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THE VERY HUNGRY CATERPILLAR 〜世界は熱意のリレーでできている

He built a small house, called a cocoon, around himself. He stayed inside for more than two weeks. Then he nibbled a hole in the cocoon, pushed his way out and…
he was a beautiful butterfly!

“THE VERY HUNGRY CATERPILLAR” Eric Carle より

あおむしは繭をつくり、その中で2週間以上過ごしました。そして、繭に穴を開け、外へ出て行こうと自分の身を押し出しました。すると…
あおむしは美しい蝶になっていたのです!

(筆者訳)

絵本「はらぺこあおむし」は私も娘も大好きな作品です。もう何度読み聞かせしたかわかりません。

2024年は、原書“THE VERY HUNGRY CATERPILLAR”がアメリカで1969年に出版されて55周年。

ところで、世界で愛される“THE VERY HUNGRY CATERPILLAR”の初版がどこの国で印刷されたかご存知でしょうか。

実は日本です。初版にはPrinted in Japanとクレジットされています。

こちらのWebサイトでその経緯について触れられています。
◯えほんができるまで
https://www.theworldofericcarle.jp/harapeko50/creation-of-the-book/
◯カールさんからのメッセージ
https://www.kaiseisha.co.jp/special/ericcarle/about/

「はらぺこあおむし」はページの一部に穴が開いていたりするのですが、当時この特殊な印刷・製本を請け負ってくれるところがアメリカで見つからなかったそうです。そんな時、日本の偕成社の今村廣氏がこの作品に惚れ込み、印刷所の手配などを引き受けられたとのこと。

今村さんがこの作品を世に出したいという強い思いがなければ、誰もこの「はらぺこあおむし」に出会えていなかったんですね。

思えば、私たちのまわりにあるものはみんな、そういった誰かの熱意が伝わり広がって、できているのかもしれません。

我が家のキッチンにあるお鍋や食洗機
娘のおもちゃや私が着ている服
公園やそこに行くまでの道路
住んでいるまちや日々利用する様々なサービス
生活を取り巻く経済や法律といったシステムも

みんな誰かの思いや歴史を背負って、
今この時代に、ここに届いている

中には、まだ“たまご”や“さなぎ”のものもあって
“ちょう”になるのを待っているものもあるかもしれない

そんなことに思いを巡らせられるのも、「はらぺこあおむし」という作品に出会えたからですね。
自分も熱意を伝えるリレーのランナーのひとりになれたらいいなと思うのでした。

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