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bohemianvoodoo Christmas Live 2019

普段イヤホンや小さなスピーカーで音楽を聴いているだけでは忘れてしまうかもしれないが、生楽曲の音というのは、かなりの迫力を秘めている。

それは巨大なスピーカーから増幅される音が大きいという意味ではない。プレイヤーの内から湧き出る熱が楽器に触れる部位を伝ってリアルタイムで紡がれるライブ感は、やはり生でないと感じることができない。

Christmas Live 2019。円形のステージに姿を見せたbohemianvoodooが開幕の合図として演奏したのは“patterns of the Earth”だった。しっとりと幕を開けるかという予想に反し、冷えた身体を温めるようなパワフルさで4つの楽器が音色を奏でていく。

“Gypsy funk”“El Ron Zacapa”などリズミカルなナンバーが軽やかに駆け抜ける。ギターとキーボードが順番に奏でるメロディアスな旋律が心地よい。

“戦場のクリスマス”のさわりから、ウッドベースの音色が優しくハイハットが特徴的な“Adria Blue”が続く。“Christmas song”、そして“Nomad”とのマッシュアップでB'zのカバー、“いつかのメリークリスマス”を披露。それまでの疾走感のあるナンバーとは代わり、上品で繊細なセッションを繰り広げていく。時折目線を合わせながら音楽の愉悦を感じるように演奏する4人と、それを囲むように着席し聴き入る観客。MCでの4人の(というか多くがbashiry(Gt)と木村(Key)の)やり取りも含め、この日はクリスマスライブという神聖さも随所に感じつつも終始リラックスムードに満ちていた。

“いつかのメリークリスマス”の意外性に高まった空気を引き継ぐように“Theme of the Strollin””を披露。“Cradle”でbohemianvoodooのジャズ節を全開にすると、キーボードとギターのメロディの重なりが軽快な“Golden Forest"、優しいキーボードが印象的な"The Moments"で本編を締めくくった。
短くも濃い時間となったひと足早いクリスマスは、繊細な序盤から熱を増す"石の教会"で幕を下ろした。

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