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「災害大国日本」になってしまったなあという実感

8年前の東日本大震災。
当時、自分が住んでいる土地とはあまりにかけ離れた場所で起きた災害。
テレビの報道を見て驚いたし怖かったけど、あまり実感がなかった。
でも、ふと思い立って、記事を書こうと思ったよ。
この災害は、多くの日本人の価値観をガラリと変えてしまったものだから。


***

今朝。
起きた時には正直忘れてしまっていた。
今日が、3.11。東日本大震災が起きた日だってこと。
ニュースアプリの通知で思い出した。そして、ゾッとした。

私は4年前。
福島県に行って、現地の惨状を実際に見た。
同じ日本とは思えない、酷い景色が広がっていたことを思い出した。

***

降り立った福島駅はとても綺麗に整備されていて、災害の片鱗を見せなかった。
だから、油断していた。災害の爪痕が残る土地を見て、言葉では言い表せない衝撃を受けたんだ。


4年経っていたけれど、海や、福島第一原発に近い土地は、まだまだ手付かずの場所がたくさんあった。
失礼を承知の上で言うと、「めちゃくちゃ」なままだった。


「震災から4年経って、だいぶ復興は進んできたんだけどね。」
と、地元の方は笑って言っていた。
けれど、私の目には進んでいるようには全然見えなかった。

たくさんの瓦礫が一面に広がる、不自然に開けた土地。
「あそこは学校だったんだよ。」
と指差す場所には大きく砕けたコンクリートの塊がゴロゴロ転がっていた。


道路が割れて、車が通れない場所もたくさんあった。
放射線濃度が高すぎて、「危険!立ち入り禁止!」と書かれた看板と柵で進入禁止になっている土地もあった。
土が放射能を吸っているからと、全面黒い特殊なシートで覆われた畑がたくさんあった。


崩れたままの建物。
割れたままの道路。
4年の歳月は、ここだけ止まっているのではないかとさえ思えた。


人が立ち入れない場所に、野良猫が歩いているのが見えた。
あの猫は、あれから4年間生き延びられただろうか。

一見何の変哲も無いように見える商店街には、人が一人も歩いていなくて。
明るい日差しの中で見たはずのその光景は、ひどく不気味で、怖かった。

実は、福島第一原発に近づけるギリギリのところまで行ってみたんだ。
4年前の当時、今尚原発で片付け作業をする人がいることを知り、その人たちの健康状態も知った。


テレビの向こうの惨劇は、実際に自分の目で見ると想像以上。
電波では伝わりきらない情報がたくさん自分の中に入ってくる。
私にとって福島県への訪問は、生き方の価値観を変えた。


私は職業カメラマン。
せっかく福島県に行くならと、写真を撮って帰りたかった。
けど、撮れなかった。

想像以上の惨状に怯んだのと、その土地に降り立つまでに持っていた多少の野次馬根性が恥ずかしくて。
こんなに大変な思いをしている人たちの現状を、こんな気持ちで撮っていいわけない。
悲しみに暮れている人たちが、でも悲しんでばかりではいられないからと踏ん張っている姿を、私のようなよそ者が土足で入るような真似をしてはいけない。
そう思って、いつものようにカメラを手に取ることができなかった。

***

8年前の3月11日。

仕事帰りに小学校時代の友達を自宅に呼んで、一緒にご飯を食べていた。
その時につけていたテレビで、大地震のことを知った。
衝撃だったのは、一軒家がいとも簡単に流されている映像。

えっ。家が流れとる...

友達と言葉少なにテレビの画面を凝視した。


偶然と言うか、温暖化や自然の変化の影響でか。
あの東日本大震災からこちら、「家が流される」級の災害が日本で多くなってきたように思う。
昨年の中四国地方での水害もそう。
日本は、本当に災害大国になってしまった気がする。


自分や身内に被害がなかった人は、正直他人事のような気持ちになってしまうのはわかる。
記憶は風化するものだし、いつまでも生々しい感情は持てない。
災害の恐ろしさを忘れてしまうことさえある。被災した本人でさえ。

だけど、次大きな災害がいつ起こるかわからない。
人間は自然災害には勝てない。
生き残れるかどうかは、運かもしれない。


だから、今を一生懸命に生きようよ。って、私はそう思った。
いつまでも時代のせいにしたり、人のせいにしたり、我慢が美徳だとか言わないで、自分の持てる力をたくさんたくさん発揮して、好きなことをして生きた方がいいじゃん。って思った。
わがままに生きろってワケではなくてね。
自分の人生に向き合って、もっと大事にしようって思ったんだ。


夜中に書いていると、もう日付が変わって12日になってしまった。
ふと思い立って書いた、誰の役にも立たない記事かもしれないけれど、少しでも誰かの慰めや勇気の素になれば良いなと思って、思いのままに書いてみた。


あ、それからね。
私も広島で被災したから一つだけみんなに伝えたいことがあって。
日頃から自宅でたくさん家族と写真を撮るとか、地元の写真を残すとか、しておいた方がいいよ。

酷い被害を受けてしまった土地や家は、もう元に戻らない。
土地ごと消えることもある。
消える前に、目に見える形で残しておくことをオススメするよ。
写真があるだけで、だいぶ救われるから。

サポートしていただけると泣いて喜びます!! よろしくお願いいたします。 起業して3年。 山あり谷ありで谷が深く、2018年は西日本豪雨で甚大な被害を受けました。 被害の穴埋めや、復興が遅れている地域の仲間を助ける為に使います。