Rina Imazu

日本の英語教育に少しでも貢献できるように、学び、試し、発信していきたいと思っています。

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最近の記事

小学生の子どもに「家で英語を勉強させたい」という友人にどうアドバイスをするか

小学生の子どもをもつ友人から、「子どもに英語のテキスト何かやらせたいんだけど、おすすめある?」と聞かれました。英語に関する教材は、子供向けから大人向けまで本当に様々で、本屋にいっても、インターネットで検索しても、なかなか選びきれないですよね。私も経験があります。この記事では、中学校の英語教員の経験から、彼女にアドバイスした小学生向けの英語教材やその選び方のポイントについて書きます。 ① どんな英語力を目標にするか  その子が中学校の授業や高校受験で困らないようにしてあげた

    • 子どもが本気で英語を使いたいと思った時、中学で学んだことが生かせるようになればいい

      将来必要になるとか、受験の科目だからだとか、仕事で英語が使えると出世につながるとか、おそらくどれも本当のことで、言っている大人は英語で苦労したから、子どもにもそう言うのだと思います。ただ、まぁ、たいていの中学生には響かない。彼らは目の前のことで精一杯ですから。もちろん宿題は出ますし、テストもありますから、勉強をする子はすると思います。でも、日本語に加えて、英語という外国語も使っていけるような人間を育てるには、こんなんじゃ足りないよなぁというのが、今思うところです。 養老孟司

      • 『脳が認める外国語勉強法』から、発音を学ぶことについて

        ガブリエル・ワイナーという方が書いた本を読んだので、それについて書きたいと思います。”Fluent Forever”という作品を翻訳したものです。共感できる点もあり、なかなか真似できないなと思う点もありました。日本の学校で英語を教えるということにつながるヒントになればと思います。今日は、発音を学ぶことについて書かれた記述について、簡単ですが書きたいと思います。 ①発音から始めれば学習時間は短くて済む 日本の小・中学校で英語を教える時、1番抜けているなと感じるのが英語の音に

        • 成績を上げるためにどうしたらよいか、という中学生からの質問にどう答えるか

          このような質問を受けたことはありますか? ふざけてちょっと聞いてみた、という生徒からなのか、あるいは本当に悩んで悩んで思い切って聞いてみた、という生徒からの質問かもしれません。でも、誰もが心の中で気にしている質問かもしれません。これについては、作家の木村達哉先生が、ブログやYouTube、個人のメーリングリストからのメッセージでよく話題にされています。そちらで学んだものを、紹介したいと思います。 成績を上げるための方法、それは ①分からないところを理解する ②覚えてい

        小学生の子どもに「家で英語を勉強させたい」という友人にどうアドバイスをするか

        • 子どもが本気で英語を使いたいと思った時、中学で学んだことが生かせるようになればいい

        • 『脳が認める外国語勉強法』から、発音を学ぶことについて

        • 成績を上げるためにどうしたらよいか、という中学生からの質問にどう答えるか

          中学生にも知ってほしい英語で書かれた「日本」

          以前英語の授業の導入で、外国では日本のどんなところが知られているか、ということを紹介したことがあります。What is famous for in Japan? のように検索すると、多くのWebページを見つけることができます。中には写真を見て、これは違うんじゃないか?と思うものもあります。きちんと取材をして書かれているのかどうか、疑問に思うものもあります。 外国語を教えるものの端くれとして、子どもたちには広い視野で自分が住んでいる国を見つめてほしいと思っています。日本にいて

          中学生にも知ってほしい英語で書かれた「日本」

          中学生に「働くこと」について伝えるために

          英語の授業から外れますが、池上彰先生の『私たちはどう働くべきか』という本を読んだのでそれについて書きます。2019年11月に立川市立立川第五中学校で行われた公開授業を、本にまとめたものです。 私たちはどう働くべきか https://amzn.asia/d/j5VwDvs 私は家族の仕事の都合で引越しが多く、長期的なキャリアを考えにくい立場です。年度途中になれば仕事がない場合もありますし、そもそも保育園や学童に子供を預けられないこともあります。悩ましい問題です。 でも、い

          中学生に「働くこと」について伝えるために

          教員が自分の英語力をどう維持するか、アップさせるか

          中学で英語教員をしていても、英語環境で仕事をしているとは言えません。子どもたちを指導するために使っている主な言語は日本語だからです。その方が効率がよいです。かと言って、自分がうまく英語を話せないというのは単純に悔しいものです。AETと話していて、聞き取れないことがあると焦ってしまいます。ですので、自分で気をつけて続けていることをこちらで紹介いたします。 ① 簡単な英語を毎日聞く ②好きなジャンルで英語を読む ③英語力をためす機会を作る ① 簡単な英語を毎日聞く 恥ずかし

          教員が自分の英語力をどう維持するか、アップさせるか

          学校の先生におすすめする1年を振り返る3つの質問

          今年も1年間お疲れ様でした。もしかしたら部活動でお忙しい方もいるかもしれませんが、一年の中で1番ほっとできるのが、年末年始な気がします。 みなさんは、年末に1年間を振り返ることはありますか?おそらく学校では、生徒たちに学期の振り返りをさせることと思います。でも、自分はというと、仕事のことはともかく、自分自身を改めて振り返るという方は少ないのではないかと思います。私が振り返りを行うのは「この一年の自分をほめる」ためです。振り返りというと、どちらかというと出来なかったことに目を

          学校の先生におすすめする1年を振り返る3つの質問

          【中学英語】単語の覚え方を教えると、生徒は勝手に勉強する

          受け持ちの中学2年生が、比較表現を学習しています。形容詞や副詞の比較級、最上級を覚えて、使えるようにしてあげなければいけません。しかし、単語を覚えるということに苦手意識のある生徒は多いと思います。ですから、覚えてこいと言うだけでは、少し無責任かなと思っています。できないことをできるようにしてあげる、というのも教師の仕事だと思うからです。学年では、代表的な形容詞や副詞をリストにしたものをが配布されました。こちらを使って、クラス全体で単語を覚えていけるよう、段階を踏んで指導しまし

          【中学英語】単語の覚え方を教えると、生徒は勝手に勉強する

          【中2英語】WPMを測って、英語を速く正確に読む力をつける

          英語を英語のまま理解し、高校入試などの長文問題をある程度のスピード感をもって読んでいく力をつけるために、どのような活動に取り組んでいますか? 先日、中学2年生の授業で、教科書の読解教材を使って、WPM (words per minute:1分間に何語読めたか ) を測る活動を行いました。以前勤務していた学校の先生に教わり、生徒も集中して取り組めていたので、効果があると感じています。そのやり方を紹介いたします。 ①WPMを測る活動を取り入れた指導とは 東京都教育委員会が発

          【中2英語】WPMを測って、英語を速く正確に読む力をつける

          「英語で情報を伝え合う」という導入のやり方

          最近気に入っている教材の導入方法があります。それが「英語で情報を伝え合う」というものです。参考にしているのは、 布村奈緒子『テキスト不要の英語勉強法』KADOKAWA という書籍です。この本のなかで、布村先生は一般の読者向けに勉強方法を提案されているのですが、先生の授業のやり方も書かれており、やってみたいなと思ったものを取り入れています。 今まで、新しいユニットや読み物の導入をする際、準備に時間がかかったり、結局は生徒は聞くだけ、見るだけの受動的な授業にしてしまったりし

          「英語で情報を伝え合う」という導入のやり方

          授業でのスピーキングテストで得られる3つの効果

          都立高校入試でスピーキングテストが導入され、今週の日曜が実施日となっています。 中学校の授業内で、スピーキングテストを入れている先生は多いのではないでしょうか。私もスピーキングテストは生徒の英語力、そして英語を学ぼうとする意欲に有効だと考えています。ですので、入っている学年で何か決まった取り組みがない場合は、本文の音読テスト、暗唱テスト、リテリングなど、実際に英語を口に出させる取り組みをさせるのが好きです。 最近、中学2年生でスピーキングテストを行いました。内容は2分間A

          授業でのスピーキングテストで得られる3つの効果

          中学生に英語の絵本を読ませてみて気づいたこと

          先日、時間割変更の関係で1日に2回授業があるクラスがあったので、何かいつもと違うことをしたいと思い、英語の絵本を紹介し、それを読ませる時間にしました。生徒たちは思ったよりも興味をもってくれ、教科書とはまた違った英語に触れる楽しい時間を過ごしてくれました。その時のことについて紹介します。 中学2年生の30数名のクラスで行いました。使った図書は、私が趣味で集めたものなので、一貫性はありません。学校によっては、Oxford reading tree を持っているところもあるかもし

          中学生に英語の絵本を読ませてみて気づいたこと

          なぜその生徒は単語を覚えられないか

           どんな教科でも、その教科が得意な子とそうでない子がいます。授業では、教科書をどんどん進めていかなくてはいけないので、その単元で出てくる単語や文法を十分習得できていない生徒がいたとしても、いつまでも復習に時間をかけるわけにはいきません。目の前で英語につまづいている生徒がいても、そのサポートに十分な時間をかけられないのが現状です。  生徒が英語が得意でないと感じる理由の中に、単語が覚えられないということがあると思います。そこで、生徒が単語を覚えられないのはなぜか、ということに

          なぜその生徒は単語を覚えられないか

          生徒が教科書をすらすら読めるようになるための指導ポイント3つ

           学年の途中から指導を引き継いだことがあるのですが、前任の方は授業であまり音読をさせない進め方でした。私は教科書の本文をすらすらと読めるようになることが、言語を学ぶ上でとても大切だと考えているので、授業は音読が中心です。また、娘が小学校に上がり、教科書の音読を毎日宿題として出されているのを見て、母語でも、音と文字を一致させ、意味を考えながら読むことで学びが進んでいくのだなと感じています。私が引き継いだことで教え方が変わったので、生徒の反応が気になるところでしたが、苦手意識のあ

          生徒が教科書をすらすら読めるようになるための指導ポイント3つ

          英単語を教えるにあたって考え直さなくてはいけない3つのこと

           英単語を何度も書いて覚えた記憶はありますか?昔自分が中学生だった時には、英語では予習ノートと復習ノートという2冊のノートを用意するよう先生から言われました。予習ノートは授業の板書や本文の和訳を書き、復習ノートは単語が10回、本文と基本文は2回の書き取り練習を宿題として出されていたように思います。今ではあまり見かけなくなりましたが、例えば夏休みの宿題などで、プリントに英単語の練習をしてくるようなものを出す学年はあります。先生方はおそらく、あまり意味がないことに薄々気づいている

          英単語を教えるにあたって考え直さなくてはいけない3つのこと