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女はいつだって、構ってほしい

女はいつだって、構ってほしいのです。
身体の関係だけだって、どんなに忙しくても
会っている時は私を見て欲しいし、構って欲しいのです。

「えっちしたい」と夜中の3時に連絡してきてから
約1週間後、仕事終わりの終電で彼の家に向かっていた。
今回も迎えにきてくれるかな〜と思っていたが、
そんなに優しくはなかった(笑)。
コンビニで食べたいものと、飲みたいものと諸々購入して
うる覚えの彼の家に向かう。
たぶんここらへん…という感覚は間違ってなくて、
意外にすんなり彼のマンションにたどり着いた。
さすがに部屋番号までは不明で、近くから確認。
部屋番号を押して扉を開けてもらう。
いつもは一緒だったから、1人で向かうのはちょっと不安になる。

玄関に入って「来ちゃった」と言ってみる。
#ストーカーされてた女に言われた言葉
「知ってるし(笑)」とボソッと言われた。
買ってきたものを冷蔵庫にしまう
(うわーなんか彼女みたいw)
相変わらず冷蔵庫には、何も入っていない。
冷凍庫にアイスも閉まって、後でのお楽しみにする。

荷物を置いて、図々しくもシャワーを借りる。
暑かったので、全身洗った。髪も洗って化粧も落とした。
さっぱりしたはいいが、服がない。
彼の大きめなTシャツと
これまた大きめなハーフパンツをお借りする。
で、シャワー浴びた後、リラックスして過ごす。
誰かとの晩酌はめちゃくちゃ美味しい。
まったり、ゆったりとほんの少しのドキドキ。
深夜のテレビを見て、私はご飯を食べる。
のんびり過ごす。本当にのんびり。
この時間が好きだ。誰かが隣にいてくれる時間。

ビールも2缶目に突入したころ、人肌が恋しくなってきた。
知り合いの距離感から恋人っぽい距離感に変わる。
ソファーの上で、後ろから抱きつく。
甘い時間に移り変わる瞬間。
Tシャツとハーフパンツからのぞく素肌が触れ合う。
組み敷かれるのに時間はそうかからなくて、
いつの間にか、彼の腕の中にホールドされてた。

大きすぎるTシャツもハーフパンツも、
当たり前だけど隙だらけで、
彼の手が私の胸と気持ちいい場所を探し当てる。
ホールドされてて逃げられず、悶える。
またそれもいい。
逃げられない感じがたまらない。

一度気持ちよくさせられて、ぐったりしていたら
ベッドに連れて行かれた。
これからが本番ですよと言わんばかりのキスと愛撫をされて
さらにトロトロに溶けてゆく。
トロトロに溶かされてゆく。
何度も、何度も。

部屋は涼しかったけど、ものすごい汗をかいたみたいで
シャワーに行く彼を朦朧としながら見送って、意識が落ちた。
それからどのくらい経ったか覚えていないが、
隣で彼寝ていて、驚いて起きた。
何度か一緒に過ごしたが、一緒に寝たことは一度もなかったから。
誰かとは一緒に寝られない人だと思っていたから。
誰かとの眠りがこんなにも安心するのだと、
居心地がいいのだと改めて感じる。

隣で寝ていたら、自然に抱きついてしまうもので
その心地よさを堪能していたら、彼が起き上がってきた。
ベッドの中でイチャイチャして、
更に起こして欲しいとお願いされる。
小さなそれを最初は軽くイタズラしていたけど、
だんだんと愛おしくなるもので
その後は口に含んでそれを愛撫する。

あまり声を上げない彼が、ふと漏らす
気持ちよさそうな声。
さらに頑張っちゃうよね(笑)
でもさ、結局は彼に気持ちよくさせられてしまう。
何度も、何度も、何度も…。

小さなアラームの音がだんだんと大きくなる。
いつの間にか日も登り部屋も明るくなっていた。
携帯のアラームとは違う音が、彼を呼ぶ。
朝のミーティングの時間。
リモートワークの彼が、いつもの定位置に座り
夜とは違う顔で仕事を始める。
聞こえてくる指示出しの声。
仕事している彼もやっぱりかっこいい。

仕事の邪魔しちゃいけないなーって思いと、
午後から予定もあったので、ミーティング中に静かに帰る準備。
なかなか終わらなかったので、視線だけで「帰るね」の合図。
仕事中だから、当たり前だけど、お見送りはなし。
静かに玄関の扉を閉めて日常に戻る。

…わかってはいるのだけど、
ふと、会っている最中に仕事ばかりの人の彼女は
こんな気持ちになるのかな?と思う。
構ってもらえない寂しさ。
独占できない彼の時間。
持て余してしまう自分の欲。
「私と仕事とどっちが大事なの?!」
一生に一度は言ってみたいセリフが頭を掠める。

思わず鼻で笑う。
いつか言う時が来たら、この日のことを思い出すのかなと。

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