガリア出身の思想家トドロフの理論です。それが、「コミュニケーション・ピラミッド」。

コミュニケーション・ピラミッドとは、コミュニケーションには三つの層があって、一番上が「目に見えて耳でも聞けるものとのコミュニケーション」つまり人間と人間の間で行われるコミュニケーション、その次にくるのが「目には見えるが耳には聞こえないものとのコミュニケーション」つまり自然とのコミュニケーション、そして一番下に「目にも耳にも聞こえないものとのコミュニケーション」つまり亡くなった人や宗教的の世界や神とのコミュニケーションがある、そういったピラミッドです。
そして、真ん中や一番下のコミュニケーションが、人間とのコミュニケーションをより生産的なものにする、というのがトドロフの理論のざっくりとした内容です。

沖縄は祭りが多いことで有名です。
このことは、沖縄の人たちがいかに神や宗教的世界のと対話を大切にしてきたのかを表しています。
トドロフの理論に則ると、沖縄の方々のこういった文化的背景が、人間とのコミュニケーション濃度を高め、コミュニケーション濃度が高まることで沖縄コミュニティの結束力が高まる、そのことがさらにコミュニケーションの質を高める、こういった良循環が起こっていると考えられます。


グローカリゼーション

日本や世界の至る所にある吉野家のカウンタースタイルでどんどん回すというビジネスモデルが、こと沖縄に関しては全く通用しませんでした。
吉野家という世界的ファーストフード店の画一化されたそのビジネスモデルの進展という名のグローバリゼーションが、コミュニケーション濃度の高さとコミュニティを大切にしようといった文化的価値観が源となったローカリゼーションによって濾過された形で沖縄に着地したこの現象は、まさに「グローカリゼーション」そのものです。
グローバリゼーションによって引き起こされる「価値観の画一化」と「都市化による共同体の崩壊」という負の側面を、ローカリゼーションによって洗い流しているというわけです。

グローバリゼーションと国際化が違うことからみられる共同体やナショナリズム的思想を、僕たちはどう捉えどう考えなにをしなければならないのか、今一度考える必要があるでしょう。


やっぱり長くなってしまいました、ここまで読んでいただいた方がいるのでしょうか?笑
最後までお付き合いいただきありがとうございました〜〜

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